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労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案に関する質問主意書
衆議院 第174回 第349号お答えすることは困難 ×9承知していない ×1検討してまいりたい ×1個別の事案 ×4
質問本文
政府は、平成二十二年三月二十九日、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案」(以下「本法律案」という。)を国会に提出した。本法律案は、派遣労働者、派遣元事業主及び派遣先に与える影響が非常に大きいものであると考える。そこで、次の事項について質問する。
一 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下「労働者派遣法」という。)が施行されて二十年以上経過し、労働者派遣制度は労働力需給調整システムとして定着していると考えるが、政府は労働者派遣制度が果たしてきた役割をどのように評価・分析しているのか。
二 本法律案では、いわゆる登録型派遣(以下「登録型派遣」という。)、製造業務派遣及び日雇派遣の原則禁止が盛り込まれている。これでは、家庭の事情等により長期間フルタイムで働くことができない労働者や自らの都合に合わせて働くことを希望する労働者の雇用機会が失われる懸念がある。また、派遣先にとっても必要なときに必要な労働力を確保することが困難となり、円滑な企業経営に支障を来すことが懸念される。
1 政府は、どういう問題点の解消を図るために、このように規制色の濃い法案を提出したのか具体的に示されたい。
2 規制により派遣労働者の雇用機会や派遣先の労働力をどのように確保することとしているのか。
3 離職を余儀なくされる労働者に対するセーフティネットをどのように整備するのか。
4 これらの対策が十分な効果を上げることができない場合、政府はどのような責任を負う覚悟でいるのか。
三 行政機関が行う政策の評価に関する法律に基づき、行政機関は、法令の制定又は改廃により規制の新設、廃止又は変更を行う場合には事前評価を行わなければならないこととされている。厚生労働省は、本法律案の国会提出に当たって、労働者派遣法等の改正が国民生活や企業活動といった我が国経済にどのような影響を与えると政策評価しているのか、また、どのような手法により政策評価を行ったのか具体的に明らかにされたい。
四 現行労働者派遣法においては、派遣労働者の保護に関してその適正な就業が確保されるよう、労働者派遣契約、派遣元事業主が講ずべき措置、派遣先が講ずべき措置及び労働基準法等の適用に関する特例措置を規定している。本法律案において法律の題名及び目的規定にあえて「派遣労働者の保護」を盛り込んだ理由は何か。
五 リクルートワークス研究所「派遣法改正案の具体的影響と本質的な論点」(二〇〇九年十二月)によれば、日雇い派遣・スポット派遣の禁止により九万二千人、製造業務を除く登録型派遣の禁止により十一万二千人、製造業務派遣の禁止により六万四千人が失職する可能性があると推計している。政府はこの試算についてどのように評価しているのか。
六 本法律案により製造業務派遣等が原則禁止されることに伴い、当該派遣労働者が派遣先に直接雇用されると考えているのか。そのように考える根拠は何か。
七 リーマンショック後に派遣切りされた派遣労働者数及び解雇又は雇い止めされた契約社員数を明らかにされたい。
八 適用除外業務について
1 現行労働者派遣法において、�@港湾運送業務、�A建設業務、�B警備業務及び�C医療関連業務が適用除外とされている理由を各業務ごとに明らかにされたい。
2 港湾運送業務及び建設業務については、それぞれ港湾労働法及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律により、実質的に労働者派遣を行うことができるが、その理由を明らかにされたい。
3 医療関連業務については、労働者派遣法施行令により労働者派遣が可能な場合が規定されているが、法律で規定しない理由を明らかにされたい。
九 登録型派遣の原則禁止について
1 本法律案では、登録型派遣を原則禁止とすることとしているが、登録型派遣と常用型派遣の区分の基準となる「常時雇用」の定義を明らかにするとともに、なぜ法律で具体的に定義しないのかその理由を明らかにされたい。
2 登録型派遣は、労働者派遣法制定時から認められている。本法律案において、それを原則禁止とする理由について具体的に示されたい。また、諸外国において登録型派遣を禁止している国はあるのか。あれば当該国名及び禁止の具体的内容を明らかにされたい。
3 政府は、登録型派遣の原則禁止により、派遣労働者を雇用している中小企業をはじめ企業経営にどのような影響を及ぼすのか調査を行ったことがあるのか。
4 政府は、登録型派遣の原則禁止によって失業する派遣労働者数及び廃業する派遣元事業所数がどの程度になると推計しているのか、積算根拠も含めて明らかにされたい。
5 登録型派遣の原則禁止に関して、外資系企業の母国から日本に対する投資の参入障壁となるという指摘について、政府はどのように考えているのか。
6 社団法人日本人材派遣協会の調査では、派遣労働者が今後希望する働き方として正社員希望が三十九%、派遣希望が二十九%、紹介予定派遣希望が十四%となっている。この調査結果について政府の評価を明らかにされたい。
7 登録型派遣の原則禁止により、派遣元事業主にとっては、雇用の選択肢が狭められ、その結果、採用に慎重となり、ひいては労働者の雇用機会の減少につながるのではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
8 労働者派遣業界では、登録型派遣労働者のうち二割程度はその適性や能力の面で常用雇用にできないという意見がある。登録型派遣が原則禁止されれば、このような人たちの雇用機会が減少する懸念があるのではないか。政府の見解とその対策を明らかにされたい。
9 働く人たちの中で自分の都合の良い日に自分の都合の良い場所で働くことを最優先して働き方を決めている人がどの程度いるのか。また、登録型派遣が原則禁止された場合、このような人は自らの雇用機会をどのように確保すればよいのか。
10 働く人たちの転職状況を明らかにされたい。
11 直近時点におけるハローワークの職業紹介、民営職業紹介、縁故による就職者数を明らかにされたい。
12 政府は、ハローワークの職業紹介や民営職業紹介による就職者数をどの程度増やせば、登録型派遣の原則禁止による失業を回避することができると分析しているのか明らかにされたい。また、そのための具体的対策如何。
十 登録型派遣の原則禁止の例外について
1 登録型派遣の原則禁止の例外として、いわゆる専門二十六業務、産前産後休業・育児休業・介護休業取得者の代替要員派遣、高齢者派遣及び紹介予定派遣が規定されている。これらについて登録型派遣を認める理由を各々明らかにされたい。
2 現行労働者派遣法第四十条の二第一項第二号に規定されているいわゆる有期プロジェクト業務及び日数限定業務について登録型派遣が禁止される理由を示されたい。
