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岸田内閣の税制等にかかる政策の方向性に関する質問主意書
衆議院 第212回 第18号お答えすることは困難 ×7趣旨が明らかではない ×3検討してまいりたい ×2仮定の質問 ×1
質問本文
本年十月二十七日、三十日の衆議院予算委員会での質疑等を踏まえ、岸田内閣の税制等にかかる政策の方向性について確認させて頂きたいと考えています。
そこで以下のとおり、質問します。
一 「経済財政運営と改革の基本方針二〇二三」(令和五年六月十六日閣議決定)、「わが国税制の現状と課題」(税制調査会答申、令和五年六月三十日)で、退職金への課税の見直しについて言及されています。これを踏まえ、二〇二四年度税制改正では退職金課税の見直しを行いますか、それとも行いませんか。また、二〇二五年度税制改正では見直しを行いますか。さらに、退職金課税の見直しはいつから行いますか。加えて、もし、未定あるいは検討中、という回答であれば、退職金課税が実施される可能性があると理解してよろしいですか。
二 十月二十七日の衆議院予算委員会で防衛増税について問われた際、岸田総理は、「防衛力強化の租税措置についてでありますが、この部分については、(中略)令和六年度から実施するという環境にはなく、定額減税と同時にこれを実施するということにはならないと考えております。」と答弁しました。この答弁によれば、令和七年度から防衛力強化の租税措置、防衛増税を実施する可能性はありますか。また、定額減税が令和七年度にも実施される場合、防衛増税も令和七年度に実施される可能性はありますか。さらに、将来的に、定額減税と防衛増税が同一の年度に同時に実施される可能性はありますか。
三 十月三十日の衆議院予算委員会での早稲田委員から高校生までの児童手当拡充と扶養控除の廃止について問われた際、岸田総理は、「高校生の扶養控除の排除等を前提として議論している、こういった事実は全くありません」と答弁しました。高校生までの児童手当の拡充に合わせて、高校生の扶養控除を廃止することはあり得ませんか。あるいは、高校生の扶養控除を減額することはあり得ませんか。
四 財政制度等審議会財政制度分科会の答申「歴史的転機における財政」(令和五年五月二十九日)の中で、「昨年十月には一定所得以上の後期高齢者に二割負担が導入されたが、これを更に進め、原則二割負担とすることも今後の課題であり、前向きに検討される必要がある。」とされています。この「原則二割負担」とすることを令和五年末までに決定する可能性はありますか。また、令和六年末までに決定する可能性はありますか。
五 社会保障審議会介護保険部会では、「給付と負担について」が議事とされ、利用者負担割合について医療保険の患者負担割合との比較が行われており、令和五年九月四日の読売新聞朝刊では、制度改正の主なテーマとして「自己負担二割の対象拡大」が示され、その内容について詳しく報じています。そこで、介護保険の利用者負担が二割となる利用者を拡大することを、令和五年末までに政府として決定する可能性について政府の見解を示してください。
六 令和五年十月十八日の朝日新聞朝刊では、「政府・与党は月内に取りまとめる経済対策で、介護職らの賃上げを盛り込む方針を決めた。政府内には月六千円引き上げる案があり、最終調整している。来年二月の実施を目指す。」と報じられています。一方、日本介護クラフトユニオン(NCCU)は、十月十八日に厚生労働省に「二〇二四年度介護報酬改定に向けた署名活動」に寄せられた六十二万二千三百六十五筆の署名を提出した際、「介護業界の喫緊の課題は人材不足。今年の春の賃上げでは一般企業の賃上げ率は三・五八%。一方NCCUの賃上げ率は有額回答で一・六%、しかも半数以上の組合員は賃上げがゼロで、定期昇給もない。国が処遇改善を行っても、まったく追いついていない。」と訴えました。また、十月二十日の毎日新聞朝刊では、「介護職らの処遇改善策として月六〇〇〇円の賃上げをする案について、介護サービスの事業者などで構成する十二団体は十九日、岸田文雄首相と面会し「それでは足りない」と訴えた。」とされています。介護職員の処遇改善は、月六千円では全く不十分と考えますが、政府の見解を示して下さい。
七 こども家庭庁が公表している「令和六年度 放課後児童対策・こども・子育て支援関連予算 概算要求の概要」の「放課後児童クラブの受け皿整備の推進」中で、放課後児童支援員等処遇改善等事業等の処遇改善メニューが掲げられていますが、こうしたメニューにより、放課後児童クラブの支援員の給与は、月額いくら程度上昇しますか。また、支援員の人手不足を解消するためには、さらなる大幅な処遇改善が必要と考えますが、政府の見解を示して下さい。
