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麦角に関する質問主意書

衆議院 第13回 第30号

提出者
衆議院
提出日
1952年4月10日
内閣転送 1952年4月12日
答弁書受領日
1952年4月18日
提出から8日
答弁の項目数
0
質問 632字/答弁 846字

質問本文

衆議院議長 林 讓治 殿

麦角に関する質問主意書

先般、輸入食糧中に麦角が発見されて問題になつたようであるが、消費者に多大の不安があるとともに日本のライ麦の中にも最近麦角が発見されたことを聞いているので、食糧問題の上に重大であるから、次の諸点につき質問する。

一 麦角の発生は人為的なものであるか、自然的なものであるか。その原因とその人体に及ぼす影響について政府の見解を承りたい。

二 麦角の発生は、未熟食糧が長期保管のために食糧として価値なき状態に変質したものが、温度濕度等の関係によつて微生物の活動が促進されて生ずるものと聞くが、政府はいかに考えるか。

三 麦角の混入せるものは未熟のもので、本来ならば食糧検査によつて、飼料若しくは肥料に落さるべきものであつて、食糧中に麦角が発生することは検査の不充分に帰因するものと聞くが如何。

四 麦角の発見された輸入食糧の輸入先は何国であるか。

五 麦角の混入せる食糧の量はどのくらいであつたか。その発見は輸入検査の段階においてか、あるいは加工、配給の段階においてなされたのか。

六 麦角の混入せる食糧による被害数量及び状況はどうであつたか。これに関する輸出国に対する苦情問題はいかに解決されたか。

七 麦角の処理はいかにされたか。今後の危險に対する政府の対策はどうか。

八 国際的にこのような問題が他にあつたか。これに対して、国連機構において調査、研究、対策等が行われたことがあるか、その事情を聞きたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一 麦角の発生は、病菌が麦の開花期に寄生して発生するものであつて、人為的のものでなく自然的のものである。攝取量多量に上れば收れん性の中毒を起す。その限界は一回二粒、一日十粒程度である。

二 麦角の発生は、麦の立毛中に病菌が寄生することによるので貯蔵とは関係がない。ただ立毛中の温濕度がその発生に影響することはいうまでもない。

三 麦角の混入率の許容限界は、輸出国の輸出検査規格に規定されており、わが国で発見されたものはいずれもその限界の範囲内であるから、検査の不備とはいいえない。

四 その大部分はカナダ、一部はアメリカである。今年特に問題となつた理由は、これらの国の麦の開花期中の異常気象によるものと推定せられる。

五 昭和二十六年三月末日現在、その累計は一五六、〇九五トンであり、その発見はすべて輸入検査の段階であつた。

六 輸入食糧中に発見された麦角の混入率は、きん少であり、これにより被害を受けることは考えられない。

麦角の混入率についての許容限界は、アメリカ、カナダの公式検査規格に規定せられている(最も多い場合で、アメリカ〇・三%、カナダ〇・二五%)。

現在までに輸入せられたものの混入率は、最高〇・〇〇五% ― 〇・〇〇〇二%であるので、クレームの対象にはならないが混入率の少ないものを特に要望している。

七 食糧としての毒性は非常に軽微なものと考えられているので、具体的対策はとられていないが、加工工程においてはできるだけ精選分離を行い、精選かすは燒却処分するよう指示している。

飼料として家畜に対する影響は問題でないが、ただうまやごえ等によつて畑にさん布されることの危險はあるので、その対策は考究中である。

八 日本においてはきわめて例外的のことであるが、諸外国においては麦角の問題は常態的であり、その混入程度はおおむね許容限界内であるので、これに対して特殊の対策はとられていないようである。

国連機構において麦角の研究をしているかどうかはいまだきいていない。

右答弁する。

衆議院の原文

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