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情報公開法の現状に関する質問主意書
衆議院 第155回 第4号お答えすることは困難 ×2
質問本文
情報公開法が施行されて一年以上を過ぎたところであるので、その現状に関して政府の見解を以下ただしたい。
一 文書の保存期間について
情報公開法の目的である「国民主権の理念にのっとり、行政文書の開示を請求する権利」(同法第一条)は、行政機関が文書を適切な期間保存することではじめて保障される。
しかるに報道によれば一部の行政機関において以下のような文書の取扱いが行われているという。
「『大臣の過去の予定は法施行前に廃棄した。その後の予定は毎日破棄している』。ある省の情報開示担当者は、事もなげにそう言い放った。『大臣本人が終わるとやぶり捨てている』という省もあった」(「情報公開法一年半──知る権利阻む官僚の『不開示三原則』」二〇〇二年八月十一日付『日本経済新聞』第十五面)。
文書の作成後即座に廃棄されるのであれば、情報公開法は実質的に機能しなくなる。そこで以下の点に関して政府の見解を明らかにされたい。
1 右記事が報じるように作成後に保存期間をおかずに文書が廃棄されている実態があるのであれば、各行政機関ごとに廃棄されている文書及びその理由を明らかにされたい。
2 行政機関の文書処理規則において文書の保存期間が一年未満という定めのあるものが見受けられる。しかしながら一年未満という保存期間は、一年以上の保存が許されないと理解されるものであり、最低限保存されるべき期間が不明である。
そこで行政機関の文書処理規則において保存期間が一年未満という定めがある場合、その最低限の保存期間について明らかにされたい。
3 保存期間が一年に満たない文書は、情報公開法に基づく行政文書開示請求が実質的に困難である。言い換えれば行政文書開示請求を実質的に担保するためには、文書の保存期間は最低一年間は必要と考えるが政府の見解はどうか。
4 行政文書ファイル管理簿への掲載を経ることなく廃棄されている文書は存在するのか。存在するのであれば、それら文書と行政文書ファイル管理簿への掲載がされることなく廃棄される理由について明らかにされたい。
二 諮問の遅れについて
政府の推進している司法改革の一つは裁判の迅速化であり、このため「裁判所で二年以内に判決が得られるように裁判の充実・迅速化を図ります」(「国民一人ひとりが輝く透明で開かれた社会を目指して」(平成十四年七月五日 第五回司法制度改革推進本部顧問会議))との目標を掲げている。
情報公開法において行政機関の長が行う不服申立に対する裁決・決定は、これより更に迅速に行われることが望ましいのは言うまでもない。
そこで以下の点に関して政府の見解を明らかにされたい。
1 司法制度改革において裁判の判決までの期間を二年と目標を置いている現状に鑑み、情報公開法における不服申立に対する裁決又は決定は、不服申立から情報公開審査会における答申を経たとしても二年以内で完了されるべきであると考えるが政府の見解はどうか。
2 不服申立に対する答申の遅れの主な原因として、各行政機関の諮問の遅さを指摘したい。内閣衆質一五四第一二四号答弁(平成十四年八月二日)によると、不服申立に対して情報公開審査会に諮問を行うに当たって平均百日以上かかっている行政機関が大半である。
諮問にかかる事務的な手続だけで百日以上を経過することは理解に苦しむ。
そこで諮問に関して事務的な作業に百日以上を要する理由を明らかにされたい。また事務的な作業以外にその理由があるのであれば、それについて明らかにされたい。
三 秘密区分等に関して
情報公開法における不開示情報と行政機関における秘密指定は密接な関連があるところだが、この秘密指定が行政機関ごとに異なる現状は、不開示情報を客観的に判断するに当たって混乱を引き起こすものであり、以下の点に関して政府の見解を明らかにされたい。
1 過去において行政機関における秘密文書等の取扱いに関して統一的な基準を設けたものとして「秘密文書等の取扱いについて」(昭和四十年四月十五日 事務次官等会議申合せ)(以下「申合せ」という。)及び「秘密文書等の取扱いについて」(昭和四十七年五月二十六日 首席内閣参事官通知)(以下「通知」という。)が存在する。そこで以下の点を明らかにされたい。
