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恩給法に関する質問主意書

衆議院 第22回 第2号

提出者
衆議院
提出日
1955年3月29日
内閣転送 1955年3月31日
答弁書受領日
1955年4月5日
提出から7日
答弁の項目数
0
質問 954字/答弁 540字

質問本文

衆議院議長 ※(注)谷秀次 殿

恩給法に関する質問主意書

旧軍人又は旧準軍人の死亡後、扶助料をうける権利又は資格を失うべき事由等については、恩給法によつて規定されているところであるが、恩給局においては、旧軍人又は旧準軍人が戦死後、請求権者が、旧軍人軍属の本籍から離れたときは扶助料を受ける権利を失つたものとして恩給法附則第二十八条の規定により一率に扶助料の請求を棄却している模様である。

たとえば、その請求権者がその戦死を知らず、また恩給法上、請求権を失うことを知らずに本籍から転籍したときは、戦死した旧軍人、旧準軍人は本籍の面において遺族がいないこととなり、事実の遺族でありながら転籍した遺族はその請求権を失つている有様である。

しかりとせば、このことは戦争中又は戦後に困乱した状況においては、まことに実情にそわない行政措置といわなければならない。

なぜなら空襲による疎開ないしは火災被爆等により、転々として住居は移動し、一家はやむをえず離散し、これに伴い「本籍」についての考え方も戦前のように固定したものでなく、随時現住所にあわせて変更したものが非常に多いからである。

また本籍の変更をするとき、恩給法に規定されていることをなんら知らずにおこなつたのが普通であつて、いわんや肉親が戦死した場合の自己の利害を考慮するがごときは、何人も考え及ばなかつたところである。

また戦死の公報にいたつては、ずつと遅れてなされているから、「戦死した日以後の転籍」という考え方も必ずしも実情にそわないものであろう。また時効に関する規定についても実情にあわせ再検討の要がある。

恩給法の定める主旨に、よしや一つの筋があるとしても、右の事情の下では一率にこれを適用することは当を得ないものであると考えるが、やむべからざる事情の下に、本籍を変更した請求権者に対しては、この際その権利又は資格を認むべきであると思うが如何。また法規に明確な点といえどもこの際右の点については改正する要ありと思うが如何。

右は、今日肉親を戦場に失つた遺族の痛切なる訴えであり、戦時の混乱な状況下にあつたがために当然扶助料をうくべき立場にありながら、これを棄却された多くの遺族の重大な不満となつていることを、あわせて述べておく次第である。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

「本籍から離れたとき」、「本籍から転籍したとき」又は「本籍の変更」によつては遺族が扶助料を受ける権利又は資格を失うことにはならないので、質問の趣旨は恩給法の一部を改正する法律(昭和二十三年法律第百八十五号)による改正前の恩給法(以下「改正前の恩給法」という。)第七十六条又は第八十条にいう「其ノ家ヲ去リタルトキ」をいうものと考えられる。

恩給法の一部を改主する法律(昭和二十八年法律第百五十五号。以下「法律第百五十五号」という。)附則第十条及び第二十八条が、旧軍人の遺族の身分関係については、その当時の法律によることとし、「家ヲ去リタルトキ」は改正前の恩給法によつて扶助料を受ける権利又は資格を失うべき事由に該当することとしたのは、民法その他の法律と同様の法理に従つたものに過ぎない。すなわち、一般に、ある個人の身分関係については、その身分の異動が生じた当時における法律によるべきであり、その効果もその時における法律によるべきであつて、現に民法の一部を改正する法律(昭和二十二年法律第二百二十二号)附則第四条も同様の法理に基いた規定である。

したがつて、扶助料権の得喪については、法律第百五十五号附則第十条及び第二十八条の規定のように措置するのが妥当であると考える。

右答弁する。

衆議院の原文

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