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国民医療に関する質問
参議院 第132回 第14号お答えすることは困難 ×3検討してまいりたい ×1
質問本文
国民医療に関する質問主意書
わが国は戦後一貫して低医療費政策をとってきた。一九六一年に国民皆保険を達成し、国民の誰もが、いつでも、どこででも、安い費用で医療を受けられるようになると、わが国の医療の主体となっている民間医療機関の努力と相まって、国民の平均寿命が世界一となるなど、国民医療の向上には見るべきものがあった。
国民皆保険下での医療内容を規制する診療報酬も、先進諸外国に比べれば著しく安いものの、一九七〇年代までは物価、人件費に準じて引き上げられ、医療の進歩や国民のニーズに応じた医療がある程度可能であった。一九七〇年代の一〇年間の上昇率は、それぞれ賃金二四九・四%、消費者物価一三六・六%、診療報酬八一・九%となっている(二木立著『現代日本医療の実証分析』 一九九〇年)。しかし、一九八一年に診療報酬改定の方針が改められ、その後の引上げ率が極端に抑制され、一九八〇年代の一〇年間の上昇率は、それぞれ人件費三六・五%、消費者物価二二・四%であるが、診療報酬はわずか三・一 %(二木立著『九〇年代の医療と診療報酬』 一九九二年)にすぎなかったため、国民医療は大きな影響を受け、看護婦不足を招いた。さらに寝たきり老人の増加など、深刻な社会問題も生じた。そこで私は、国民医療を守る立場から、一九九二年八月から一九九三年一一月にかけ、四回にわたって国民医療に関して質問主意書を提出してきた。
しかし、「経済大国から生活大国へ」をうたった宮澤内閣からも、「硬直した予算配分を変える」と意気ごんだ細川連立内閣からも、国民医療を守る上から納得のいく回答を頂くことが出来なかった。
現内閣は社会党党首である村山氏を総理とし、「人にやさしい政治」をモットーとされており、国民医療には特に関心の深いことと思われる。内閣の政治姿勢を伺うため、ここに再び質問主意書を提出するものである。質問はまず診療報酬改定、その他医療関連事項につき、以下、疑問の点を質すこととする。
一 社会保険診療報酬改定について
1 診療報酬の改定は医業経営の補填を一つの目的にしているが、一九八一年の医療費改定から、医療費の自然増(人口増、高齢化、医療の高度化など)が医療機関の所得の増にはつながらないのが現状である。政府は医療費の自然増がどれくらいの所得の増に反映するかを勘案した上で、医療従事者の所得が国民所得の伸びと同等に伸びるように、診療報酬の改定を行うべきではないか。(岡光序治厚生省老人保健福祉部長(当時)が「医療費の要素の中には、人口増とか人口の高齢化の影響分が二%弱あるわけで、(中略)その部分を別枠にカウントするということがあっていい」旨『社会保険旬報』九四年二月一一日号一七頁で述べている。)
2 政府は一九八四年前後より毎年の国民医療費の伸びを国民所得の伸びの範囲内にとどめることを政策目標にしているが、これは必然的に医療従事者の所得の伸びを国民所得の伸び以下に抑える結果を招くものである。如何なる理由によりこのような政策を掲げることにしたのか。
3 各種技術料の点数配分を変え、診療報酬を全体として一%上げる改定を行っても、医療機関により所得の上がらない場合もありうる。一点単価を一〇円から一%上げれば全ての医療機関が確実に一%の所得増になり、医業経営の補填という目的に沿うようになる。医療費改定に際し、単価を上げる考えはないか。
二 付添い、介護について
1 昨年一〇月の改定により、原則として病院付添婦は平成八年三月三一日までになくしていく方針が明らかにされたが、朝日新聞の報道によれば、従来、付添婦はいないとされた基準看護病院でも、二四時間介護の付添婦を置かなくては患者の介護が出来ないところが多数あったとのことである。今回の改定で、新看護、基準看護病院に看護補助者を置くことが出来るようになったが、八時間勤務であるから、二四時間の患者管理は困難であるといわれている。もともと病院付添婦は看護婦等の不足を補うために生じた制度であるので、病院看護の水準が、患者管理が完全に出来るほどに充実するまで、付添婦制度を存続させるべきではないか。
