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地方公共団体の債務に関する質問主意書

参議院 第166回 第1号お答えすることは困難 ×1

提出者
参議院
提出日
2007年1月29日
内閣転送 2007年1月31日
答弁書受領日
2007年2月6日
提出から8日
答弁の項目数
10
質問 2,133字/答弁 2,231字

質問本文

地方公共団体の債務における政府保証及び償還条項並びに財政再建団体制度に関して疑義があるので、以下の質問をする。

一 国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条第二項の規定によって、外貨建て地方債に政府保証がなされている。これに対して、円建て地方債には政府保証を行うことができる法令は存在せず、また、予算による裏付けもなされていない。財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第十五条にかんがみれば、円建て地方債に対する政府保証は、現行において行われていないのみならず、そもそも行うことが許されないと考えられるが、このような解釈でよいか、政府の見解を示されたい。なお、地方債において、外貨建てのみ政府保証を行っている理由についても政府の見解を示されたい。

二 民法においては、講学上、債務不履行は「履行遅滞」、「履行不能」及び「不完全履行」の三つに分類されている。総務省が発行している「地方債の購入をご検討の方へ」というパンフレットでは、十一ページのQ&Aにおいて、「デフォルトすることはありません」と述べられているが、この「デフォルト」が民法の債務不履行と同義語であるとすれば、デフォルトとの表現に対する留意事項が書かれていないことからしても、前述三分類のいずれもが全く起こり得ないことを意味し、地方債においては、元利が確実に満額償還されることはもちろん、償還の方法や時期その他、合併等で償還主体が形式上変更される場合を除き、当初の発行条件がいささかなりとも変更されないこととなるが、このような解釈でよいか、政府の見解を示されたい。なお、この解釈が誤りであり、当初の発行条件の変更があり得るとすれば、金融業界一般の慣行等を考慮すると、「デフォルトすることはありません」等の表現を留意事項がないまま掲載されたパンフレットを使用して金融商品取引業者等が顧客を勧誘することは、証券取引法(昭和二十三年法律第二十五号)その他の法令における不当な勧誘行為(虚偽説明)に該当すると解釈できるが、政府の見解を示されたい。

三 北海道夕張市(以下「夕張市」という。)においては、不適正な財務手法により、一見したのみでは市の財政状況全体を把握することが困難になっていた。このような事態を防止するため、包括外部監査をすべての地方公共団体に対して義務付ける考えはないか、政府の見解を示されたい。

四 国及び北海道庁が夕張市の財政状況を正確に把握できていなかったことは、地方公共団体の財政状況及び国の地方財政政策全体に対する疑念を市場に惹起させたと考えるが、政府の見解を示されたい。

五 過去十年間における、国及び北海道庁から夕張市へ出向した者の人数、夕張市在籍時の役職及び現在の役職を明らかにされたい。

六 夕張市は、地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号、以下「本法」という。)によって財政再建計画の策定に取組んでいるところであるが、市民生活に大きな負担をもたらしかねない政策変更も報道されている。地方公共団体の中には、本法による夕張市の財政再建計画が国に承認されることをもって、いわゆる「ナショナルミニマム」の基準が実質的に定められ、今後、他の地方公共団体が本法による財政再建計画を策定する際の指標となると考える向きもあるが、政府の見解を示されたい。

七 本法第六条は、「国、他の地方公共団体及び公共的団体その他これに準ずる団体は、財政再建計画の実施について、当該財政再建団体に協力しなければならない。」と定めているが、この「公共的団体その他これに準ずる団体」とは、いかなるものを指すのか、政府の見解を示されたい。また、財政再建計画への協力について、協力を求められた団体の議決機関においてこれを否決することが可能か、政府の見解を示されたい。

八 過去十年間において、総務省(旧自治省を含む)から都道府県、政令指定都市、中核市に部長相当職以上で出向した者の出向先団体名、人数、出向時の役職及び現在の役職を明らかにされたい。

九 一般に、法人及び自然人の債務整理過程においては、融資等を行った金融機関等に対し、いわゆる「貸手責任」の観点から、元利の減免や期限の猶予等が求められる。準用財政再建団体の指定等、地方公共団体の財政再建過程においても、融資や地方債の引受等を行った金融機関等に対し、元利の減免や期限の猶予等を求めることのできる政策について検討すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

十 これまで準用財政再建団体に指定された地方公共団体及び現在の財政状況からして準用財政再建団体に指定される可能性のある地方公共団体の多くは、産炭地域に位置している。今後、産炭地域振興臨時措置法(昭和三十六年法律第二百十九号)又は同法の経過措置の復活等を含め、産炭地域に位置する地方公共団体に対する地方債の発行及び償還における特別措置を講ずる考えがあるか、政府の見解を示されたい。また、地方債の発行及び償還以外に、産炭地活性化基金の取崩しの許可とは別に、財政上の特別措置を講ずる考えがあるか、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

