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経済モデルによるシミュレーションに関する質問主意書

衆議院 第166回 第62号趣旨が明らかではない ×1

提出者
無所属
提出日
2007年2月13日
内閣転送 2007年2月19日
答弁書受領日
2007年2月23日
提出から10日
答弁の項目数
7
質問 1,247字/答弁 1,689字

質問本文

平成一九年度予算で新規国債発行額は約二五兆円とされている。これは歳出をできる限り抑えるとの方針のもとに予算編成された結果の数字に過ぎず、内閣総理大臣が施政方針に関する演説において「今こそ、日本経済を中長期的に新たな成長の舞台に引き上げていくことが重要」であると示された方向との関連が明確ではない。そこで以下の点について質問する。

一 経済財政諮問会議は一月一八日、新中期方針「日本経済の進路と戦略」を決定しているが、それを裏付ける経済モデルがあるはずだ。このような経済モデルを使ってシミュレーションを行って、新規国債発行額が予算に計上されている二五兆円の場合と五兆円増やして三〇兆円とした場合を比較してどちらが内閣総理大臣の施政方針演説に沿うのかを示すべきではないか。

二 今回の新中期方針の前身である「構造改革と経済財政の中期展望−二〇〇五年度改定」(以下「改革と展望」という。)は経済モデルによるシミュレーションを公表している。それによると新規国債発行額を五兆円増やし、それを所得税減税または公共投資を増額するような景気刺激策をとれば、成長は加速され、デフレ脱却を助け、少なくとも最初の一〜二年度には債務のGDP比を減らして財政再建に寄与させることができると結論付けている。このような景気刺激策をとると問題があるというのは三年目以降で債務のGDP比が増える可能性があるということか。

三 このモデルで景気刺激策をとると三年目以降で債務のGDP比が増えて問題だというのは景気回復期に短期金利が上昇すると仮定しているからであり、もしも短期金利の上昇を抑える政策をとれば三年目以降も債務のGDP比は減ると考えられるので、こういった試算を行って公表すべきではないか。

四 このモデルでは、債務のGDP比を計算するときに短期国債や交付国債を除外している。このような国債まで含めれば、三年目以降も債務のGDP比は改善すると考えられるのではないか。少なくともOECDの年次報告で引用されている債務のGDP比と同じ定義にすべきではないか。

五 日銀が持っている国債に対する利払いは国庫納付金として国庫に還流する。これをこのモデルに入れてシミュレーションを行い、景気刺激策のマイナス評価を修正すべきではないか。

六 政府は、経済モデルに基づいたシミュレーションにより経済発展と財政再建の戦略を練るべきであり、かつての経済審議会計量委員会のような専門家による検討が必要ではないか。

七 日銀の政策に政府が干渉すべきではないという原則が尊重されなければならない。しかし、デフレ脱却には政府と日銀が協力することが不可欠である。昭和の大恐慌の際は高橋是清大蔵大臣と深井英五日銀総裁の協力により日本の立ち直りは世界で最も早かったと評価されているのに、今回のデフレからは今なお脱却しきれず、多くの国民が苦労している。このような事情を考慮すれば、政府と日銀が協力するためのルールの明確化を急ぐべきではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

「日本経済の進路と戦略」(平成十九年一月二十五日閣議決定)の参考試算(以下「今回参考試算」という。)は、具体的な政策の方針として示され、かつ試算に反映することが可能なものについて盛り込むという考えの下、作成されている。具体的には、内閣府「経済財政モデル(第二次改定版)」を用い、新規国債発行額を前年度当初予算より四兆五千億円減額した平成十九年度政府予算案、「日本経済の進路と戦略」に沿った成長力強化のための政策及び「経済財政運営と構造改革に関する基本方針二〇〇六」(平成十八年七月七日閣議決定)に沿った歳出改革を前提とした場合に期待される経済の姿を示しているところであり、これは安倍内閣の施政方針演説に沿うものであると考える。

二について

「構造改革と経済財政の中期展望−二〇〇五年度改定」(平成十八年一月二十日閣議決定)の参考試算の作成に当たって用いた「経済財政モデル(第二次版)」(平成十八年三月内閣府公表)においては、個人所得税につき国内総生産の一パーセント相当を継続的に増税する政策及び公共投資につき国内総生産の一パーセント相当を継続的に削減する政策についての乗数表を掲載している。個人所得税を継続的に減税し、又は公共投資を継続的に増額するような景気刺激策を行った場合について、一定の仮定の下、これらの乗数表を用いて計算すると、御指摘のように、公債等残高の国内総生産比率は、当初の一年目及び二年目は低下するが、三年目以降上昇すると考えられ、中期的にみて財政健全化に寄与しない可能性があることが示されている。

三について

「経済財政モデル(第二次版)」においては、公共投資や短期金利等の変動が経済財政に与える影響について、それぞれ個別に試算結果を公表しているところである。

四について

今回参考試算における公債等残高は普通国債残高、平成十九年二月六日に国会に提出された地方交付税法等の一部を改正する法律案において同年四月一日に一般会計に帰属させる旨が規定されている国負担分借入金を含む交付税及び譲与税配付金特別会計借入金残高及び地方債残高の合計であり、満期一年以下の短期国債は普通国債残高の内数として計上している。交付国債は公債等残高に含まれていないが、交付国債の平成十九年度末残高の見込みは七千億円程度であり、公債等残高の同年度末残高の見込みである七百三十六兆四千億円程度と比べれば、千分の一程度の金額であるため、交付国債を公債等残高に含めるか否かは試算結果に大きな影響を与えないものと考える。

また、経済協力開発機構の経済見通しにおいて用いられている債務残高は、一般政府を対象とするもので、社会保障基金も含む概念であり、平成二十三年度には確実に黒字化することを目標としている国・地方の基礎的財政収支と国・地方の債務残高との関係を示すという観点からは、経済協力開発機構の経済見通しで用いられている債務残高の採用は適当ではないと考える。

五について

今回参考試算においては、日本銀行納付金を含む国の一般会計のその他収入は、基本的に名目国内総生産成長率で変動するよう算出しており、日本銀行が保有する国債に係る利払費の増加が日本銀行納付金を通じて国庫に還流することも考慮された試算となっているため、御指摘の修正は必要ないものと考える。

六について

内閣府の経済財政モデル等の計量経済モデルの作成及び改定やこれを用いた試算に当たっては、随時、専門家の意見を聴取し、これを反映させているところである。

七について

御指摘のルールの意味が必ずしも明らかではないが、日本銀行が行う通貨及び金融の調節については、日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第三条第一項において、自主性は尊重されなければならない旨が規定されているとともに、同法第四条において、「日本銀行は、その行う通貨及び金融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。」と規定されている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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