2 体位変換などが出来ず、二四時間監視が必要な患者に、特別看護、特別介護制度が導入されたが、担当者は原則として八時間勤務であり、二四時間患者の世話をすることが出来ない。二人ないしは三人の担当者が交代して、二四時間の特別看護、特別介護が出来るようにすべきではないか。
また、特別看護、特別介護は、通常の看護体制ではカバー出来ない患者を対象にしているのであるから、全ての入院施設に導入を認めるべきではないか。
3 看護補助料が設定されたが、例えば入院患者一〇〇人に対し七人の看護補助者がいる場合、看護補助料は五〇点で、看護補助者一人当たり七一四〇円となるが、看護補助者が三四人になると、看護補助料は一三〇点で、看護補助者一人当たり三八二〇円にしかならない。このように手厚い介護を行おうとする施設に低い点数を設定するのは、医療内容を低下させるものである。よい医療を行う施設には高い点数を与える等、それに報いる措置をとるべきと考えるが、どうか。
4 有床診療所には看護補助者を置くことは認められていないが、有床診療所の看護婦等は、入院患者の看護と同時に外来患者の診察介助も行うことを前提に看護料を安く設定されており、入院患者に専念できない状態にある。病院以上に有床診療所には看護補助者が必要なので、看護補助者を認めるべきと考えるが、どうか。
三 入院時食事療養について
1 従来の入院給食が入院時食事療養となって療養の給付から外され、原則として患者は六〇〇円(平成八年度から八〇〇円)を負担することになったが、入院患者の食事は医療の一環として重要であり、療養の給付から外すべきでないと思うが、どうか。G7諸国で入院患者の食事を医療費から除外し、患者負担にしている例があるか。
2 医療保険や老人保健で入院している患者に特別食を提供した場合、入院時食事療養(I)(一九〇〇円)と特別食加算(三五〇円)から標準負担額(原則六〇〇円)を控除して、医療保険や老人保健から給付されることになっている。
しかし、労働者災害補償保険法、公害健康被害補償法、自動車損害賠償保障法などの他法による入院患者において、医療保険あるいは老人保健の特別食加算(三五〇円)が算定された場合、標準負担額(原則六〇〇円)の徴収を医療機関に義務付けているが、これは不合理である。このように他法で入院している場合、標準負担額を含んだ入院時食事療養(I)に相当する額が給付されているわけであるから、医療機関における標準負担額の徴収は不要とし、無条件で医療保険あるいは老人保健で特別食加算を給付すべきと考えるが、どうか。
3 昨年一〇月からの入院給食への一部自己負担の実施を前にして、厚生省は、自治体による入院給食患者負担の助成をしないよう、各都道府県宛に担当課長名の通知、厚生事務次官依命通知などを再三にわたって出している。患者負担への助成は、自治体の裁量権の範囲内に属すると考えるが、どうか。
また、全国の三〇近い都府県では、乳幼児、重度心身障害者、母子家庭などの患者に対して、なんらかの助成措置を行っている。今後このような自治体に対して、予算面などでの削減措置をとる考えはあるかどうか伺いたい。
四 診療情報提供料について
1 入院中の患者を他の医療機関に、診察ないし検査のため、必要な情報を添えて紹介することは、医療機関の連携によってより適切な医療を行う上から、望ましい処置であると思われるが、現在この際の診療情報提供料は認められていない。外来患者と同様に算定を認めるべきと考えるが、どうか。
2 有床診療所は施設基準も職員の基準も定められ、病院と同様に入院施設として認められたが、入院患者の退院に際し、診療の経過について紹介先医療機関に情報提供を行ってもその情報提供料は外来患者の紹介と同じである。有床診療所にも診療情報提供料(C)またはそれに準じた点数を認めるべきと考えるが、どうか。
五 指導管理料について
1 対象疾患に同じ指導を行っても、病院では特定疾患療養指導料の点数が低いか、あるいは全く認められないのは不合理である。医療機関の種別による点数の格差をなくすべきと考えるが、どうか。