�@ 申合せでは、当申合せで定めた秘密文書の取扱いを「当該省庁の文書取扱の規程にもり込むこと」を定めている。そこで申合せに従って各省庁が取った具体的措置について明らかにされたい。また同様に通知についても明らかにされたい。
�A これら申合せ及び通知は今日においても効力を有するのか、効力を有していないのであれば失効した時期を明らかにされたい。
2 申合せに関して以下の点を明らかにされたい。
�@ 申合せは、秘密文書の作成に当たって「当該文書に作成部課名を表示すること」と定めているが、作成部課名が表示されないまま当該文書を秘密に指定している行政機関があれば、その理由を明らかにされたい。
�A 申合せは「秘密文書には、秘密にしておく期間を明記し、その期間が経過したときは、秘密の取扱いは、解除されたものとする」と定めている。この定めに従えば、秘密に指定する期間を「無期限」と定めたり、あるいは具体的な期間を明記せずに秘密に指定することは許されないと考えられるが、この点に関して政府の見解を明らかにされたい。
またこの定めに従わず秘密に指定する期間を「無期限」と定めたり、あるいは具体的な期間を明記せずに秘密に指定している行政機関が存在するのであれば、それを行っている理由を明らかにされたい。
3 通知に関して以下の点を明らかにされたい。
�@ 通知は「実質上秘密文書として取扱うことが適当な内容のものについては、今後『部外秘』又は『取扱注意』という区分を廃し、申合せ第二項による『秘』によることとすること」と定めている。
そこで、同通知にもかかわらず現在も「部外秘」又は「取扱注意」という区分を有している行政機関があれば、その機関とそうした区分を有している理由を明らかにされたい。
�A 通知は「申合せ第三項にいう課長に『準ずる者』は、課長相当職以上のものに限定すること」と定めている。
そこで同通知にもかかわらず現在も「準ずる者」に課長相当職よりも下の者が含まれている行政機関があれば、その機関と課長相当職よりも下の者が含まれている理由を明らかにされたい。
4 秘密に指定された文書であっても、その指定期間が過ぎれば秘匿の必要性はなくなる。このことは申合せが「その期間が経過したときは、秘密の取扱いは、解除されたものとする」としていることから政府も認めるところであると考える。
すなわち秘密に指定された文書であっても、その指定期間が終了すれば全文開示が可能となるのである。
しかるに秘密の指定期間が終了後、即座に廃棄されるのであれば、これら秘密指定文書の全文開示は不可能となってしまう。
そこで情報公開法による行政文書開示請求に資するため、秘密に指定された文書はその指定期間終了後の一定期間保存することないし、指定期間終了を迎える秘密指定文書の一覧の公開を政府に求めたいが、この点に関して政府の見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1及び2について
行政機関の保有する情報の公開に関する法律(平成十一年法律第四十二号。以下「情報公開法」という。)第二条第二項に規定する行政文書は、各行政機関において、行政機関の保有する情報の公開に関する法律施行令(平成十二年政令第四十一号。以下「施行令」という。)第十六条第一項各号に掲げる要件を満たすよう設けられた情報公開法第三十七条第二項に規定する行政文書の管理に関する定め(以下「文書管理の定め」という。)に従い、行政文書の保存期間の満了する日までの間保存されているものと承知している。
各行政機関の文書管理の定めにおいて一年未満という保存期間の基準がある場合、行政文書は、当該行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じそれぞれ個別に期間が設定されて保存されるところ、行政機関の事務及び事業は様々であり、お尋ねの「最低限の保存期間」を一概に示すことは困難である。なお、施行令第十六条第一項では、保存期間が満了した行政文書であっても、職務の遂行上必要があると認めるとき等は、保存期間満了後も保存期間を延長することとされており、文書管理の定めに設けられた保存期間の基準を超えた保存を禁じていない。
一の3について
行政文書の保存期間は、当該行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じ設定されることになるが、行政文書の保存期間を最低一年とすることは、事務処理上必要がなくなった行政文書をも行政機関に保有させることになり、行政文書の適正な管理や職務の円滑な遂行に支障を生じさせるおそれがあることから、適当ではない。
