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郵政民営化の基本方針に関する質問主意書

衆議院 第161回 第14号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2004年10月12日
内閣転送 2004年11月22日
答弁書受領日
2004年11月26日
提出から45日
答弁の項目数
5
質問 1,799字/答弁 1,557字

質問本文

日本郵政公社の民営化は、今後の国政に重大な影響を及ぼす論点であり、かかる問題については政府の姿勢をより明確に質す必要がある。去る九月十日に閣議決定された郵政民営化の基本方針に対しては、正確な数字に基づく検討がなされていないのではないか、郵政事業のさらなる肥大化を招くのではないかなど、多くの懸念が持たれている。この郵政民営化の基本方針に関して、政府に対し質問する。

一 最終的な民営化時点における組織形態の枠組みについて、基本方針では「郵便貯金会社、郵便保険会社については、移行期間中に株式を売却し、民有民営を実現する」としている。郵便貯金会社・郵便保険会社については、二〇一七年までに持ち株会社が保有する株式を売却し、完全に持ち株会社から離脱するものと理解してよいか。

二 移行期・準備期間のあり方について、基本方針では「新会社は、移行期当初から民間企業と同様の法的枠組みに定められた業務を行い、政府保証の廃止、納税義務、預金保険機構ないし生命保険契約者保護機構への加入等の義務を負う」「郵便貯金会社及び郵便保険会社は、遅くとも上記の期限までに最終的な枠組みに移行するものとする。そのため、移行期における両社のあり方については、銀行法、保険業法等の特例法を時限立法で制定し、対応することとする」としている。これは、二〇〇七年四月までに、郵便貯金法・簡易保険法を廃止することと理解してよいか。

三 二について、二〇〇七年四月以降は、郵便貯金会社及び郵便保険会社に対する監督権限は総務省から金融庁に完全に移行するものと理解してよいか。

四 基本方針では、郵便貯金会社について、「民間企業と同様に納税義務を負うとともに、新規契約分から郵便貯金の政府保証を廃止し、預金保険機構に加入する」こととしている。これまで郵便貯金が受けていた官業の特典について、全国銀行協会は、預金保険料・準備利子相当分の運用利子・法人税住民税等・経常経費としての税の合計で一兆一一三七億円と試算している。政府は基本方針の策定にあたって、こうした官業としての特典の試算を行ったのか。また、行ったとすれば、その総額をお示しいただきたい。

五 基本方針では、二〇〇七年四月の民営化までの期間について、準備期間と位置づけ「郵便事業の超過債務を解消した上で、四機能別の勘定区分を行う」としている。郵便事業については、依然五五一八億円の債務超過を抱えており、その解消は容易ではないと考えられる。特に特定郵便局の効率化についてお尋ねする。

(一) 平成十六年一月十六日の「衆議院議員長妻昭君提出自ら勤務する特定郵便局へ土地・建物を貸す特定郵便局長に関する質問に対する答弁書」によれば、特定郵便局の建物等の賃貸人が当該特定郵便局の長であるものの比率は、平成十五年三月末において三十三・一パーセントあり、平成十五年三月に支払われた賃貸借料の月額の平均は約三十三万四千円、総額は約十九億三千百四十六万円とされている。現在において、特定郵便局の建物等の賃貸人が当該特定郵便局の長であるものの比率、賃貸借料の月額の平均及び総額はどのようになっているか明確に把握した上で、二〇〇七年四月の民営化までの期間に、これらを引き下げる考えはあるか答弁されたい。

(二) 平成十五年八月五日の「衆議院議員長妻昭君提出特定郵便局長の採用が公募でない理由に関する質問に対する答弁書」によれば、特定郵便局長の採用については、特定郵便局長の欠員の状況等を勘案しつつ、随時、欠員が生じた個別の特定郵便局ごとに行っており、広く一般への募集は行われていない。その結果、部外者に対して実施された特定郵便局長の採用選考では、平成十四年で合格率が九十二・六パーセントという他の公務員の採用試験からは考えられない高率であり、また採用前の住居と採用後に配属された特定郵便局が同じ敷地内に所在する者が多数含まれるなど、国家公務員法にある「民主的な方法で選択」という考え方にそぐわない実態が垣間見える。現在においても、平成十五年八月五日の答弁時と同様の採用の方法がとられているのか。直近一年間の部外者採用について、受験者数と合格者数、合格率を明確に把握した上で、今後二〇〇七年四月の民営化までの期間に、特定郵便局長の採用についてなんらかの見直しを行うお考えはあるか答弁されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