2 現在、てんかんに対する療養上の指導は、てんかん指導料として小児科など特定の診療科を標榜する専任の医師が指導した場合にその算定が認められている。しかし、てんかんは従来、特定の診療科に限らず多くの開業医が治療に携わっている疾患であり、特定疾患療養指導料の対象疾患に加えることの方が適切と考えるが、どうか。
また、難病に対する療養上の指導は、難病外来指導管理料として診療報酬上評価されているが、その評価は、月二回算定できる特定疾患療養指導料と同じにすべきと考えるが、どうか。
六 診療所老人医療管理料について
1 これは診療所にショートステイ機能をもたせるために設けられた点数であるとのことであるが、ショートステイには、老人以外でも障害者など在宅医療を行っている患者で、短期間利用する場合がある。この点数の名称を「診療所ショートステイ」と変更し、老人以外の患者も対象としてよいと考えるが、どうか。
2 複数の病室を対象病室とした場合、そのいずれの病室も空いている場合は一般患者を収容することが認められているが、一つの病室に対象患者が収容されている場合は、他の病室は空いていても一般患者を収容することが出来ないとされている。これは効率的ではない。病室が空いていれば一般患者の利用を認めるべきと考えるが、どうか。
七 薬剤の長期処方について
現在、海外旅行と年末年始・ゴールデンウィークに限って、三〇日間までの薬剤処方が認められているが、夏期休暇による帰郷や、寒冷地の降雪時期、国内の長期出張等薬剤の長期処方が求められる場合は多い。この件に関してはケースにより柔軟に長期処方を認めるべきであると考えるが、どうか。
八 時間外、休日診療について
1 現在、時間外診療は通常午前八時以前と午後六時以降しか認められていないため、診療標榜時間を午前九時から午後五時までとしている医療機関では、診療の開始前一時間と、終了後一時間は、緊急を要する患者の診療を行っても時間外加算がつけられないことになっている。診療時間外であるから、その対応には苦慮することが多く、職員に診療介助をさせれば時間外手当を支給しなければならない。診療時間外の緊急診療には全て時間外加算を認めるべきと考えるが、どうか。
2 休日に医療機関にいて緊急の診療を行った場合は休日加算が認められるが、休日に緊急の往診に行った場合は休日加算は認められていない。休日に働く以上加算を認めるべきと考えるが、どうか。
九 中央社会保険医療協議会(中医協)の審議について
診療報酬の決定は国民医療を左右する重要事項であり、国民注視のもとに行われるべきものと思われる。現在中医協は総会のみが短時間形式的に公開されるが、その時間内で膨大な内容を検討するのは不可能である。中医協の審議を初めの段階から公開する考えはないか。
十 国民健康保険(国保)について
1 国民健康保険法等の改正が国会で成立した。負担の公平をはかるとのことであるが、所得に関係なく払わねばならない応益割の割合が増えると所得の低い世帯の国保保険料等の負担が増えることとなる。
国は、その対策として国保保険料の軽減制度の拡大で救済するとしているが、その試算根拠と軽減の対象となる所得層およびその世帯数を、改正前との比較でお示し願いたい。
2 現在、老人医療拠出金の算定の基礎となっている老人加入率の上限二〇%を超える国民健康保険者が全体の四割になったため、同上限規定の引上げを図るということであるが、この引上げは政府管掌健康保険、健康保険組合など他の健康保険の拠出金増をもたらし、ひいてはこれらの社会保険料の引上げにつながりかねず、単に国保だけの問題では済まない内容を含んでいる。この平均老人加入率による拠出金算定方法は、保険者によっては多大な負担を強いることになり不合理な点がある。そもそもの誤りは、一九八四年に国保の国庫負担率を四五%から三八・五%に削減したことにある。この算定方法を見直し、国庫負担をもとに戻す考えはないか。
十一 消費税について