3 いわゆる専門二十六業務については、本法律案成立後、その範囲の見直しを考えているのか。その場合、範囲を拡大させる予定でいるのか、縮小させる予定でいるのか明らかにされたい。
十一 製造業務派遣の原則禁止について
1 製造業務派遣については、平成十五年の法改正により解禁されたものであるが、今回、それを禁止する理由は何か。また、諸外国において製造業務派遣を禁止している国はあるのか。あれば当該国名及び禁止の具体的内容を明らかにされたい。
2 政府は、製造業務派遣の原則禁止によって失業する派遣労働者数及び廃業する派遣元事業所数がどの程度になると推計しているのか、積算根拠も含めて明らかにされたい。
3 製造業務派遣が原則禁止されれば、派遣先は直接雇用か請負を活用せざるを得なくなる。しかし、請負の活用は偽装請負の発生が懸念され、そのような懸念があるからこそ製造業務派遣を解禁して労働者派遣法を適用し、派遣元事業主及び派遣先に対する指導、助言及び勧告並びに派遣労働者の保護が図られてきたと考えられる。偽装請負の発生防止に向けて、厚生労働省は具体的にどのような対策を講じようとしているのか明らかにされたい。
4 製造業務派遣の原則禁止に関して、外資系企業の母国から日本に対する投資の参入障壁となるという指摘について、政府はどのように考えているのか。
5 昨年の衆議院議員総選挙における民主党のマニフェストでは、製造業務派遣の禁止の例外として新たな専門職制度を設けると明記していたが、マニフェストの内容と本法律案で常時雇用する労働者を禁止の例外としたこととの関連は如何。また、例外とした理由を明らかにされたい。
6 製造業務派遣は製造業の技能の継承の観点から問題であるならば、期間工や季節工なども技能の継承の観点から問題ではないのか。期間工や季節工を禁止しない理由を明らかにされたい。
7 製造業務派遣が原則禁止となった場合、製造拠点の海外展開を促すのではないかと懸念されるが、その影響を政府として調査しているのか。調査しているのであればその結果を示されたい。また、どのような対策を講じようと考えているのか。
8 請負労働者も解雇や雇止めとなっており、雇用の安定が図られているとは言い難く、請負労働者についても有期労働契約を禁止すべきという議論があるが、これについて政府の見解を明らかにされたい。
9 請負労働者については、労働基準法等一般的な労働法以外に法律がないことから、請負労働者を対象とする新法を制定すべきという議論があるが、これについて政府の見解を明らかにされたい。
10 登録型派遣の原則禁止については、施行後二年間の暫定措置規定があるが、製造業務派遣の原則禁止にこのような規定を設けなかった理由を明らかにされたい。
十二 社団法人日本生産技能労務協会の緊急アンケート結果(二〇〇九年)について
1 同アンケートでは、製造業務派遣が禁止となった場合、「新たに正社員を雇用する」と回答したメーカーが一割となっているが、この結果について政府の見解を明らかにされたい。
2 1の結果から常時雇用以外の製造業務派遣を禁止することによって雇用の安定を図り、技能の継承が図られると言えるのか政府の見解を明らかにされたい。
3 同アンケートでは、製造業務派遣が禁止となった場合、「製造業で働いていた派遣労働者の失業が増加する」と回答したメーカーが七割となっているが、この結果について政府の見解を明らかにされたい。
4 同アンケートでは、派遣労働者の六十七%が製造業務派遣の禁止に反対しているが、この結果について政府の見解を明らかにされたい。
5 業界団体のアンケート調査には公正さに欠けるという指摘があることから、政府において製造業務に就く派遣労働者のニーズや対策を調査すべきではないかと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
十三 製造業務派遣の原則禁止の例外について
1 製造業務派遣の原則禁止の例外として常時雇用する労働者の労働者派遣が規定されているが、このような例外規定を設ける理由を明らかにされたい。
2 登録型派遣の原則禁止の例外としていわゆる産前産後休業・育児休業・介護休業取得者の代替要員派遣、高齢者派遣及び紹介予定派遣が規定されているにもかかわらず、製造業務派遣の原則禁止の例外にこれらの労働者派遣が規定されていない理由を明らかにされたい。
十四 登録型派遣、製造業務派遣及び日雇派遣が原則禁止されれば、派遣労働者の失業、派遣先の労働力不足等が懸念されると考える。このような一般的な禁止規定は、我が国も批准している「民間職業仲介事業所に関する条約」(ILO条約第百八十一号)の「特定の状況の下で、特定の種類の労働者又は特定の部門の経済活動について、労働者派遣等を禁止することができる」旨の規定(第二条4(a))に反することになるのではないか。違反しないのであればその理由を具体的に明らかにされたい。
十五 登録型派遣が禁止される業務及び製造業務派遣が禁止される業務については、常時雇用する労働者であれば労働者派遣が可能となる。この常時雇用する労働者の定義については、期間の定めなく雇用されている者のみであるのか、有期の労働契約を反復更新されている労働者は含まれないのか明らかにされたい。有期契約労働者が含まれるのであれば、「常時雇用する労働者」という文言は誤解を招く懸念があり、定義規定を法律に明記すべきではないのか。定義規定を本法律案に明記しない理由を明らかにされたい。
十六 登録型派遣の原則禁止規定及び製造業務派遣の原則禁止規定の施行期日は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日とされている。このように三年間の猶予期間を設けた理由は何か。
十七 さらに、登録型派遣の原則禁止規定の施行の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日までの間、政令で定める業務については、登録型派遣を認めることとしている。この政令で定める業務とは具体的にどのような業務を想定しているのか。さらに、最大五年間の猶予期間を設ける理由は何か。
十八 日雇派遣の原則禁止について
1 平成二十年に政府が提出した改正法案では、日雇労働者の範囲を「日々又は三十日以内の有期雇用労働者」と規定していたが、本法律案では「日々又は二月以内の有期雇用労働者」に拡大させている。このように日雇派遣の原則禁止の範囲を拡大させた理由は何か。
2 日雇派遣の背景には、派遣先の迅速な労働力の確保や派遣労働者の簡便な雇用機会を図りたいとのニーズがあるものと考えられるが、政府は、日雇派遣を原則禁止とする中で、現在の派遣先と日雇で働こうとする労働者の迅速なマッチングをどのように図るつもりでいるのか。
3 日雇派遣の原則禁止の例外として認められる業務及びその理由を明らかにされたい。
4 日雇派遣労働者については、どのように日雇紹介へ移行させるのか。具体的方策を示されたい。
5 現在、ハローワークにおける日雇紹介件数及びその仕事の内容を明らかにされたい。また、今後のハローワークにおける日雇紹介件数の見込みを明らかにされたい。
6 現在、民営職業紹介所における日雇紹介件数及びその仕事の内容を明らかにされたい。また、今後の民営職業紹介所の設立数の見込み及び日雇紹介件数の見込みを明らかにされたい。
