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日米地位協定を改定するか否かの政府見解に関する質問主意書
衆議院 第190回 第311号
質問本文
本年五月二十四日、島尻安伊子・沖縄北方担当大臣は閣議後の記者会見で、「私自身、地位協定に関しては、これまでも県選出国会議員の立場で、抜本的な改定を要請してきている。政府としても外務省が米国政府と努力を積んでいただいていることは承知している。こうした残忍な事件に関しては、身柄の引き渡し等に関する地位協定が立ちはだかってしまう可能性があるので、今後、自民党県連としても改正・改定は求めていく、求めざるを得ない」と発言した。さらに五月二十六日、沖縄県議会は、採決で自民党議員十五人が直前に退席したものの、日米地位協定の抜本改定を求める抗議決議を全会一致で可決させた。
一方、安倍晋三内閣総理大臣は、五月二十三日の参議院決算委員会で地位協定をめぐる質問に対し、「相手があることだ。大切なことはしっかりと再発防止に全力を挙げていくことだ」と発言している。米国防総省のデービス報道部長は記者団に対し地位協定の見直しの可能性について「日本側からの地位協定に関する懸念には大規模な改定ではなく、協定の運用で取り組んできた」と述べている(二十五日付朝日新聞朝刊)。米軍属の元米海兵隊の男が女性の遺体を遺棄した疑いで逮捕された事件により、日米地位協定見直し論が再燃され、現職大臣までもが日米地位協定の改定の必要性を、閣議後の記者会見で訴えている状況の中、政府の立場を明確にする必要性があると考え、次に質問する。
一 五月二十四日の島尻安伊子・沖縄北方担当大臣が閣議後の記者会見で、日米地位協定の「改正・改定は求めていく。求めざるを得ない」と発言したことについて、政府の受け止め、見解は如何に。
二 五月二十六日、沖縄県議会は自民党議員十五人が退席したものの、全会一致で日米地位協定の抜本改定を求める抗議決議を可決させたが、このことに対する政府の受け止め、見解は如何に。
三 前文の通り、安倍晋三内閣総理大臣は日米地位協定について、「相手があることだ。大切なことはしっかりと再発防止に全力を挙げていくことだ」と明確な言及は避けている。菅義偉官房長官も記者会見で「運用の改善に取り組んできた」と米国防総省報道部長と全く同様のことを述べている。五月二十四日付読売新聞によると、外務省幹部の話として、今回の沖縄の事件と「地位協定は関係ない」との発言が紹介されているが、現職大臣の閣議後の記者会見における発言や沖縄県議会の全会一致の抗議決議を無視することはできない。
(一) 政府として、日米地位協定の改正、改定が必要と考えているか否か。「相手があること」は十分に認識したうえで、日本政府自身は必要と考えているか否か見解を問う。
(二) 政府として、運用の改善だけでなく、今回の沖縄の事件とは関係なく、日米地位協定を改正、改定しようと働きかけることを検討しているか。
(三) 米国防総省報道部長と菅官房長官は、日米地位協定に関し、全く同様の発言、「見直しでなく運用で対処」を述べているが、それは日本政府の日米地位協定に関する立場と理解して良いか。
答弁について、一、二、三(一)、三(二)、三(三)の質問につき、一括りにまとめて答弁することは絶対に避け、一つ一つ誠実に答弁されることをお願いする。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の発言については、平成二十八年五月二十四日の記者会見において、島尻国務大臣が政治家としての見解を述べたものであると承知しており、政府としてお答えする立場にない。
二及び三について
御指摘の沖縄県における在日米軍軍属による事案は、身勝手で卑劣極まりない事件であり、極めて遺憾である。政府としては、沖縄県民の皆様の気持ちも踏まえて、国民を代表して、安倍内閣総理大臣からオバマ米国大統領に対して強く抗議するとともに、実効的な再発防止策の徹底など、厳正な対応を求めた。
日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)は、合意議事録等を含んだ大きな法的な枠組みであり、政府としては、同協定について、これまで、手当てすべき事項の性格に応じて、効果的かつ機敏に対応できる最も適切な取組を通じ、一つ一つの具体的な問題に対応してきているところであり、引き続き、そのような取組を積み上げることにより、同協定のあるべき姿を不断に追求していく考えである。菅内閣官房長官の記者会見における発言は、このような政府の立場を示したものである。
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