現行消費税法は、社会保険医療を非課税としている。しかし医療機関が使用した医薬品、医療材料および諸経費に対して課税されている消費税を、最終消費者である患者から徴収することが出来ず、医療機関の負担になっている点が大きな問題である。消費税導入時に医療材料で〇・一一%、医薬品で〇・六五%、併せて〇・七六%が上乗せしてあるというが、薬価算定方法が変わり、なおかつ薬価が引き下げられた現在、薬価に消費税分が含まれているという実感すらなくなっている。日本医師会の「第一八回医療経済実態調査」(一九九二年一一月実施)に基づいて算出してみると、一年間で医療法人の病院(平均一二一床)では、一二〇〇万円以上、無床診療所でさえ一〇〇万円以上、消費税を負担していることになっている(『月刊保団連』九四年九月号)。消費税が医療機関の経営悪化の大きな要因となってきている今、医療にも自動車輸出等で行われている戻し税方式の『ゼロ税率』を適用すべきと考えるが、どうか。
十二 医業税制について
1 診療報酬の租税特別措置(租税特別措置法第二六条)は、診療報酬を据え置く代わりに税制面で配慮するとして成立した歴史的経緯がある。現在でも開業医の三分の一はこの規定を利用している。医療経営の安定上からも存続させるべきと考えるが、どうか。
2 医療は、医療法のもとに公共性と非営利性が要求されている。その原則を守る上でも社会保険診療報酬に対する事業税非課税措置を堅持すべきと考えるが、どうか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
診療報酬改定に当たっては、医療経済実態調査により医業経営の実態を把握し、物価及び賃金の動向など医療を取り巻く諸状況を総合的に勘案するとともに、中央社会保険医療協議会(以下「中医協」という。)の審議を踏まえ、人件費を始め必要な経費が確保されるよう努めてきたところである。
一の2について
人口の高齢化や医療技術の高度化等に伴い、医療費の増加が避けられない中で国民の負担が過大なものとならないよう、医療費の伸びを社会経済の実勢に見合ったものとすることが必要であるという考え方に基づき、国民医療費の伸びを国民所得の伸びの範囲内に抑えることを目標として、診療報酬の合理化や診療報酬明細書の審査の充実等医療費の適正化対策に取り組んでいるところである。
一の3について
診療報酬改定においては、保険医療機関の経営の安定を図るとともに、医療機関の種別ごとの機能や疾病構造の変化、医療技術の高度化に伴う医療に対する需要に応じた適切な評価が行われる必要があることから、一律に一点の単価を改定することは考えていない。
二の1について
保険医療機関の従業者以外の者が提供する看護(以下「付添看護」という。)については、患者に重い経済的負担を生じさせているとともに、保険医療機関の従業者との連携の下に当該保険医療機関において患者の病状に応じ一貫した看護サービスを計画的に提供することが困難であることから、看護サービスの質の確保という面で問題があるため、従来からその解消を図ることが重要な課題となっていた。このため、平成六年に健康保険法(大正十一年法律第七十号)等の改正を行い、原則として平成七年度末までに付添看護を解消することとするとともに、診療報酬において、看護婦及び准看護婦と看護補助者についてそれぞれ別個に新看護料と看護補助料を設定し、付添看護解消計画を策定した場合の加算を創設するなど、保険医療機関において患者の病状に応じた適切な看護サービスを提供するために必要な看護要員の確保を図るための支援措置を講じ、付添看護の解消が円滑に進むよう努めているところである。
二の2について
特別看護料及び特別介護料は、付添看護の解消に取り組む保険医療機関及び一定の水準以下の看護体制の保険医療機関について、付添看護の解消途上である等の理由により、その看護体制を補完する必要がある場合に算定されるものである。これにより、保険医療機関の責任により個々の患者の病状に応じて適切な看護サービスを提供する体制を確保することができるものと考えている。
なお、長時間の特別看護又は特別介護が行われた場合には一定の点数が加算されることとしている。