7 日雇派遣の問題の一つに社会・労働保険の適用が指摘されていたが、日雇紹介へ移行した場合、社会・労働保険の適用問題は解決すると考えているのか。また、どういう根拠に基づいてそのように考えているのか。
8 派遣元事業主と派遣労働者の労働契約期間を二ヶ月超とし、毎日派遣先を変えるような形態は、日雇派遣の原則禁止の脱法行為であると考えられるが、その有効な防止策について政府はどのように考えているのか。
十九 第百七十一回国会に民主党、社会民主党及び国民新党が衆議院に提出した「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案」では、派遣労働者に係る雇用契約であって、二月以内の期間の定めのあるものは、二月に一日を加えた期間の定めのあるものとみなす規定が盛り込まれていたが、本法律案にそれが規定されていない理由を明らかにされたい。
二十 グループ企業派遣の規制について
1 本法律案では、グループ企業内の労働者派遣の割合を八割以下とする規制が規定されているが、このような規定を設ける理由は何か。
2 派遣割合を算出するに当たって、派遣就業に係る総労働時間を用いた理由及び厚生労働省令で定める具体的内容を明らかにされたい。
二十一 本法律案には、離職した労働者について一年間の労働者派遣の禁止が規定されているが、このような規定を設けた理由は何か。また、この規制の例外として規定されている「雇用の機会の確保が特に困難であり、その雇用の継続等を図る必要があると認められる者として厚生労働省令で定める者」とは具体的にどのような者を想定しているのか。
二十二 本法律案が施行された結果、離職を余儀なくされた派遣労働者や廃業を余儀なくされた派遣元事業主に対して、政府はどのような対策を考えているのか。
二十三 職業紹介の充実について
1 本法律案は、登録型派遣、製造業務派遣及び日雇派遣の原則禁止を規定しており、労働者派遣事業の大幅な縮小は避けられないと考える。そのため、政府は、公共職業安定所又は職業紹介事業者の行う職業紹介の充実等必要な措置を講ずるよう努めなければならないと規定しているが、労働力需給のミスマッチを防止するために職業紹介を具体的にどのように充実させるのか。
2 職業紹介の充実に係る政策目標の具体的内容を示されたい。また、その政策効果はいつ、どのような手法で分析・検証するのか。さらに、政策効果が目標を下回った場合、禁止されている労働者派遣の解禁の可否について理由も併せて明らかにされたい。
二十四 労働者派遣契約の解除に当たって講ずべき措置について
1 本法律案では、労働者派遣契約の当事者は、労働者派遣契約の締結に際し、労働者派遣契約の解除に当たって講ずる派遣労働者の雇用の安定を図るために必要な措置に関する事項を定めなければならないと規定しているが、具体的にどのような措置を定めなければならないのか。
2 派遣先は、その都合により労働者派遣契約の解除を行うに当たっては、派遣元事業主による派遣労働者に対する休業手当等の負担をしなければならない。派遣先の金銭的負担は、休業手当の他にどのようなものを想定しているのか。派遣元事業主の逸失利益はこの規定の対象に含まれるのか。
二十五 有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等について
1 本法律案に有期雇用派遣労働者等の雇用の安定等の規定が盛り込まれた理由を明らかにされたい。
2 有期雇用派遣労働者等の定義規定について、「相当期間」とは具体的にどのくらいの期間を示すのか。「厚生労働省令で定める者」とは具体的にどのような者を想定しているのか。
二十六 均衡を考慮した待遇の確保について
1 本法律案では、派遣元事業主に派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先の労働者との「均衡」を考慮することを規定しているが、この「均衡」の具体的内容及び「均等」との違いを示されたい。
2 昨年の衆議院議員総選挙における民主党のマニフェストには、「派遣労働者と派遣先労働者の均等待遇原則を確立する」と明記されていたが、本法律案ではそれが実現されていないと考える。これはマニフェスト違反であると認めるのか。認めないのであれば、その理由を明らかにされたい。
3 派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金を比較したところ、派遣労働者の賃金の方が高かった場合には、本法律案により派遣労働者の賃金を引き下げなければならないのか。
4 派遣元事業主が派遣労働者と派遣先の労働者の均衡待遇を確保しなかった場合、派遣元事業主はどのようなペナルティを受けるのか。
5 派遣元事業主が派遣労働者と派遣先の労働者の均衡待遇を確保しなかったことを派遣労働者が主張する場合、その立証責任は派遣労働者が負うのか。
6 派遣労働者と派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準などの事情を比較したところ、派遣労働者の賃金の方が高かった場合には、本法律案により派遣労働者の賃金を引き下げなければならないのか。
7 派遣元事業主が派遣労働者と派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準などの事情を考慮しなかった場合、派遣元事業主はどのようなペナルティを受けるのか。
8 派遣元事業主が派遣労働者と派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準などの事情を考慮しなかったことを派遣労働者が主張する場合、その立証責任は派遣労働者が負うのか。
9 本法律案では、派遣先は、派遣元事業主の求めに応じ、派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する当該派遣先の労働者に関する情報であって均衡待遇に必要なものを提供する等必要な協力に努めなければならないと規定しているが、提供する情報の範囲を具体的に示されたい。また、その場合、当該派遣先の労働者の個人情報は如何にして保護されるのか。
二十七 労働者派遣事業の業務の内容に係る情報提供義務の創設について
1 本法律案では、派遣元事業主は、事業所ごとの派遣労働者数等の情報を提供しなければならないと規定しているが、法律に規定されている事項の他に厚生労働省令ではどのような事項を規定する予定でいるのか。
2 いわゆるマージン率の平均も情報提供義務の範囲に含まれているが、厚生労働省令で定める算定方法を具体的に示されたい。
二十八 労働者派遣料金額の明示について
1 労働者派遣料金額の明示に当たって厚生労働省令で定める額の具体的内容とは何か。
2 労働者派遣料金額の明示は、書面で行わなければならないのか。
二十九 待遇に関する事項等の説明について
1 派遣元事業主が派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し説明しなければならない事項のうち、法律に規定されている事項の他に厚生労働省令で定める事項とは何か。
2 採用時における待遇に関する事項等の説明は、書面によって行わなければならないのか。