法人に対する政府の財政援助の制限に関する法律(昭和二十一年法律第二十四号)第三条の規定により、政府又は地方公共団体は、会社その他の法人の債務については、保証契約をすることができないとされているところであり、他の法律に特段の定めがない限り、地方債のうち円貨で支払われるものに係る債務について、政府が保証契約をすることはできないと解される。

地方債証券のうち外貨で支払われるものに係る債務については、外資の受入れを促進するため、国際復興開発銀行等からの外資の受入に関する特別措置に関する法律(昭和二十八年法律第五十一号)第二条第二項の規定により、特に政府が保証契約をすることができることとされているところである。

二について

地方債については、当事者間で合意した場合等を除き、当初の約定通り支払われるものと承知しており、御指摘のパンフレットの記述はこのことを記載したものである。

また、現行の証券取引法令においては、証券会社等が有価証券の売買等に関して虚偽の表示をする行為等を行うことが禁止されているが、証券会社等が行う勧誘が当該禁止行為に該当するかどうかは、個別事例ごとに判断されることとなる。

三について

地方公共団体の監査機能は、一義的には監査委員が担っていることから、御指摘の事態を防止するためには、監査委員制度の運用の改善を図ることが肝要と考えており、包括外部監査をすべての地方公共団体に対して義務付けることは考えていない。

総務省では、平成十八年八月三十一日に策定した「地方公共団体における行政改革の更なる推進のための指針」において、各地方公共団体に対し、「当該地方公共団体の常勤の職員であった者の監査委員への選任は特にその必要がある場合以外には行わないこととし、地方公共団体外部の人材を登用することを原則とするなど、住民の理解と支持が得られる監査委員制度の運用に努めること」を要請しているところである。

四について

夕張市の実質収支の状況を把握することができなかったのは、北海道企画振興部が平成十八年九月十一日に公表した「夕張市の財政運営に関する調査」で指摘されているように、同市において年度をまたがる会計間の貸付け・償還という手法がとられ実質的な赤字を見えなくする不適正な財務処理が行われてきたためと考えているところであるが、このことにより直ちに「地方公共団体の財政状況及び国の地方財政政策全体に対する疑念を市場に惹起させた」とは考えていない。

五について

平成九年以降の過去十年間において、国から夕張市へ出向した例はない。

また、過去十年間に北海道庁から夕張市へ派遣された者は、平成十八年九月から現在まで派遣されている三名であり、その役職は、財政再建対策室長、同室財政再建課長及び同課調整係長であると承知している。

六について

財政再建計画においては、財政の再建を行おうとする団体の赤字の額、財政力、行財政規模、その他の事情を勘案して、個別の団体ごとに再建に必要な具体的措置が定められるべきものであり、特定の団体の財政再建計画が、他の地方公共団体において財政再建計画を策定する際の基準となるものではない。

七について

地方財政再建促進特別措置法(昭和三十年法律第百九十五号)第六条の「公共的団体その他これに準ずる団体」とは、各種協同組合等の産業経済団体、社会事業団体、文化事業団体等公共的な活動を含む団体が広く含まれるものである。

また同条は、罰則等の制裁措置の伴わない訓示規定であり、本条に基づく協力を拒むことは可能である。

八について

平成十一年度より、毎年八月十五日時点の「国と地方公共団体との間の人事交流状況」について調査を実施し、その結果を総務省ホームページ等に公表してきたところであるが、当該調査は、お尋ねの事項を網羅したものではなく、お尋ねのすべての事項について調査を行うことは、膨大な作業を要することから、お答えすることは困難である。

九について

地方公共団体の財政再建の過程において、地方公共団体への融資や地方債の引受け等を行った金融機関等に対し、元利の減免や期限の猶予等を求めることについては、総務省の研究会報告書(「新しい地方財政再生制度研究会」報告書(平成十八年十二月八日))において、地方行財政制度の抜本改革が進展した場合における選択肢として評価できるとしつつ、それを導入する場合には、様々な課題を解決する必要があると指摘されている。

これを踏まえ、総務省では、新たな調査研究会を設置し、更に債務調整を導入する場合の課題について具体的な検討を深めていくこととしている。

十について

産炭地域振興対策については、平成十一年八月の産炭地域振興審議会の答申「産炭地域振興対策の円滑な完了に向けての進め方について」において、石炭鉱業の構造調整という特殊な要因による影響の是正という産炭地域振興対策の目標をおおむね達成しつつあるものと認められたため、平成十三年に産炭地域振興臨時措置法(昭和三十六年法律第二百十九号)が時限を迎えるに際し、一般的な地域振興対策に移行させることとし、平成十八年度までの激変緩和措置期間後には同法の経過措置を終了することとされたところである。

したがって、国としての産炭地域対策にかかる政策支援の枠組みは完全に廃止されることとなり、今後、産炭地域対策のために財政上の措置等を講ずる考えはない。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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