八 「こども未来戦略方針」(令和五年六月十三日閣議決定)の中で、「一歳児及び四・五歳児の職員配置基準について一歳児は六対一から五対一へ、四・五歳児は三十対一から二十五対一へと改善する」とされているが、この保育士等の人員配置基準引上げは、来年度のいつから実施しますか。また、それはいつまでに決めますか。
九 マイナ保険証について岸田総理は、十月二十四日の衆議院本会議で、「現行の健康保険証の廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提との方針にのっとり、ひもづけの総点検とその後の修正作業の状況も見定めた上で、更なる期間が必要と判断された場合には、必要な対応、これを行ってまいります。」と答弁しました。このうち「更なる期間が必要と判断」、すなわち健康保険証廃止を延期する判断には、令和五年九月時点でオンライン資格確認システムの利用状況におけるマイナ保険証の利用率がわずか四・五%でしたが、この利用率の低さも考慮要件の一つになりますか。また、この利用率四・五%という数値は、マイナ保険証に対する国民の不安の表れと考えますが、見解を示して下さい。
十 十月三十日の衆議院予算委員会で、岸田総理は、「この表でいきますと、資格情報のお知らせも携帯とありますが、これは携帯しなくてもよいということだと思います」と答弁しました。一方、第百六十六回社会保障審議会医療保険部会(令和五年八月二十四日開催)で厚生労働省が提出した資料には、「○オンライン資格確認の義務化対象外の医療機関等を受診する際などに、・マイナ保険証と合わせてスマートフォンを携行し、受診時に、マイナポータルの被保険者資格情報を提示することで、受診可能とする。・マイナ保険証と、「資格情報のお知らせ」やこのお知らせを容易に携帯して利用しやすくする工夫をしたものを一緒に提示することで、受診可能とする。」との記述があります。また、令和五年八月八日に示された「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会 最終とりまとめ」(以下、「最終とりまとめ」という。)では、「資格情報のお知らせを交付する。なお、当該お知らせについては、容易に携帯して利用ができるような工夫をし、マイナ保険証と一体で携帯することで、オンライン資格確認の義務化対象外の医療機関等も受診しやすくなると考えられる。」とあります。予算委員会での岸田総理の答弁は、医療保険部会や「最終とりまとめ」の方針と異なりませんか。また、資格情報のお知らせを携帯しなくてもよいという方針は、いつ、どこで決定されましたか。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「退職金課税の見直し」については、令和四年十二月十六日に与党が取りまとめた「令和五年度税制改正大綱」において、「退職所得課税について、勤続年数が二十年を超えると一年あたりの控除額が増加する仕組みが転職などの増加に対応していないといった指摘もある。(中略)個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入可能年齢の七十歳への引上げや拠出限度額の引上げについて、令和六年の公的年金の財政検証にあわせて、所要の法制上の措置を講じることや結論を得るとされていることも踏まえつつ、老後に係る税制について・・・あるべき方向性や全体像の共有を深めながら、具体的な案の検討を進めていく」とされ、また、「経済財政運営と改革の基本方針二〇二三」(令和五年六月十六日閣議決定)において、「退職所得課税制度の見直しを行う」とされており、退職所得課税を含め、老後に係る税制については、今後、与党税制調査会等において議論が行われていくものと考えているが、政府としては、当該議論を踏まえて対応していくこととしており、現時点においてお尋ねについてお答えすることは困難である。
二について
お尋ねの「防衛力強化の租税措置」の実施時期については、「令和五年度税制改正の大綱」(令和四年十二月二十三日閣議決定)において、「令和六年以降の適切な時期とする」とされ、また、「経済財政運営と改革の基本方針二〇二三」において、「「令和六年以降の適切な時期とする」とされている税制措置の開始時期については、令和七年以降の然るべき時期とすることも可能となるよう五兆円強の確保を目指す税外収入の上積みやその他の追加収入を含めた取組の状況を踏まえ、柔軟に判断する」とされており、今後、与党税制調査会等において議論が行われていくものと考えているが、政府としては、当該議論を踏まえて、これらの閣議決定の枠組みに基づいて判断することとなり、現時点においてお尋ねについてお答えすることは困難である。