3 採用時における待遇に関する事項等の説明は、労働基準法による労働条件の明示や労働者派遣法による就業条件の明示と併せて行うことができるのか。
4 採用時における待遇に関する事項の説明に誤りがあった場合、派遣元事業主はどのようなペナルティを受けるのか。
三十 期間を定めないで雇用される労働者に係る派遣先の労働契約申込義務について
1 本法律案は、派遣受入期間の制限のない業務(いわゆる専門二十六業務等)に就く期間を定めないで雇用される派遣労働者について、派遣先の労働契約申込義務の適用対象から除外することを規定しているが、「期間を定めないで雇用される労働者」とは、文字どおり期間の定めのない労働者のみを指すのか、有期労働契約を反復更新されて一年を超えて雇用されている者又は一年を超えて雇用される見込みのある者は含まれないのか明らかにされたい。
2 派遣受入期間の制限のある業務(いわゆる非専門二十六業務等)に就く期間を定めないで雇用される派遣労働者については、現行労働者派遣法どおり派遣先の労働契約申込義務が適用されるのか。
三十一 本法律案では、労働者派遣契約の締結に際し、当該職業紹介により従事すべき業務の内容及び労働条件その他の紹介予定派遣に関する事項を定めなければならないと規定されているが、「その他の紹介予定派遣に関する事項」の具体的内容は何か。
三十二 労働契約申込みみなし制度等の創設について
1 本法律案では、派遣先がいわゆる違法派遣であることを知りながら派遣労働者を受け入れた場合には、その時点で、派遣先が派遣労働者に対して労働契約を申し込んだものとみなすと規定している。しかし、このような労働契約申込みみなし規定は、企業の採用の自由や労働契約の合意原則(労働契約法第三条及び第六条)に違反するのではないかという疑問がある。このような規定を盛り込んだ理由及び採用の自由や労働契約の合意原則に違反しない理由を具体的に示されたい。
2 �@適用除外業務への派遣受入れ、�A無許可・無届事業所からの派遣受入れ、�B派遣受入期間の制限違反、�Cいわゆる偽装請負及び�D登録型派遣の原則禁止に違反した派遣受入れが労働契約申込みみなし規定の対象となった理由について、各々明らかにされたい。
3 労働契約申込みみなし規定により、派遣先は派遣労働者との労働契約の内容の決定に関与できないが、これは、企業はいかなる条件で労働者を雇うのかについて原則として自由に行うことができるという最高裁判決(三菱樹脂事件 昭和四十八年十二月十二日)に抵触するのではないか。抵触しないならば、その理由を明らかにされたい。
4 違法派遣についての立証責任は、派遣労働者と派遣先のどちらにあるのか。
5 常時雇用する労働者の範囲に有期労働契約を反復更新して一年を超えて引き続き雇用されている者又は一年を超えて引き続き雇用される見込みのある者が含まれるとした場合について、当該派遣労働者が登録型派遣が禁止される業務(いわゆる非専門二十六業務等)に派遣就業していて、労働契約の雇止めを受けた場合、当該派遣労働者は常時雇用する労働者ではないと判断されるのか。また、その場合、労働契約の申込みみなし規定が適用されるのか。
6 いわゆる二重派遣については、職業安定法第四十四条で原則禁止されている労働者供給に該当するが、本法律案では、労働契約申込みみなし規定の対象となっていない理由及び今後の法制化の見通しを示されたい。
三十三 法違反の是正に係る勧告について
1 派遣先に対する法に違反した場合の是正の勧告について、指導又は助言の前置を要しないものとすることを規定した理由を明らかにされたい。
2 労働政策審議会建議「労働者派遣制度の改正について」(平成二十年九月二十四日)は、指導又は助言を行わず是正勧告を行う範囲について、法違反を繰り返すなど悪質な派遣先とすることを提言しているが、その悪質な派遣先の判断基準の内容を示されたい。
三十四 一般労働者派遣事業の許可及び特定労働者派遣事業の開始の欠格事由を追加しているが、追加した欠格事由ごとにその理由を明らかにされたい。
三十五 労働者災害補償保険法の一部改正について
1 本法律案は、派遣先の事業主等に対する報告、文書提出若しくは出頭命令又は派遣先の事業の事業場等への立入検査を規定しているが、このような規定を盛り込んだ理由を明らかにされたい。
2 派遣労働者の安全衛生責任は派遣先が負うにもかかわらず、労災補償責任は派遣元事業主が負うという現行の法制度には矛盾があると考えるが、本法律案にはその見直しが盛り込まれていない理由を明らかにされたい。
三十六 期間を定めないで雇用される労働者に係る特定を目的とする行為について
1 労働政策審議会に諮問し、妥当であると答申された改正法案要綱には、期間を定めないで雇用される労働者に係る特定を目的とする行為の解禁が盛り込まれていたが、本法律案には、この規定が削除されている。今回の労働者派遣法の改正は、労働政策審議会において公労使の三者が審議し、ギリギリの調整を経て取りまとめられたものであると理解している。それにもかかわらず、審議会答申と異なる本法律案が提出された背景と理由について、政府・与党内の議論を含めて具体的に明らかにされたい。
2 労働政策審議会の答申と異なる立法措置を講ずることは、政治の信用を失い、法律の施行に当たって労使の協力を得ることが困難となる懸念があるのではないか。
右質問する。
政府答弁書
一について
労働者派遣制度は、労働力の需給調整を図るための制度として、我が国の労働市場において一定の役割を果たしているものと認識している。他方で、行き過ぎた規制緩和により、日雇派遣等の不安定な雇用も増加し、労働者の保護に欠ける面が出てきたことも否定できない。
二の1について
日雇派遣など社会的に問題のある形態が生じていたこと、また、いわゆる「派遣切り」において、常時雇用する労働者でない者の労働者派遣についてはその雇用の不安定さが、製造業務派遣については更に技能の継承の問題が指摘されており、これらの問題点の解消を図るためである。
二の2について
常時雇用する労働者でない者の労働者派遣や製造業務派遣の原則禁止については、その規定の施行の日を、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(以下「本法律案」という。)の公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日とすることで十分な準備時間を確保し、雇用に与える影響を最小限にすることとしている。また、御指摘の労働者派遣の禁止に伴って、労働者派遣による就業ができなくなる派遣労働者の雇用の安定を図ることは必要であると考えており、公共職業安定所又は職業紹介事業者の行う職業紹介の充実等の必要な措置を講ずるよう努めることとしている。
二の3について
お尋ねのセーフティネットについては、適用事業に雇用されていた労働者が失業して所得の源泉を喪失した場合に、失業等給付を行うことで再就職するまでの生活の安定を図る雇用保険制度が整備されているところである。
二の4について
二の2について及び二の3についてで述べた対策が十分な効果を上げられるよう取り組んでまいりたい。
三について
御指摘の事前評価の結果については、厚生労働省のホームページにおいて、「規制影響分析書」として公表している。
四について