一の4について
施行令第十六条第一項第十号に規定する帳簿(以下「行政文書ファイル管理簿」という。)には、同号により行政文書ファイル(能率的な事務又は事業の処理及び行政文書の適切な保存の目的を達成するためにまとめられた、相互に密接な関連を有する行政文書(保存期間が一年以上のものであって、当該保存期間を同じくすることが適当であるものに限る。)の集合物をいう。)及び行政文書(単独で管理することが適当なものであって、保存期間が一年以上のものに限る。)の名称その他の必要な事項(不開示情報に該当するものを除く。)を記載することとされており、保存期間が一年未満の行政文書の名称等は、行政文書ファイル管理簿に記載することとされていない。
二の1について
開示決定等に対する行政不服審査法(昭和三十七年法律第百六十号)に基づく不服申立てについては、不服申立てを受けた行政機関における事務処理や内閣府情報公開審査会及び会計検査院情報公開審査会(以下「両審査会」という。)における充実した調査審議を適切に行った上で、できるだけ迅速な処理が行われることが望ましいものと考えており、今後とも、そのような対応に努めてまいりたい。
二の2について
各行政機関が不服申立てを受け付けてから両審査会に諮問を行うまでに百日以上を要した又は要している理由は、他の業務に係る事務に繁忙を極めていたこと、事実関係の確認・調査に時間を要したこと、原処分の妥当性についての検討に時間を要したこと等によるものと承知している。
三の1の�@について
各省庁においては、「秘密文書等の取扱いについて」(昭和四十年四月十五日事務次官等会議申合せ。以下「申合せ」という。)及び「秘密文書等の取扱いについて」(昭和四十七年五月二十六日内閣官房内閣参事官室首席内閣参事官通知。以下「通知」という。)の趣旨に沿って、文書管理規程等を改正する等おおむね適切な措置が講じられている。
三の1の�Aについて
申合せ及び通知は、現在も効力を有している。
三の2の�@について
すべての行政機関において、秘密文書の作成に当たっては、原則として当該文書に作成部課名を表示しているが、人事に関する文書など必ずしも作成部課名を表示しなくても、その内容により当該文書の管理の責任を負う部課が明確なものについては、作成部課名を表示していないものがある。
三の2の�Aについて
各府省における秘密文書の取扱いの具体的な運用は、申合せの趣旨に沿って、それぞれの府省の判断で行われるべきものであるところ、秘密文書を作成又は取得した際に、秘密にしておく期間を確定できないものについては、その期間を無期限と定めるか、その具体的な期間を明記せずに秘密に指定する場合があり得ることから、御指摘のような取扱いが直ちに申合せに反するものではない。
三の3の�@について
秘密文書の区分に関しお尋ねの「「部外秘」又は「取扱注意」という区分を有している行政機関」としては、文部科学省の一部の施設等機関があるが、同省は、今後、当該機関の文書管理規程等を通知の趣旨に沿って改正することとしている。
三の3の�Aについて
通知における「課長相当職」については、本省若しくはその外局の内部部局(以下「本省等の内部部局」という。)の課長・企画官相当職以上の職又は本省等の内部部局以外の部局若しくは機関における課長相当職以上の職と解しているところ、これらの職よりも下位の職の者を御指摘の「準ずる者」に含めている行政機関はない。
三の4について
行政文書については、秘密に指定されたものを含め、施行令第十六条の規定に基づき、各行政機関の事務及び事業の性質、内容等に応じ個別に保存期間が設定されて保存されるものであるところ、秘密文書については、事務及び事業の遂行上秘密にしておく必要がある限りにおいては秘密の解除を行わないものであり、当該秘密文書の保存期間満了前に秘密にしておく期間が経過する場合がある一方で、当該秘密文書の保存期間中は秘密にしておく必要がある場合もあり得るものと考えられる。
したがって、秘密文書について、施行令第十六条の規定にかかわらず、御指摘のように秘密の「指定期間終了後の一定期間保存すること」とすること等は、困難であると考える。
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