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耐震基準に関する質問主意書
衆議院 第192回 第71号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×4検討してまいりたい ×1
質問本文
「平成二十八年熊本地震」(以下「熊本地震」と称す)では、建築基準法の耐震基準に合致した公共建築物等にも甚大な被害が出て避難所として使用できなくなったり、住宅が倒壊したケースが相次いだ。専門家の中からは、「耐震基準の見直しが必要」とする意見も少なくない。
そこで、以下質問する。
一 「地震地域係数」を設けている理由ならびに、係数がどのような根拠で算出されたのか示されたい。マグニチュード(以下「M」と称す)とはどのように連関するのか。
二 熊本地震は予測できたのか。予測できなかったとすれば、地震地域係数の低い地域でも、大地震は十分起こりうるということではないか。
三 熊本地震の本震は、M七・三、熊本県西原村と益城町で震度七を観測した。M七・三は一九九五年(平成七年)に発生した兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)と同規模の大地震である。九州においても、近畿圏と同規模の大地震が起きることがわかったわけだが、なお、「地震地域係数」を設けている根拠は何か。
四 益城町役場庁舎など昭和五十六年基準を満たしている建築物の構造部分が損傷した。地震地域係数がなければ、損傷を免れたケースもあるのではないか。
五 国土交通省の「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」の報告書では地震地域係数について「そのあり方は中長期的に検討すべき課題であると考えられる」としているが、いつ、どこで起きるかわからない大地震での被害を少しでも防ぐためには、地震地域係数について国は早急に見直すべきと考える。政府はどのように検討を進めているのか、具体的に示されたい。
六 地震地域係数については、福岡市、静岡県など自治体が独自に係数を上乗せし、被害を抑える取り組みをしている。一方で、沖縄県では全国で唯一係数が〇・七となっている。建築コストのみを優先し、財政力の弱い地域の安全性が損なわれているのではないか。政府の考えを伺いたい。
七 前述報告書では「構造部材や非構造部材等の部分的な損傷により、庁舎、体育館などの避難所、病院、共同住宅等で地震後に継続的に使用できなかった事例が確認された。こうした状況を踏まえ、今回の熊本地震を含む最近の地震被害において建築物の機能が損なわれ、継続的に使用できなかった事例について、その原因を明らかにする必要がある」としている。さらに「災害時に機能を継続すべき庁舎や、防災・避難・救助等の拠点となることがあらかじめ想定されている施設については、被害を少しでも軽減し、期待される機能が被災後に維持できるようにするための検討を行うことが必要である」としている。これらの指摘に対し、政府は具体的にどのように取り組むのか、明らかにされたい。
八 建築基準法第二十条第一項第四号の「小規模な建築物」では「直下率」は基準の対象外となっている。しかし、NHKスペシャル等で報道された通り、熊本地震においては、二〇〇〇年基準に適合した新耐震住宅が多く全倒壊した。専門家は、直下率が採用されていなかったことが原因、と指摘している。政府の見解と、四号建築物についても「直下率」を取り入れる考えはないか、示されたい。
九 朝日新聞(二〇一六年十月十六日付け朝刊)は「活断層の上 住めるのか」と題し、活断層が甚大な被害をもたらした熊本地震対策の問題点を指摘している。機能が失われた益城町役場庁舎も隠れた活断層上やその延長線上にあった可能性も考えられる。この記事によれば福岡沖地震を経験した福岡市では、断層周辺にビルを建てる場合、国の基準より二十五%上乗せした耐震強度を求める条例を設けている、という。国は来年度予算で益城町の断層調査や断層を避ける区画整理への新たな支援も設けていると伺うが、そもそも、断層を避けるための法整備こそ優先するべきではないか。
十 政府は今回の熊本地震被害の問題点を早急に洗い出し、建築基準の全面的見直しをすべきと考える。政府の方針を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一、三、五及び六について
建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)においては、同法第二十条第一項の規定に基づき建築物の構造に関する安全性を確かめるための構造計算を行うに当たって、地域ごとに異なる地震の発生確率等を考慮するために、地震地域係数(建築基準法施行令(昭和二十五年政令第三百三十八号)第八十八条第一項に規定するZの数値をいう。以下同じ。)を用いることとしている。地震地域係数は、その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度や地震活動の状況等に応じて一・〇から〇・七までの範囲内において定められており、地震の規模を示すマグニチュードとは直接対応していない。したがって、御指摘のように「建築コストのみを優先」しているものではなく、また、御指摘の「財政力の弱い地域の安全性が損なわれている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、地震地域係数を定めるに当たって地方公共団体の財政力は考慮していない。
国土交通省及び国立研究開発法人建築研究所が合同で開催した「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」(以下「委員会」という。)の報告書においては、平成二十八年熊本地震について「地域の被害状況に地震地域係数の影響は確認されなかった」とされており、また、地震地域係数の在り方は「中長期的に検討すべき課題」とされているところであり、地震地域係数の見直しについて、政府としては、現時点において、具体的な検討は行っていない。
二について
地震調査研究推進本部地震調査委員会が平成二十五年二月に公表した活断層の長期評価において、平成二十八年熊本地震で活動した断層について、日奈久断層帯の高野−白旗区間ではマグニチュード六・八程度の規模の地震、布田川断層帯の布田川区間ではマグニチュード七・〇程度の規模の地震が発生する可能性があると評価していた。
四について
お尋ねの「損傷」について、建築基準法第二十条第一項の規定に基づく構造計算においては、震度六強から七に達する程度の大地震(以下「大地震」という。)に対して建築物が倒壊しないことを求めているが、大地震に対して建築物が損傷しないことまでは求めていない。
七について
御指摘の建築物については、平成二十八年熊本地震の後に継続的に使用できなかった原因の分析を含めて整理した上で、建築物の構造等に関する最低の基準を定めている建築基準法の基準に加え、大地震後も当該建築物の機能を継続するために必要な事項を地方公共団体等に情報提供できるよう検討してまいりたい。
八について
御指摘の「二〇〇〇年基準に適合した新耐震住宅が多く全倒壊」の意味するところが必ずしも明らかではないが、委員会の報告書においては、御指摘の「二〇〇〇年基準に適合した新耐震住宅」が倒壊した原因として、「地盤変状」や「局所的に大きな地震動が作用した可能性」が挙げられており、御指摘の報道にある「直下率」が影響したものではないと考えている。したがって、建築基準法に「直下率」に関する規定を取り入れることは考えていない。
九について
活断層の地震発生確率については、様々な研究が行われているが、現時点では不確定さを含んでおり、また、活断層で発生する直下型地震については、具体的な範囲や地震動の大きさ等がいまだ十分に明らかになっていないと承知している。したがって、お尋ねの「断層を避けるための法整備」の意味するところが必ずしも明らかではないが、例えば、活断層上の建築行為を法律で一律に制限することは現時点では困難であると考えている。
十について
お尋ねの「建築基準の全面的見直し」の意味するところが必ずしも明らかではないが、委員会における検討を踏まえ、建築基準法に基づく現行の耐震基準についてはその有効性を確認していること等から、耐震基準の全面的な見直しは考えていない。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×4検討してまいりたい ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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