本法律案において、更なる派遣労働者の保護、雇用の安定に重点を置いた措置を講ずることとしていることから、題名及び目的を変更するものである。
五について
御指摘の調査は、民間の団体が独自に行った調査であり、政府として見解を述べることは差し控えたい。
六について
本法律案により製造業務派遣が原則禁止された後も派遣労働者が従事していた業務について、引き続き労働力の需要があることが考えられることから、当該派遣労働者が派遣先に直接雇用されることも考えられる。
七について
厚生労働省の「非正規労働者の雇止め等の状況について(三月報告)」によると、労働者派遣契約の期間満了又は中途解除により、平成二十年十月一日から平成二十二年三月十八日までの間に雇用調整を実施済みであるか又は平成二十年十月一日から平成二十二年六月末までの間に雇用調整を実施予定である派遣労働者の数は、平成二十二年三月十八日調査の時点では十四万八千六百三十四人である。
同様に、労働契約の期間満了又は解雇により雇用調整を実施済みであるか又は雇用調整を実施予定である契約社員の数は、六万二千五百三十三人である。
八の1について
�@の禁止の理由は、業務の波動性等その特殊性にかんがみ、港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)において、港湾労働の実情を踏まえた特別の雇用調整制度が設けられているためである。
�Aの禁止の理由は、現実に重層的な下請関係のもとに業務処理が行われている中で、建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和五十一年法律第三十三号)により、労働者を雇用する者と指揮命令する者が一致する請負という形態となるよう雇用関係の明確化、雇用管理の近代化等の雇用改善を図るための措置が講じられているからである。
�Bの禁止の理由は、請負形態により業務を処理することが警備業法(昭和四十七年法律第百十七号)上求められており、労働者派遣を認めることは、その業務の適正な遂行を確保するためには適当でないためである。
�Cの禁止の理由は、病院等が派遣労働者を受け入れると、病院がチーム医療の構成員を特定できず、また、チーム医療の構成員に派遣元事業主の都合によって差し替えられる者が含まれることとなり、チーム医療の構成員によるお互いの能力把握や意思疎通が十分になされず、チーム医療に支障が生ずるおそれが強く、また、生命及び身体に関わる医療関連業務については慎重を期す必要があるためである。
八の2について
港湾労働者や建設労働者の雇用の安定を図る等の必要があることから、業務の波動性等に対応して港湾運送事業又は建設事業を行う事業主が他の当該事業を行う事業主に労働者を派遣又は送出できることとすることにより、就労の機会の確保を図ることとしたものである。
八の3について
医療関連業務については、地域における医療の確保のために労働者派遣を可能とすることが適切な場合もあり、その時々の地域医療の実態を踏まえて適時適切に定める必要があることから、政令で定めることとしているものである。
九の1及び十五について
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和六十年法律第八十八号。以下「法」という。)第二条第五号に規定する「常時雇用される労働者」は、従来から、期間の定めなく雇用されている労働者のほか、一年を超える期間引き続き雇用されている労働者及び一年を超えて引き続き雇用されると見込まれる労働者を指すものと解釈している。
法施行以来この解釈で運用されており、これが定着しているとともに、労働政策審議会においても、労使代表を含め各委員が、その解釈を変更しないという前提で審議を行ったものであることから、法律で具体的に定義を明記する必要性は認められなかったものである。
九の2について
平成二十年秋以降、いわゆる「派遣切り」が多発し、派遣労働者の雇用の不安定さが指摘されたところ、このような問題は、比較的雇用が安定している労働者が派遣される場合であれば生じるおそれが低いことから、本法律案においては、常時雇用する労働者でない者の労働者派遣を原則禁止することとしているものである。
また、厚生労働省として把握している限りにおいては、ドイツにおいては、二千三年までは常用型の労働者派遣のみが可能であったと承知している。
九の3について
お尋ねの調査は行っていない。
九の4について
常時雇用する労働者でない者の労働者派遣が原則禁止されることにより、従前の形態のままでは労働者派遣による就業ができなくなる派遣労働者数は、平成二十年六月一日時点での労働者派遣事業報告の集計結果を基に一定の前提の下に試算すれば、約二十四万人と考えられる。また、廃業する派遣元事業所の数は、推計していない。
九の5について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。
九の6について
御指摘の調査は、民間の団体が独自に行った調査であり、政府として見解を述べることは差し控えたい。
九の7及び8について
派遣元事業主にとって雇用の選択肢が狭められることは事実であると考えられるが、常時雇用する労働者でない者の労働者派遣の原則禁止をもって、派遣先の労働力の需要が変化するものではないと考えられることから、労働者の雇用機会の減少につながるとの御指摘は当たらないと考えている。
九の9について
厚生労働省が平成十九年に実施した「平成十九年就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、正社員・出向社員以外の労働者が現在の就業形態を選んだ理由は、「自分の都合のよい時間に働けるから」が四十二・〇パーセント、「通勤時間が短いから」が二十三・二パーセント、「勤務時間や労働日数が短いから」が十五・五パーセントとなっている。常時雇用する労働者でない者の労働者派遣が原則禁止された場合でも、こうした方々がニーズに応じた職に就くことができるよう、短期間の雇用関係の成立のあっせんを行う職業紹介事業の充実等を図っていく必要があると考えている。
九の10について
厚生労働省の「雇用動向調査」によれば、平成二十年の転職入職者は約四百十三万六百人である。
九の11について
厚生労働省の「雇用動向調査」によれば、平成二十年における入職者数のうち、公共職業安定所を通じた者は約百二十六万一千四百人、民営職業紹介所を通じた者は約十万二千六百人、縁故による者は約百五十万六千七百人である。
九の12について
求人及び求職の状況は、その時々の景気・雇用情勢により変動することから、具体的な分析は困難であるが、政府としては、常時雇用する労働者でない者の労働者派遣の禁止に伴って、労働者派遣による就業ができなくなる派遣労働者の雇用の安定を図ることは必要であると考えている。現時点においては、非正規労働者総合支援センター等を活用した派遣労働者等に対する総合的な就労及び生活支援等を実施しているところであるが、今後、更に必要な措置の検討を行い、公共職業安定所又は職業紹介事業者の行う職業紹介の充実等の必要な措置を講ずるように努めることとしている。
十の1について
