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高度プロフェッショナル制度と関連の深い米国ホワイトカラーエグゼンプションに関する質問主意書

衆議院 第196回 第263号お答えすることは困難 ×4承知していない ×1

提出者
希望の党・無所属クラブ
提出日
2018年5月1日
内閣転送 2018年5月7日
答弁書受領日
2018年5月11日
提出から10日
答弁の項目数
4
質問 2,207字/答弁 1,655字

質問本文

働き方改革関連法案に盛り込まれている高度プロフェッショナル制度は、米国のホワイトカラーエグゼンプションと、労働時間規制の対象外となる点等で類似する部分があるとの指摘があります。そのため、高度プロフェッショナル制度の導入による問題点を検討する上では、米国のホワイトカラーエグゼンプションを先行事例として検証することが有意義です。

そこで、以下の通り質問します。

一 高度プロフェッショナル制度については、日本の労働者の何パーセント程度、何人程度が対象になるかについて、労働政策審議会でも具体的な議論がなく、厚生労働省もこれまで明らかにしていませんが、米国のホワイトカラーエグゼンプションは、全労働者のおよそ何パーセント、何人が対象となっていますか。また、いわゆるホワイトカラー労働者のおよそ何パーセント、何人が対象ですか。「アメリカのホワイトカラーイグゼンプションの現状:労働基準法改正法案審議にあたって」(中村和雄著、前衛九二三号。以下、中村論文、という)によれば、米国におけるホワイトカラーエグゼンプション適用労働者は一九九九年で二千五百五十三万人であり全労働者の約二割にあたるとされています。また、「いっしょうけんめい『働かない』社会をつくる」(海老原嗣生著、PHP研究所二〇一四年)や「日本の動きとは正反対! 米国では残業代ゼロ見直しへ」(肥田美佐子著、週刊東洋経済六五二六号)によれば、男性のフルタイム労働者に占めるホワイトカラーエグゼンプション適用労働者の割合は二十五−三十四歳で三十パーセント台半ばであり、四十歳代で四十パーセント半ば、さらにホワイトカラー労働者の八十八パーセントがエグゼンプションの適用対象となっているとの指摘もありますが、これらについて、政府は認識していますか。

二 米国のホワイトカラーエグゼンプションの概略、および政府としてどのような制度と認識しているかを示して下さい。また、ホワイトカラーエグゼンプションの対象者や、運用の変遷の概略についても示して下さい。

三 米国のホワイトカラーエグゼンプションでは、年収がいくら以上の労働者が対象ですか。

四 米国のホワイトカラーエグゼンプションでは、どのような職種の労働者が対象ですか。

五 米国のホワイトカラーエグゼンプションでは、労働者の実際の労働時間は管理されていますか。

六 高度プロフェッショナル制度では、いくら長時間労働となっても歯止めがなく、働かせ放題になる危険性がある、労働の成果と報酬が必ずしもリンクしない、年収要件は設定されているが強引な国会運営が横行している中では、対象となる年収が容易に下げられてしまうのではないか、などの問題点が指摘されていますが、政府として、米国のホワイトカラーエグゼンプションについて、どのような問題点があると認識しているか示して下さい。なお、中村論文および、東京新聞二〇一五年四月四日記事によれば、主な問題点として、長時間労働や、長時間労働により時給換算した賃金が最低賃金を下回ること、本来ホワイトカラーエグゼンプションの適用対象でない者に同制度を適用する濫用の問題(名ばかりエグゼンプションの問題)が指摘されています。こうした問題点について、政府は認識していますか。高度プロフェッショナル制度でも、同様の問題が起こるのではありませんか。