また、付添看護の解消途上である等の理由によりその看護体制を補完する必要がある場合以外には、特別看護料及び特別介護料の算定を認めることは考えていない。
二の3について
看護補助料は、看護補助者の賃金の実態、従来の基準看護における看護料との均衡等を勘案して設定しており、従前の基準看護より看護補助者の評価の充実を図っているところである。なお、診療報酬の改定に当たっては、全体として、看護補助者の人件費を含む医業経営に要する費用が賄われるよう勘案しているところである。
二の4について
診療所の看護料については、看護婦の数によって看護補助者を含む看護体制全体を評価しているものであり、診療所において必要な看護要員が確保されるよう配慮しているところである。なお、平成六年四月及び同年十月の診療報酬改定において、大幅な引上げを行ったところである。
三の1について
入院時の食事については、入院医療に不可欠なものであることから、引き続き保険給付の対象としつつ、患者ニーズの多様化に対応したサービスの質の向上や入院中の患者と在宅等で療養している患者との負担の公平化という観点から、療養の給付という現行の保険給付の仕組みを改め、入院時食事療養費の支給制度を創設するとともに、平均的な家計における食費を勘案した一定額を患者が支払うこととしたものである。
なお、制度の基本的な枠組みが各国で異なるため、単純な比較はできないが、例えばフランスにおいても、定率の患者自己負担以外に食事代等に対応するといわれる定額負担が設けられている等各国において様々な取扱いが行われているものと承知している。
三の2について
労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号。以下「労災法」という。)等の適用傷病により入院中の患者が、当該傷病とは別の傷病について治療を受けた際、当該治療については、労災法等が適用されないため、医療保険制度又は老人保健制度(以下「医療保険制度等」という。)による給付が行われることとなり、医療保険制度等に基づく患者の自己負担が生じるものである。したがって、無条件で特別食加算部分を給付することは困難である。
三の3について
入院時の食事については、入院中の患者と在宅等で療養している患者との負担の公平化を図るため、低所得者には負担の減額措置を講ずるなどの配慮をしつつ、患者が平均的な家計における食費を勘案した一定額を負担することとしたものである。また、医療保険制度は、被保険者が保険料を負担するとともに、患者の受診時に法令で定められた一定の負担を行うという方式により運営されているものである。こうしたことから、法令で定められた入院時の食事に係る患者の負担について、地方公共団体が公費財源により助成を行うことは、全国一律に運営をしている医療保険制度において求められる公平で適正な運営という観点から適切でないと考え、厚生事務次官名の依命通知等により地方公共団体の理解及び協力を求めているところであるが、地方公共団体が地域の実情に応じて助成を行うこと自体は違法ではない。
また、法令で定められた入院時の食事に係る患者の負担について助成措置が講じられている地方公共団体に係る国民健康保険の国庫負担については、当該助成措置により医療費の増大が見られるか等の状況を見ながら、国庫負担の公平な配分という観点から調整措置を講ずる必要があるか否か検討してまいりたい。
四の1について
入院患者については、従来から、現に入院している保険医療機関において必要な医療を提供すべきであるとしており、入院中の患者が他の保険医療機関において受診することを前提とした診療情報提供料の算定は認めていない。
四の2について
御指摘の診療情報提供料(C)は、病院と診療所等の機能分担を前提とし、病院と診療所等の連携を促進して、病院に入院している患者の退院後の継続的な療養の確保や社会復帰の促進を図る観点から、病院である保険医療機関が入院している患者の退院に際し、診療所等に対して入院期間中の診療状況を示す文書を添えて患者の紹介を行うことについて、他の診療情報提供料より高い評価を行うものであり、診療所間の情報提供について一般の診療情報提供料より高い評価をすることは考えていない。
