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新型コロナウイルス感染症の新型インフルエンザ等特措法への適用が法改正に拠らなくとも可能であると解されることに関する質問主意書
参議院 第201回 第192号
質問本文
一 政府は、「新感染症というのは、原因不明だということが一つ前提となっており、今回の新型コロナウイルス感染症は、原因となる病原体が特定されていることなどから、新感染症には該当せず、新型インフルエンザ等特措法の適用は困難である」としている。しかし、感染症法第六条第九項によれば、「新感染症」とは、「人から人に伝染すると認められる疾病であって、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもので、当該疾病にかかった場合の病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがあると認められるものをいう」とされている。すなわち、条文上は、「既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるもの」と規定されており、原因となる病原体が特定されているかどうかを基準としているわけではない。
故に、新型コロナウイルス感染症については、単にコロナウイルスの一種だということが分かっただけであり、いまだ感染力や潜伏期間、毒性、治療方法など未知な部分が多く、既に知られている感染性の疾病とその病状又は治療の結果が明らかに異なるものとして、新感染症に該当し、法改正に拠らなくとも新型インフルエンザ等特措法を適用することができたのではないか。政府の見解を示されたい。
二 新型インフルエンザ等特措法の逐条解説においては、新感染症について、「人類にとって未知の疾病であり」、「原因が究明されるまでの間」といった記述があるが、前述の通り、新型コロナウイルスということ以外は実質的には「未知の疾病」と言える。そして、新型コロナウイルスに「病状の程度が重篤であり、かつ、当該疾病のまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれ」が認められる以上、本法にある休業自粛要請等の措置の発動も法的正統性が認められるのではないか。政府の見解を示されたい。
三 なぜ、政府はもっと早い時期に新型インフルエンザ等特措法の改正案を国会提出しなかったのか。法改正が遅滞し、本法による対策が遅滞したことに政府の責任はないか。政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
新型コロナウイルス感染症(新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成二十四年法律第三十一号。以下「特措法」という。)附則第一条の二第一項に規定する新型コロナウイルス感染症をいう。以下同じ。)については、その病原体はベータコロナウイルス属のコロナウイルス(令和二年一月に、中華人民共和国から世界保健機関に対して、人に伝染する能力を有することが新たに報告されたものに限る。)であることが明らかであることから、既に知られている感染性の疾病であり、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)第六条第九項に規定する新感染症(以下「新感染症」という。)には該当しないため、新型コロナウイルス感染症については「新感染症に該当し、法改正に拠らなくとも新型インフルエンザ等特措法を適用することができたのではないか」との御指摘は当たらない。
二について
一についてで述べたとおり、新型コロナウイルス感染症については、新感染症には該当しないため、新型インフルエンザ等対策特別措置法の一部を改正する法律(令和二年法律第四号。以下「改正法」という。)による改正前の特措法第二条第一号に規定する新型インフルエンザ等には該当しない。
三について
改正法については、国内の複数の地域で感染経路が明らかではない患者が発生するとともに、一部の地域においてはクラスター(患者間の関連が認められた集団をいう。)が発生し、新型コロナウイルス感染症の発生及びそのまん延により国民の生命及び健康に重大な影響を与えることが懸念される状況になったことから、新型コロナウイルス感染症について特措法に基づく措置を実施する必要が生じたため国会に提出をしたものであり、「法改正が遅滞し、本法による対策が遅滞した」との御指摘は当たらない。
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