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放射性廃棄物の処理・処分等に関する質問主意書
衆議院 第102回 第35号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×2
質問本文
衆議院議長 坂田道太 殿
放射性廃棄物の処理・処分等に関する質問主意書
昭和六十年三月二十六日行われた衆議院科学技術委員会における当委員の質問に対する政府委員の答弁(会議録第四号掲載)において、日本原燃産業(株)が設置を予定している低レベル放射性廃棄物の集中貯蔵施設に関する原子炉等規制法上の適用条項及び安全規制業務の所管庁につき、科学技術庁と通産省との間に見解の不一致が存することが明らかとなり、安全規制体制の不明確さが示された。そもそも放射性廃棄物に対する安全規制に関しては、原子炉等規制法の改正の動きも伝えられていたところであり、はたして現行法によつて十分に対処し得るか否か、重大な問題を含むところである。
また、日本原燃サービス(株)が同じく設置を予定している再処理工場には、各原子炉より出る使用済燃料を受入れ保管する施設及び再処理によつて出る高レベル放射性廃棄物の保管廃棄施設が設けられることとなつており、しかも右保管廃棄施設には、当該再処理工場より生ずる高レベル放射性廃棄物のみならず英・仏より返還される予定のそれをも受入れ保管する予定と伝えられている。
いうまでもなく、これらの高レベル放射性廃棄物等は、極めて長期間環境からの隔離を必要とする高い危険性を持つものであるから、その保管管理についての安全規制の体制、責任の所在等を明確にしておかなければならない。
更に、再処理によつて抽出されるプルトニウムに関しても、安全性の確保及び核拡散防止上の観点から、厳重な規制を要するものであり、それ故これに対する安全規制等の体制、責任の所在等を明確にすることも重要である。
従つて、これらの諸点に関し、さきの質問によつても明確にされなかつた点を含めて次の事項について質問する。
一 放射性廃棄物の保管廃棄施設について
1 日本原燃産業(株)が設置を予定している低レベル放射性廃棄物の集中貯蔵施設については、原子炉等規制法にいう事業所外廃棄として、同法第五十八条の二の規定が適用されると理解してよいか。
2 前記の委員会における政府委員の答弁(前記会議録七頁下段、同八頁二段)によると、事業所外廃棄規則(昭和五十三年十二月二十八日総理府令第五六号)に所要の改正を加える必要があるとしているが、その改正対象条項、改正内容(改正案が確定していなければ検討中の改正案の内容)及び改正のスケジュールを明らかにされたい。
3 前出の低レベル放射性廃棄物の集中貯蔵施設について
(一) 施設を設置する事業主体はどこか。また、これを管理運営する事業主体はどこか。
(二) 施設設置に先立つて、施設自体の安全性に関して原子炉等規制法上の許認可等が行われるか。
もし、行われるとすれば、次の事項を明らかにされたい。
(1) 右許認可等の根拠条文及び許認可等の要件。
(2) 許認可等の申請者と許認可権者。
(3) 許認可等に至るまでの行政手続、特に原子力安全委員会への諮問は行うのか。
(4) 許認可等の予定されるスケジュール。
(三) 施設設置に先立つて、住民公開ヒアリング等は実施するのか。行うとすれば、実施主体及び事実上説明を担当する者はいずれか。
(四) 施設設置に際して、原子炉等規制法以外の法令による許認可等が行われるか。行われるとすれば、その根拠法令、許認可等の要件、申請者、許認可権者、許認可等の行われる段階、許認可等に至る手続は、それぞれどうか。
二 使用済燃料及び高レベル放射性廃棄物について
1 日本原燃サービス(株)が設置を予定している再処理工場において、各原子炉より出る使用済燃料を保管施設に受入れ保管することに関し、原子炉施設の敷地から右保管施設まで運搬する間及び右保管施設で保管する間の各段階につき、これら使用済燃料の所有権の帰属、管理責任の所在及び原子力損害賠償法上の責任主体はどうなるか。
2 右工場において英・仏より返還される高レベル放射性廃棄物を保管廃棄施設に受け入れることに関し、
(一) 英・仏の再処理工場内にある間、英・仏の領土・領海・領空内を運搬する間、公海上を運搬する間、我が国の領土・領海・領空内を運搬する間及び保管廃棄施設内にある間の各段階について、これら高レベル放射性廃棄物の所有権の帰属、管理責任の所在及び原子力損害賠償法上の責任主体はどうなるか。
(二) また、右のどの段階から我が国の安全規制法令のどの条項が適用されるのか。この場合、日本籍の船舶若しくは航空機により運搬する場合とその他の場合とで差異を生ずるか。
3 英・仏から返還される高レベル放射性廃棄物に関し、
(一) 返還廃棄物の仕様について、英・仏と日本の受入れ側の間に合意が成立しているか。
成立しているとすれば、次の事項を明らかにされたい。
(1) 合意のなされた年月日
(2) 合意の当事者
(3) 合意された仕様の内容
(二) 合意が成立していないとすれば、次の事項を明らかにされたい。
(1) 英・仏から既に提示されている仕様の案があればその内容
(2) 受入れ当事者及び安全規制所管庁は、それぞれ今後どのようにして仕様の安全を確認するのか、その見通しと手続
三 プルトニウムについて
1 国内の再処理工場で抽出されたプルトニウムに関し、再処理工場において保管される間、再処理工場から右プルトニウムを加工する事業施設まで運搬する間、加工施設にある間、加工施設より原子炉施設等まで運搬する間及び原子炉施設等にある間の各段階について、これらプルトニウムの所有権の帰属、管理主体の所在及び原子力損害賠償法上の責任主体はどうなるか。