五の1について
特定疾患療養指導料は、プライマリ・ケア機能を担う地域のかかりつけ医師が行う計画的な療養上の指導を評価するものであることから、その算定に当たって保険医療機関の規模にかかわらず一律に評価することは考えていない。
五の2について
てんかん指導料については、てんかんが専門的医療を必要とする疾病であるため、てんかんの治療について専門性が高い医師による指導等を評価するものであり、診療科にかかわらず算定することは考えていない。
また、特定疾患療養指導料は、成人病等の慢性疾患の患者に対して、計画的に投薬や生活指導を中心とした療養上の指導を行う必要があることから、一月に二回算定できることとしているのに対し、難病外来指導管理料は、継続的な医学的管理を評価するものであることから、一月に一回算定することとしているものである。
六の1について
診療所老人医療管理料は、病状が比較的安定している老人患者について、その病状に着目して、短期間の入院について定額払いにより算定されるものとして設定されたものである。なお、治療の必要な障害者等が短期間入院する必要が生じた場合は、一般の出来高払により入院料等が算定されるものであり、必要な対応が図られているものと考えている。
六の2について
診療所老人医療管理料は、必要な看護職員及び介護職員の配置等の施設基準を満たした専用の病床を確保し、当該すべての病床において一体的に適切な看護サービスを提供することにより、寝たきりの状態にある患者又はこれに準ずる状態にある患者にふさわしい医療を提供するため設定されたものであり、当該病床の数については、診療所があらかじめ都道府県知事に届け出ることとされている。
したがって、当該病床において一般患者に医療を提供することは、地域における医療の確保等の観点から、診療所老人医療管理料を算定する患者の利用がない場合に限って、例外的に認められるものであり、当該患者と一般患者とが同時に利用することは認められないものである。
七について
現在、一回に三十日分の投与が認められているのは、海外への渡航、年末及び連休等により保険医療機関における受診が困難な場合に限られており、御指摘の夏期休暇により帰郷等の場合については、保険医療機関における受診が可能であるため、このような取扱いを認めることは考えていない。なお、病状の安定した疾病について投与される安全性の高い医薬品については、必要に応じ、三十日又は九十日の長期処方を認めているところである。
八の1について
保険医療機関が表示する診療時間以外の時間における診療について行われる加算は、一般の保険医療機関が診療の求めに応ずる体制を採っていない時間帯において、緊急に診療を行ったことを評価するものであり、午前八時から午後六時までの間における診療について個々の保険医療機関の表示する診療時間によって加算の対象となる時間帯を設定することは考えていない。
八の2について
往診料については、診療時間であるか否かにかかわらず患者の求めに応じて対応すること及び往診時間を要すること等を勘案して評価の充実を図っているものであることから、休日加算の算定を認めることは考えていない。なお、往診料と同時に算定される初診料及び再診料については、休日加算の算定が認められている。
九について
中医協の審議事項は、支払側と診療側の間で利害が対立することも少なくないことから、自由な審議を保障するため、中医協が自ら定める議事規則にのっとり、総会を除き非公開の取扱いとされているところである。
十の1について