本法律案による改正後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「改正後の法」という。)第三十五条の三第一項第一号に規定する業務については、派遣労働者自身に交渉力が期待され、又は特別の雇用管理が必要とされることから、禁止の例外としているものである。
産前産後休業・育児休業・介護休業取得者の代替要員派遣については、育児休業等の取得を促進する観点から、禁止の例外としているものである。
六十歳以上の高年齢者の労働者派遣については、高齢者の雇用機会の確保に資することから、禁止の例外としているものである。
紹介予定派遣については、派遣労働者が派遣先で直接雇用されることを実現する手段となり得るものであることから、禁止の例外としているものである。
十の2について
常時雇用する労働者でない者の労働者派遣については、派遣労働者の雇用の安定を確保する観点から原則禁止とするものであるが、禁止の例外とするか否かについては、常時雇用する労働者でない者の労働者派遣を認めても雇用の安定を確保する観点から問題がないかどうかとの観点や、常時雇用する労働者でない者の労働者派遣を認めることが他の政策目的に資するかどうかとの観点から判断しているところ、御指摘の業務については、これらの観点から、禁止の例外とすることは適当でないと考えたものである。
十の3について
法第四十条の二第一項第一号に掲げる業務について、様々な意見があることは承知しているが、当該業務の在り方については、今後必要に応じて、労働政策審議会における審議を踏まえて検討することとなるものと考えている。
十一の1について
平成二十年秋以降、いわゆる「派遣切り」が多発し、その大半が製造業で発生するなど、特に製造業務派遣において、派遣労働者の雇用の不安定さが顕著に現れており、製造業の技能伝承の観点等からも問題があると指摘されたことから、本法律案においては、製造業務派遣を原則禁止することとしている。
また、厚生労働省として把握している限りにおいては、製造業務派遣について禁止している国は承知していない。
十一の2について
製造業務派遣の原則禁止により、従前の形態のままでは労働者派遣による就業ができなくなる派遣労働者数は、平成二十年六月一日時点での労働者派遣事業報告の集計結果を基に試算すれば、約二十万人と考えられる。また、廃業する派遣元事業所の数は、推計していない。
十一の3について
適正な請負かどうかについては、労働者派遣事業と請負により行われる事業との区分に関する基準(昭和六十一年労働省告示第三十七号)に基づき、個別具体的な判断を行ってきたが、事業主が自ら適正な請負かどうか判断するため、疑義応答集も示し、更なる行政解釈の明確化を行い、偽装請負の発生防止に取り組んできたところである。
偽装請負などの不適正な請負が、是正されるよう、今後とも、法に基づく指導、助言及び勧告等を行ってまいりたい。
十一の4について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。
十一の5及び十三の1について
御指摘の「専門職制度」については、範囲の設定が不明確となるほか、技術の進歩の速度を考えれば、製造業において求められる専門性は短い期間で変化し、必ずしも雇用の安定が十分とはいえない場合も生じ得ると考えられることから、禁止の例外としては設定しないこととしたものである。
製造業務派遣は、派遣労働者の雇用の安定の観点から原則禁止するものであることから、禁止の趣旨にかんがみ、派遣元に常時雇用されることにより雇用の安定が図られる常時雇用する労働者の労働者派遣を例外とすることとしたものである。
十一の6について
有期の労働契約である場合であっても、派遣労働者と異なり、事業主に直接雇用される者は、雇用関係や指揮命令関係が明確であることから、派遣労働者と同列に論じることは必ずしも適切ではないと考えている。
十一の7について
御指摘の調査は行っていないが、製造業に従事する労働者が約一千万人いる中で、十一の2についてで述べたとおり、製造業務派遣の原則禁止によって影響を受ける者の数は約二十万人にとどまることから、このことのみをもって、製造拠点の海外展開を促すものとはならないと考えている。
十一の8について
他から業務を請け負った事業主に雇用され、当該請け負った業務に従事する労働者は、派遣労働者と異なり、事業主に直接雇用される者であり、雇用関係や指揮命令関係が明確であることから、派遣労働者と同列に論じることは必ずしも適切ではないと考えている。
なお、有期労働契約の在り方については、厚生労働省において、学識経験者による研究会で検討を行い、本年夏頃までに報告書を取りまとめることとしており、当該報告書も踏まえ、労働政策審議会において審議をいただき、その結果を踏まえ、必要となる施策を検討してまいりたい。
十一の9について
請負は、労働者派遣のように雇用関係と指揮命令関係とが異なっているわけではなく、請負事業主が使用者としての責任に基づき労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)等を遵守すべきであるところ、現時点では、御指摘のような新法を検討することは考えていない。
十一の10について
製造業務派遣は、特に派遣労働者の雇用の安定に問題の大きい業務であることから、労働者の雇用に配慮しつつも、可能な限り早く原則禁止とすべきものであるが、比較的問題が少なく労働者のニーズもある業務への労働者派遣については、禁止の影響を最小限に抑えるため、御指摘の暫定措置を置き、段階的に禁止することとしたものである。
十二の1から4までについて
御指摘の調査は、民間の団体が独自に行った調査であり、政府として見解を述べることは差し控えたい。
十二の5について
製造業務派遣の原則禁止の規定の施行の日は、公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日としており、御指摘の調査については、当該施行の日までの製造業務派遣をめぐる状況等を見極めつつ、適切な対応をしてまいりたい。
十三の2について
製造業務派遣を原則禁止する理由は、十一の1についてで述べたとおりであり、労働者派遣の対象業務として適当でないことから、労働者派遣の禁止業務に追加するものである。そのため、御指摘のような禁止の例外は認めることは適当でないと考えている。
十四について
民間職業仲介事業所に関する条約(第百八十一号)(平成十一年条約第九号)の御指摘の規定は、特定の種類の労働者又は特定の部門の経済活動について、労使協議を経た上で労働者派遣事業を禁止することができる旨を規定している。今回の改正は、御指摘の規定の求める労使協議に当たる労働政策審議会における審議を経て、労働者の保護を図る観点から禁止すべきと判断された特定の業務について労働者派遣事業を禁止するものであり、本法律案による措置が御指摘の規定に反することにはならないと考えている。
十六について
派遣先は、原則一年最長三年まで労働者派遣の役務の提供を受けることが可能であるが、当該労働者派遣の期間中に本法律案により労働者派遣が禁止され、労働者派遣の役務の提供を受けることができなくなることは適当ではなく、また、派遣労働者が当該派遣先での労働者派遣による就業ができなくなることにより職を失うこととなることも適当ではないことから、禁止の影響を最小限のものとするため、禁止までの一定の猶予期間を置くこととしたものである。