2 英・仏の再処理工場で抽出されたプルトニウムに関しては、
(一) 右1に記載した事項に加えて、英・仏の領土・領海・領空内を運搬する間及び公海上を運搬する間についても併せて明らかにされたい。
(二) また、右の場合、右のどの段階から我が国の各種規制法令のどの条項が適用されるのか。この場合、日本籍の船舶若しくは航空機により運搬する場合と他の場合とで差異を生ずるか。
3 現在までに、国内の法人又は個人を一方若しくは双方当事者として、プルトニウムの譲り渡し又は譲り受けが行われたことがあるか。あるとすれば、その年月日、当事者、数量、対価並びに対価算定の方式・根拠について明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1及び3(二)について
御指摘の施設に対する核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和三十二年法律第百六十六号。以下「原子炉等規制法」という。)の具体的適用関係については、政府として、現在、検討しているところである。
一の2について
低レベル放射性廃棄物の最終貯蔵に係る規制の在り方については、現在原子力安全委員会で検討中であるが、当該最終貯蔵について「事業所外廃棄」として安全規制を行うとすれば、その結果を踏まえ、核燃料物質等の工場又は事業所の外における廃棄に関する規則(昭和五十三年総理府令第五十六号)に、低レベル放射性廃棄物の陸地処分に関する所要の規定を置く必要があると考えている。
一の3(一)、(三)及び(四)について
(一)御指摘の低レベル放射性廃棄物の最終貯蔵の施設の建設、運営等については、日本原燃産業株式会社が当たる予定であると承知しているが、具体的な事業の実施形態については、今後更に関係者間で検討されるものと承知している。
(二) 公開ヒアリングについては、地元の意向も踏まえつつ、今後検討していく所存である。
(三) (一)の施設の設置に際し、原子炉等規制法以外の法令に基づき、具体的にいかなる許認可等が必要であるかは、当該施設の計画が具体化していく段階に応じ、個々の法令に即して判断されることになるものであり、現段階で個別に列挙することは困難である。
二の1及び2並びに三の1及び2について
一般的に、使用済燃料、高レベル放射性廃棄物及びプルトニウム(以下「使用済燃料等」という。)を貯蔵、保管廃棄及び運搬する際の、当該使用済燃料等の所有権の帰属、管理責任の所在、原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号。以下「原賠法」という。)上の責任主体及び安全規制法令の適用関係については、次のように整理される。
(一) 使用済燃料等の所有権の帰属は、当事者間の契約により定まる。
(二) 使用済燃料等の安全管理に関しては、再処理施設を設置した工場又は事業所において使用済燃料等を貯蔵又は保管廃棄する場合には原子炉等規制法第四十八条等の規定が当該貯蔵又は保管廃棄を行う再処理事業者に、加工施設を設置した工場又は事業所内にプルトニウムがある間は原子炉等規制法第二十一条の二等の規定が当該加工事業者に、原子炉施設を設置した工場又は事業所内にプルトニウムがある間は原子炉等規制法第三十五条等の規定が当該原子炉設置者に対し適用される。
また、使用済燃料等の運搬については、原子炉等規制法第五十九条の二(船舶による場合は船舶安全法(昭和八年法律第十一号)第二十八条、航空機による場合は航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第八十六条)の規定等が、当該運搬を行い又は委託した再処理事業者等及び運搬を委託された者等に対し適用される。なお、日本籍の船舶又は航空機により運搬する場合にあつては、国際法に従い、我が国の領海外又は領空外においても、船舶安全法又は航空法の規定等の適用があると解している。
(三) 原賠法上の責任については、原子炉の運転等(原賠法第二条第一項に規定する「原子炉の運転等」をいう。以下同じ。)の際、当該原子炉の運転等により原子力損害(原賠法第二条第二項に規定する「原子力損害」をいう。)を与えたときには、当該原子炉の運転等に係る原子力事業者(原賠法第二条第三項に規定する「原子力事業者」をいう。以下同じ。)が原賠法第三条第一項の規定によりその損害を賠償する責めに任ずる。この場合、その損害が原子力事業者間の使用済燃料等の運搬により生じたものであるときは、当該原子力事業者間に特約がない限り、当該使用済燃料等の発送人である原子力事業者が原賠法第三条第二項の規定によりその損害を賠償する責めに任ずる。
二の3について
(一) 返還廃棄物の仕様について、イギリス、フランス側と日本の受入れ側との間に、合意は成立していないと承知している。
(二) 我が国の電気事業者は、イギリス、フランス側から、仕様の一部につき、暫定的な案の提示を受け、現在、検討を行つていると聞いている。
政府においても、電気事業者から仕様の提示がなされた段階において、安全性確保の観点から、当該仕様につき所要の検討を行つてまいりたい。
三の3について
昭和五十五年から現在までの約五年間をとれば、動力炉・核燃料開発事業団、日本原子力研究所等が一方又は双方当事者となり、約六百キログラムのプルトニウムの譲渡し又は譲受けが行われている。
なお、対価並びに対価算定の方式及びその根拠については、原則として当事者間の商業ベースの判断で決定されることであると考えている。
右答弁する。
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