七 高度プロフェッショナル制度と米国のホワイトカラーエグゼンプションの共通点は、どのような点であると認識していますか。

八 米国のホワイトカラーエグゼンプションの労働者の平均年収はいくらですか。また、労働者数が最も多い年収階層(最頻値の年収階層)はいくらですか。「現在の職場におけるホワイトカラーエグゼンプション:公正労働基準法」(米国会計検査院編、一九九九年、原題:United States General Accounting Office, Fair Labor Standards Act : White―Collar Exemptions in the Modern Work Place)によれば、一九九八年のフルタイムのホワイトカラーエグゼンプション適用労働者の週当たり平均収入は千十八ドルとされており、これを、一ドルを百八円、一年間を五十週として試算すると、年収は約五百五十万円となります。また、「働くあなたや家族の大問題!! 過労死促進 残業代ゼロ制度」(日本弁護士連合会)(以下、日本弁護士連合会作成資料、という。)によれば、ホワイトカラーエグゼンプション適用労働者において労働者数が最も多い年収階層は二万六千ドルから五万二千ドルとされており、これを日本円に換算すると約二百八十万円から五百六十万円になります。こうした状況について、政府は認識していますか。高度プロフェッショナル制度でも、将来、同様の給与水準まで拡大する可能性はありませんか。

九 ホワイトカラーエグゼンプション対象者と対象外の労働者では、労働時間はどちらが長いですか。日本弁護士連合会作成資料によれば、米国ではホワイトカラーエグゼンプション対象者の方が労働時間が長いとの調査結果が示されていますが、政府は認識していますか。こうした状況を踏まえれば、高度プロフェッショナル制度の導入により、労働時間が長くなり、過労死が増える可能性はありませんか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一から五までについて

米国の国内法制については、我が国として必ずしも網羅的にその詳細を承知しているわけではないことから、お答えすることは困難であるが、米国の公正労働基準法に規定されている、いわゆるホワイトカラー・エグゼンプションは、管理職等一定の職種であって、一週又は一週を超える一定期間ごとに定期的に、週当たり四百五十五ドル以上の額の賃金が支払われている等の要件を満たす労働者について、最低賃金や割増賃金の規制の適用を除外する制度であり、その対象者については、労働時間の記録は求められていないものと承知している。

また、御指摘の論文、文献及び記事において、御指摘のような記載があることは承知している。

六及び九について

米国の国内法制については、我が国として必ずしも網羅的にその詳細を承知しているわけではないことから、お答えすることは困難であるが、御指摘の論文、記事及び資料において、御指摘のような記載があることは承知している。

なお、お尋ねの「高度プロフェッショナル制度でも、・・・起こるのではありませんか」及び「高度プロフェッショナル制度の導入により、・・・可能性はありませんか」については、御指摘のような事態が生じないよう、いわゆる高度プロフェッショナル制度においては、対象業務について、「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務」であること、また、対象労働者について、労働条件に関する一定の交渉力を有していると考えられる者として「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額・・・の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」こと等を要件としており、さらに、制度の導入に当たっては、「健康管理時間・・・を把握する措置・・・を・・・使用者が講ずること」、「一年間を通じ百四日以上、かつ、四週間を通じ四日以上の休日を・・・使用者が与えること」、さらに、労働者の健康を確保するための措置を使用者が講ずることなど、労働者の健康を確保するための様々な措置を講ずることとしている。

七について

米国の国内法制については、我が国として必ずしも網羅的にその詳細を承知しているわけではないことから、お答えすることは困難であるが、いわゆる高度プロフェッショナル制度は、対象業務について、「高度の専門的知識等を必要とし、その性質上従事した時間と従事して得た成果との関連性が通常高くないと認められるものとして厚生労働省令で定める業務」であること、また、対象労働者について、労働条件に関する一定の交渉力を有していると考えられる者として「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額・・・の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」こと等の要件を満たした場合に、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第四章で定める労働時間、休憩、休日及び深夜の割増賃金に関する規定について、対象労働者に適用しないこととするものである。

八について

お尋ねの「米国のホワイトカラーエグゼンプションの労働者の平均年収」及び「労働者数が最も多い年収階層」については承知していないが、御指摘の文献及び資料において、御指摘のような記載があることは承知している。

また、お尋ねの「将来、・・・拡大する可能性」については、いわゆる高度プロフェッショナル制度は、その年収要件について、「労働契約により使用者から支払われると見込まれる賃金の額を一年間当たりの賃金の額に換算した額が基準年間平均給与額・・・の三倍の額を相当程度上回る水準として厚生労働省令で定める額以上である」ことを要件としており、労働基準法を改正しない限り、御指摘の水準まで拡大することは困難であると考えている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×4承知していない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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