十七について
お尋ねの政令で定める業務について、具体的にどのような業務を対象とするかについては、本法律案の成立後、実態を調査し、労働政策審議会における審議を踏まえて検討することとしている。また、常時雇用する労働者でない者の労働者派遣の原則禁止について、最長五年の猶予期間を設ける理由については、十一の10についてで述べたとおりである。
十八の1について
社会保険の適用の基準となる二月を基準とすることにより、派遣元事業主がより適切に雇用者責任を果たし、派遣労働者の保護が図られるようにするためである。
十八の2及び4について
お尋ねのマッチングについては、職業紹介により図っていくこととなるが、日雇派遣労働者の円滑な移行のため、公共職業安定所又は職業紹介事業者の行う職業紹介の充実等必要な措置を講ずるように努めることとしている。
十八の3について
改正後の法第三十五条の四第一項の政令で定める業務については、現時点において、日雇派遣が常態であり、かつ、労働者の保護に問題のない業務等を想定しているが、その具体的な内容については、本法律案の成立後、労働政策審議会における審議を踏まえて検討することとしている。
十八の5について
厚生労働省の「職業安定業務統計」によれば、平成二十一年における一般の労働者に対する公共職業安定所を通じた日雇労働の紹介件数は二万三千五百七十五件であり、仕事内容は主に生産工程・労務の職業及び事務的職業である。
また、日雇労働被保険者手帳を所持する日雇労働者については、公共職業安定所の紹介による平成二十一年における就労延数は二十三万九千四百五人日であり、仕事内容は主に生産工程・労務の職業である。
公共職業安定所における日雇労働の紹介件数は、景気動向等により変動するため、今後の見込みをお答えすることは困難である。
十八の6について
平成二十年度職業紹介事業報告の集計結果によれば民営職業紹介所における平成二十年度の日雇就職延数は一千四百六十七万一千三百一人日であり、家政婦、マネキン、配ぜん人等の職種が主である。また、お尋ねの民営職業紹介所の設立数の見込み及び日雇就職件数の見込みについては、事業所の状況によって様々であり、一概にお答えすることは困難である。
十八の7について
日雇派遣の原則禁止は、雇用管理上問題のある派遣形態を禁止することによって、派遣元事業主がより適切に雇用者責任を果たし、派遣労働者の保護を図るものであり、御指摘の日雇紹介へ移行した場合の社会・労働保険の適用問題の解決を目的とするものではない。
十八の8について
御指摘の形態については、二月を超える期間の労働契約を締結していることから、日雇派遣の原則禁止の脱法行為とはならないものと考えている。
十九について
御指摘の規定については、例えば、就業日など、みなされた労働契約の内容が不明確である等の問題があるためである。
二十の1について
グループ企業内の労働者派遣については、本来、労働者派遣制度に期待される労働市場における需給調整機能を果たしておらず、適当ではないためである。
二十の2について
「総労働時間」を用いることとした理由は、例えば、「人日」で算定することとした場合、一日の就業時間が長時間である労働者派遣契約と短時間である労働者派遣契約が同様に取り扱われることとなり適当ではないためである。
また、改正後の法第二十三条の二の厚生労働省令で定める具体的な内容については、本法律案の成立後、労働政策審議会における審議を踏まえて検討することとしている。
二十一について
お尋ねの労働者派遣については、派遣先で直接雇用されるべき者に派遣労働者が代替しないようにすることが求められる法の趣旨から、労働者派遣の形態として適当ではないためである。
また、改正後の法第四十条の十第一項の厚生労働省令で定める者については、現時点において、他の事業主の事業所を六十歳以上の定年により退職した後雇い入れた者を想定しているが、その具体的な内容については、本法律案の成立後、労働政策審議会における審議を踏まえて検討することとしている。
二十二について
本法律案においては、その施行に当たり、十分な準備期間が確保されることにより派遣労働者や派遣元事業主に対する影響を最小限のものとするよう、常時雇用する労働者でない者の労働者派遣や製造業務派遣の原則禁止については、その規定の施行の日を、本法律案の公布の日から起算して三年を超えない範囲内において政令で定める日とするとともに、必要な経過措置を設けているところである。
二十三について
お尋ねの措置については、現時点においては、非正規労働者総合支援センター等を活用した派遣労働者等に対する総合的な就労及び生活支援等を実施しているところであるが、今後、更に必要な措置の検討を行うこととしている。
また、本法律案の施行後三年を目途として、改正後の法の規定の施行状況等を勘案し、更なる派遣労働者の保護のための方策を踏まえ、改正後の法の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずることとしている。
二十四の1について
派遣労働者の新たな就業の機会の確保、派遣労働者に対する休業手当等の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担に関する措置等である。
二十四の2について
改正後の法第二十九条の二の規定に基づく措置に係る負担としては、派遣元事業主が派遣労働者の解雇を余儀なくされた場合の労働基準法第二十条の規定による解雇予告手当の支払に要する費用を確保するための当該費用の負担等が想定される。なお、派遣元事業主の逸失利益については、個々の状況によって様々であり、一概にお答えすることは困難である。
二十五の1について
期間を定めて雇用される派遣労働者について、期間を定めないで雇用される労働者への転換を推進することにより、当該派遣労働者の雇用の安定等を図るためである。
二十五の2について
改正後の法第三十条の厚生労働省令で定める者については、現時点において、一年以上にわたり期間を定めて雇用する派遣労働者であった者を想定しているが、その具体的な内容については、本法律案の成立後、労働政策審議会における審議を踏まえて検討することとしている。
二十六の1について
改正後の法第三十条の二の規定により考慮することが求められる「均衡」は、派遣労働者と当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先の労働者とを比較して、賃金等について釣合いが取れているか否かが判断されるものである。これに対して、「均等」は、平等で差がないか否かが判断されることとなる。
二十六の2について
お尋ねについては、政府としてお答えする立場にない。
二十六の3及び6について
改正後の法第三十条の二第一項の規定は、派遣労働者の待遇の向上を図るため、派遣元事業主がその雇用する派遣労働者の賃金を決定するに当たり、当該派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮要素とすることを求める趣旨であり、お尋ねのような場合について、当該規定により派遣労働者の賃金を引き下げることが求められるものではない。
二十六の4及び7について