また、御指摘の「定額減税」は、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」(令和五年十一月二日閣議決定)における一時的な措置としての所得税及び個人住民税の定額減税を指すものと理解しているが、この定額減税については、同閣議決定において、「令和六年分所得税及び令和六年度分個人住民税の減税を実施する」とされており、それ以外の定額減税については、具体的に検討していないことから、「令和七年度にも実施される場合」や「将来的に」という仮定の質問にお答えすることは困難である。
三について
御指摘の「高校生の扶養控除」については、「こども未来戦略方針」(令和五年六月十三日閣議決定)において、児童手当を拡充する際、「中学生までの取扱いとのバランス等を踏まえ、高校生の扶養控除との関係をどう考えるか整理する」とされており、今後、与党税制調査会等において、議論が行われていくものと考えているが、政府としては、当該議論を踏まえて対応していくこととしており、現時点においてお尋ねについてお答えすることは困難である。
四について
後期高齢者医療の被保険者の医療費の一部負担金については、令和四年十月より一定以上の所得の者を二割としたところであり、当該所得の基準について検討を行う際には、社会保障審議会医療保険部会において議論が行われていくものと考えているが、御指摘の「原則二割負担」については、現時点で同部会において議論されておらず、お尋ねについてお答えすることは困難である。
五について
御指摘の「介護保険の利用者負担」については、一定以上の所得の者を二割としているところであり、当該所得の基準については、「経済財政運営と改革の基本方針二〇二三」において、「介護保険料の上昇を抑えるため、利用者負担の一定以上所得の範囲の取扱いなどについて検討を行い、年末までに結論を得る」とされていることを踏まえ、社会保障審議会介護保険部会において議論が行われているところであり、現時点においてお尋ねについてお答えすることは困難である。
六について
御指摘の「介護職員の処遇改善」については、「デフレ完全脱却のための総合経済対策」において、「医療・介護・障害福祉分野においては、二千二十四年度の医療・介護・障害福祉サービス等報酬の同時改定での対応を見据えつつ、喫緊の課題に対応するため、人材確保に向けて賃上げに必要な財政措置を早急に講ずる」とされており、これを踏まえ、まずは、喫緊の課題となっている物価高騰や賃金上昇への対応を行い、その上で、令和六年度介護報酬改定においても、必要な処遇改善の水準等の賃上げの在り方について検討してまいりたい。
七について
御指摘の「放課後児童支援員等処遇改善等事業等の処遇改善メニュー」とは、平成二十七年度から実施している放課後児童支援員等処遇改善等事業、平成二十九年度から実施している放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業及び令和三年度から放課後児童支援員等処遇改善臨時特例事業として先行的に実施した上で令和四年度から開始した放課後児童支援員等処遇改善事業の三事業(以下「処遇改善三事業」という。)を指すものと理解し、また、御指摘の「放課後児童クラブの支援員の給与」とは、放課後児童支援員(放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準(平成二十六年厚生労働省令第六十三号)第十条に規定する放課後児童支援員をいう。以下同じ。)の賃金を指すものと理解しているが、政府においては、処遇改善三事業を通じてこれまで累次にわたり放課後児童支援員の賃金の改善に要する費用の補助に取り組んできている。
放課後児童支援員の賃金は、当該放課後児童支援員の雇用形態、勤続年数、事業所の経営状況や処遇改善三事業の活用状況等を踏まえ、事業者と放課後児童支援員との個々の雇用契約で決められるものであることから、お尋ねの「月額いくら程度上昇」するかについてお答えすることは困難であるが、例えば、令和四年度子ども・子育て支援推進調査研究事業「放課後児童クラブの運営状況及び職員の処遇に関する調査」において作成された報告書において、令和三年度の賃金額について、「令和元年度から継続して勤務している月給払いの常勤雇用者の場合、放課後児童支援員等処遇改善等事業による賃金改善額が年間三十八万七千二百十五円、放課後児童支援員キャリアアップ処遇改善事業による賃金改善額が年間二十万三千八百九十三円、放課後児童支援員等処遇改善臨時特例事業による賃金改善額が年間二万七百四十四円であった」とされており、処遇改善三事業は放課後児童支援員の賃金の上昇に一定程度の効果を上げるものと考えている。