「郵政民営化の基本方針」(平成十六年九月十日閣議決定。以下「基本方針」という。)においては、郵便貯金会社及び郵便保険会社について、経営の自由度の拡大及び事業間のリスク遮断の徹底の観点から、「移行期間中に株式を売却し、民有民営を実現する」とされ、また、郵政民営化の速やかな推進の観点から、「移行期は遅くとも二〇一七年三月末までに終了する」とされ、「郵便貯金会社及び郵便保険会社は、遅くとも上記の期限までに最終的な枠組みに移行するものとする」とされる一方、郵便貯金会社及び郵便保険会社の株式の売却については、世界的な金融市場の動向等を考慮すべきであるとの観点から、「新会社全体の経営状況及び世界の金融情勢等の動向のレビュー」を行うとされているところであり、株式の売却を検討する時点で、具体的に判断されるべきものであると考えている。

政府としては、基本方針に示された以上のような考え方を踏まえ、現在、制度設計、所要の法律案の作成等の作業に取り組んでいるところである。

二及び三について

政府においては、郵政民営化に関する所要の法律案を次期通常国会に提出するため、その作成等の作業を進める中で、郵便貯金法(昭和二十二年法律第百四十四号)及び簡易生命保険法(昭和二十四年法律第六十八号)の取扱いや郵政民営化後の郵便貯金会社及び郵便保険会社に対する監督権限についても、具体的に検討を行っているところであり、これらについて、現在、お答えする段階にはない。

四について

政府においては、お尋ねの「官業としての特典」の試算は行っていない。

五の(一)について

日本郵政公社(以下「公社」という。)においては、特定郵便局の建物又は土地(以下「建物等」という。)の借入れに当たって賃貸人が特定郵便局長であるか否かは一切考慮しておらず、また、その局舎の用に供する建物等を借り入れている特定郵便局(以下「借入特定郵便局」という。)の賃貸借料は、賃貸人がだれであるかにかかわらず、不動産鑑定士から適切なものという意見を受けている算出基準に基づいて算出しているところであり、平成十八年度に向けてこの算出基準の見直しの検討はしているが、借入特定郵便局のうち建物等の賃貸人が当該借入特定郵便局の長であるものの比率及び借入特定郵便局の建物等の賃貸人である当該借入特定郵便局の長に対して支払われる賃貸借料の引下げを目的とした取組の実施は予定していない。

五の(二)について

平成十五年度に公社が部外者(特定郵便局長に採用される前に公社の役員若しくは職員又は旧郵政省若しくは総務省(郵政事業に関する事務を所掌する部局又は機関に限る。)若しくは旧郵政事業庁の職員であった者以外の者をいう。)に対して実施した特定郵便局長の採用のための選考に係る筆記試験及び人物試験の受験者数は百二十四人、合格者数は百九人、当該受験者数に対する合格者数の比率は八十七・九パーセントであるが、公社においては、平成十六年十月二十五日に内部規程の改正を行い、お尋ねの特定郵便局長の採用の方法について、これを変更したところである。変更後の採用の方法では、公社は、常時、特定郵便局長として採用されることを希望する者(以下「採用希望者」という。)からその希望を全国の支社で受け付け、当該採用希望者が採用を希望する地域内で欠員が発生したときに当該地域の採用希望者を対象に、教養試験、論文試験、人物試験及び実地試験を行い、これらの試験の結果に基づき合格者を決定することとしており、また、公社では、この採用の方法の概要について、インターネットにより、広く周知しているところである。公社においては、現段階において、特定郵便局長の採用の方法について、更に変更を行うことは予定していない。

衆議院の原文

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