派遣元事業主が改正後の法第三十条の二の規定に基づく配慮を行わなかった場合には、法第四十八条の規定に基づく指導等の対象となり得る。
二十六の5及び8について
お尋ねについては、個々の事案に応じて、裁判所において適切に判断されるものと考えている。
二十六の9について
お尋ねの情報の範囲については、個々の派遣元事業主によって様々であり、一概にお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、派遣先における個人情報の保護の観点から問題のない範囲に限られるものと考えている。
二十七について
お尋ねについては、本法律案の成立後、労働政策審議会における審議を踏まえて検討することとしている。
二十八について
お尋ねについては、本法律案の成立後、労働政策審議会における審議を踏まえて検討することとしている。
二十九の1から3までについて
改正後の法第三十一条の二の厚生労働省令で定める事項については、現時点において、労働者派遣制度の仕組み等を想定しているが、その具体的な内容及びお尋ねの説明の具体的な方法については、本法律案の成立後、労働政策審議会における審議を踏まえて検討することとしている。
二十九の4について
改正後の法第三十一条の二の規定により求められる待遇に関する事項等の説明については、賃金の額等についてその見込みを説明することを義務付けるものであるが、派遣元事業主が当該義務を果たしていない場合には、法第四十八条の規定に基づく指導等の対象となり得る。
三十の1について
御指摘の「期間を定めないで雇用される労働者」は、派遣元事業主と期間の定めのない労働契約を結んでいる派遣労働者のみを指すものであり、有期労働契約を反復更新されて一年を超えて雇用される者又は一年を超えて雇用される見込みのある者は含まれない。
三十の2について
法第四十条の四の規定については、本法律案による改正後も、期間を定めないで雇用される労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けている派遣先に対して適用される。
三十一について
お尋ねについては、現時点において、紹介予定派遣である旨等を想定している。
三十二の1について
派遣先が違法な労働者派遣の役務の提供を受けているような場合には、派遣労働者の雇用が失われないようにしつつ当該労働者派遣を是正するとともに、改正後の法による規制の実効性を確保する必要があることから、違法な労働者派遣の役務の提供を受け入れた派遣先に対して派遣労働者の保護にもつながる形で民事上の措置を講ずることとしたものである。
なお、お尋ねの労働契約申込みみなし規定は、あくまでも派遣先が違法な労働者派遣の役務の提供を受けていた場合に限定して派遣先に対する民事上の措置を講ずることとしたものであり、また、労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)との関係では、労働者派遣の特殊性を踏まえた特則と言えるものであることから、御指摘のような問題があるとは考えていない。
三十二の2について
いずれも、派遣先が行う重大な法違反であるからである。
三十二の3について
御指摘の判決においては、「企業者は、かような経済活動の一環としてする契約締結の自由を有し、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができる」とされているものと承知しており、お尋ねの労働契約申込みみなし規定は、本法律案により法律による特別の制限を設けるものであることから、御指摘のような問題があるとは考えていない。
三十二の4について
お尋ねについては、個々の事案に応じて、裁判所において適切に判断されるものと考えている。
三十二の5について
お尋ねについては、個々の状況によって様々であり、一概にお答えすることは困難である。
三十二の6について
三十二の1についてで述べたとおり、改正後の法による規制の実効性を確保することが労働契約申込みみなし規定を設けた趣旨であるからであり、現時点において、職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第四十四条違反を労働契約申込みみなし規定の対象とする予定はない。
三十三の1について
法違反を繰り返す派遣先に対して、迅速に対処し、派遣先の法令遵守を確保するための措置の強化を図るためである。
三十三の2について
個別の事案に応じて判断を行うため、一概にお答えすることは困難である。
三十四について
改正後の法第六条第五号から第七号までの規定については、これらの規定に該当する者が労働者派遣事業を行うことを認めることとすれば、法の遵守を期待できない者について労働者派遣事業を行うことを認めることとなり、労働者派遣事業の適正な運営が確保できないおそれがあるためである。
改正後の法第六条第八号、第十一号及び第十二号の規定については、これらの規定に該当する者が、労働者派遣事業を適正に行うことが期待できず、これらの者を適切に排除することは治安対策にも資するものであるからである。
三十五について
労働者災害補償保険において、派遣先の事業主等が生じさせた労働災害について政府が保険給付をした場合に、当該派遣先の事業主等に対して損害賠償請求を行うことは、派遣先の事業主等が労働災害を防止するインセンティブを高めるものであると考える。派遣先の事業主等に対する損害賠償の円滑な実施のため、行政庁が、当該職員に、派遣先の事業の事業場等に立入検査させることができるものとすること等としたものである。
また、労働者派遣事業における事業主の災害補償責任については、(イ)派遣元事業主は、労働者の派遣先の事業の事業場を任意に選択できる立場にあり、労働災害が発生した派遣先の事業主と労働者派遣契約を締結し、当該労働者派遣契約に基づき労働者を派遣したことに責任があること、(ロ)派遣元事業主は、派遣労働者を雇用し、自己の業務命令によって派遣先の事業の事業場において就労させているため、派遣労働者を雇用している者として、派遣元事業主自らが派遣労働者の安全衛生の確保に責任を負っている事項を履行するばかりでなく、派遣先の事業の事業場において派遣労働者の安全衛生が確保されるよう十分配慮する責任があること等を考慮すれば、派遣元事業主に災害補償責任を負わせることが適当であるため、本法律案においては、その見直しを盛り込んでいないところである。
三十六の1について
平成二十二年三月十七日に開催された基本政策閣僚委員会における協議において、御指摘の規定が労働者の差別につながるとの意見があり、これを削除することとしたものである。なお、与党内の議論については、政府としてお答えする立場にない。
三十六の2について
政府としては、労働政策審議会における公労使三者の合意の重要性については十分に認識しているところであり、本法律案の成立後は、労使の協力を得ながら改正後の法の円滑な施行を図ってまいりたい。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×9承知していない ×1検討してまいりたい ×1個別の事案 ×4
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。