引き続き、御指摘の「支援員の人手不足を解消するため」にも、処遇改善三事業を通じて放課後児童支援員の処遇改善に努めてまいりたい。
八について
御指摘の「保育士等の人員配置基準引上げ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、保育士等の職員配置基準の改善については、「こども未来戦略方針」において、「保育所・幼稚園・認定こども園の運営費の基準となる公的価格の改善について、公的価格評価検討委員会中間整理(二千二十一年十二月)を踏まえた費用の使途の見える化を進め、保育人材確保、待機児童解消その他関連する施策との関係を整理しつつ、取組を進める。具体的には、「社会保障と税の一体改革」以降積み残された一歳児及び四・五歳児の職員配置基準について一歳児は六対一から五対一へ、四・五歳児は三十対一から二十五対一へと改善する」とされており、お尋ねの実施時期も含め、具体的な改善方法について、令和六年度予算編成過程において検討してまいりたい。
九について
御指摘の「利用率の低さも考慮要件の一つ」の意味するところが必ずしも明らかではないが、令和五年十月二十四日の衆議院本会議において、岸田内閣総理大臣が「現行の健康保険証の廃止は、国民の不安払拭のための措置が完了することが大前提との方針にのっとり、ひもづけの総点検とその後の修正作業の状況も見定めた上で、更なる期間が必要と判断された場合には、必要な対応、これを行ってまいります」と述べているところ、お尋ねの「更なる期間が必要と判断」については、同月三十日の衆議院予算委員会において、同内閣総理大臣が「総点検、そして修正作業の進み具合、これらを総合的に判断する」と述べているとおりである。
また、御指摘の「利用率四・五%という数値」は、医療保険者が被保険者又は被扶養者の資格に係る情報を被保険者又は被扶養者本人のものと異なる個人番号(行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(平成二十五年法律第二十七号)第二条第五項に規定する個人番号をいう。)と結び付けたこと等による御指摘のような「国民の不安」によるもののみならず、御指摘の「マイナ保険証」を利用することで、患者は本人の健康や医療に関するデータに基づいたより適切な医療を受けることが可能となるなどの様々なメリットが、国民に十分に浸透していないこと等によるものであると考えている。
十について
御指摘の「資格情報のお知らせを携帯しなくてもよいという方針」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「資格情報のお知らせ」の「携帯」については、御指摘の「医療保険部会や「最終とりまとめ」」において、「オンライン資格確認の義務化対象外の医療機関等を受診する際などに」「マイナ保険証と合わせてスマートフォンを携行し、受診時に、マイナポータルの被保険者資格情報を提示することで、受診可能とする」、「マイナ保険証と、「資格情報のお知らせ」やこのお知らせを容易に携帯して利用しやすくする工夫をしたものを一緒に提示することで、受診可能とする」等とされ、これに基づき、オンライン資格確認を導入していない保険医療機関等を受診する際や、停電やICチップの破損などによりマイナ保険証(健康保険証として利用するための登録が行われた個人番号カードをいう。以下同じ。)が物理的に使用できない状況で保険医療機関等を受診する際などの例外的な場合にのみ、「携帯」が必要となり、原則どおりマイナ保険証でオンライン資格確認を行う場合や、スマートフォン保有者がマイナ保険証と合わせてマイナポータルの被保険者資格情報を提示する場合は、「携帯」は不要とすることとしている。このため、御指摘の「資格情報のお知らせ」の「携帯」は、常に必要があるものではなく、その判断は個々の被保険者に委ねられており、御指摘の岸田内閣総理大臣の国会における答弁についても、こうした趣旨を述べたものであり、御指摘の「医療保険部会や「最終とりまとめ」の方針」と異なるものではないと考えている。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×7趣旨が明らかではない ×3検討してまいりたい ×2仮定の質問 ×1
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。