今般の国民健康保険制度の改正においては、被保険者均等割総額及び世帯別平等割総額の合算額の保険料又は国民健康保険税(以下「保険料等」という。)の賦課総額に対する割合(以下「応益割合」という。)が四十五パーセント以上五十五パーセント未満の市町村における保険料等の軽減割合を高めることにより、低所得者層の負担が増大しないように配慮しつつ、中間所得者層の負担の軽減を図ることがその趣旨の一つである。保険料等の水準については、医療費の高低の状況や保険料等の算定方法等によって市町村ごとに異なる上、同一市町村内であっても所得や世帯の人数に応じて世帯ごとに異なることから、制度改正の前後における保険料等の負担の増減や軽減の対象となる世帯数を比較してお示しすることは困難である。一例として応益割合が三十五パーセントである市町村が応益割合を四十五パーセントに引き上げた場合の保険料等の水準を、平均的な保険料等の賦課の状況を勘案して仮に計算すると、軽減割合が六割から七割に引き上げられる、総所得金額等が三十三万円以下の世帯については、改正前は一世帯当たりの保険料等の額が約二万六千円であるのに対し改正後は約二万五千円となる。また、軽減割合が四割から五割に引き上げられる、総所得金額等が三十三万円を超え八十万円以下の世帯のうち、総所得金額等が六十万円の世帯では、改正前は約六万千円であるのに対し改正後は約六万円となる。新たに軽減割合が二割の軽減制度の対象となる、総所得金額等が八十万円を超え百三十五万円以下の世帯のうち、総所得金額等が百十万円の世帯では、改正前は約十二万七千円であるのに対し改正後は約十一万九千円となる。
十の2について
現行の老人保健制度においては、老人医療費の公平な負担を図るという観点から、老人医療費拠出金を、基本的には各保険者の実際の老人加入率にかかわらず各保険者の老人加入率が全国平均の老人加入率と同じであるとみなして算定するものとされており、老人加入率が全国平均の老人加入率より低い保険者にとっては、現行制度による調整を行わなかったと仮定した場合と比較して、老人医療に係る費用負担が多くなることは事実であるが、このような老人医療費拠出金制度の趣旨にかんがみれば、費用負担が多くなる保険者が存在することをもって制度が不合理であるとはいえない。
なお、先に成立した国民健康保険法等の一部を改正する法律(平成七年法律第五十三号)附則第四条において、同法施行後三年以内を目途として、医療費拠出金の算定方法に関する検討を行い、その結果に基づいて所要の措置を講ずる旨が規定されたところである。
国民健康保険制度については、高齢者や低所得者など保険料負担能力の低い加入者が多く、その財政基盤がぜい弱であること等から、保険給付費の五十パーセントという他制度に比べ高率の国庫負担を行っているところであるが、同制度の社会保険としての性格にかんがみ、その主たる財源は保険料によって賄われるべきであることから、国庫負担率を保険給付費の五十パーセント以上に引き上げることは考えていない。
十一について
消費税の仕入税額控除は、課税の累積を排除する観点から設けられているものであり、課税売上げに対応する仕入れに係る消費税額を控除の対象としている。したがって、社会保険医療サービスなどの非課税売上げに対応する仕入れに係る消費税額分については、売上価格の引上げによって転嫁を図るというのが基本的な考え方であり、このような仕組みは、諸外国の付加価値税においても同様である。
このような考え方から、平成元年四月から消費税の導入等に伴う仕入価格上昇分を勘案して、社会保険診療報酬等の改定が行われているところである。
なお、消費税にいわゆるゼロ税率を設定することについては、税制調査会の「税制改革についての答申」(平成六年六月)において、「広く消費に負担を求めるという消費税の趣旨に反すること、課税ベースを著しく浸食すること、納税コスト・微税コストを膨大にすること、事業者や消費者の間に新たな不公平感を惹起すること等から、その採用は認め難い。」とされているところである。
十二の1について
社会保険診療報酬課税の特例制度については、税負担の公平の観点から、これまでの整理合理化の状況等を踏まえ、引き続きその在り方について検討を進める必要があると考えている。
十二の2について
事業税における社会保険診療報酬に係る課税の特例措置については、税負担の公平の観点から、税制調査会の累次の答申の趣旨等を踏まえ、引き続きその在り方について検討を進める必要があると考えている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。