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戸別所得補償制度に関する質問主意書
衆議院 第174回 第57号検討してまいりたい ×1
質問本文
政府与党は、米農家への戸別所得補償制度を来年度から実施することとし、そのため農林水産省は全国各地で説明会を開いている。去る一月二十五日、青森市内で県内の農家や市町村担当者等に向け、説明会を開いた。しかし、出席者からは、大きな不安や戸惑いの声が相次いだ。そこで、現場で出た疑問や意見に対して、しっかりとした対応が出来るのかどうか、鳩山内閣の責任は極めて重大であると考える。
従って、次の事項について質問する。
一 「所得補償をしても米価はどうなるのか。業者(小売側など)は補償分を価格から下げると言っていると聞いている。米価は下がる一方になるのではないか。国は価格保証もすべきだ。」という現場の不安な声に、国はどう具体的に対応するのか。
二 「これまでは地域ごとに助成額が決まっていた転作物だったが、平成二十二年度からは助成額が全国一律となり、額の減少する農家には、地元が独自に一定額を上乗せ出来る。しかし、地域によって、主要生産作物が異なるため、どの作物を助成の対象にするか、国の指導で転作に応じてきた農家にとっては、死活問題になり、つまり『こちらを立てれば、あちらが立たずになる』という事態を招くことになる」という現場の不安な声に、国はどう具体的に対応するのか。
三 「戸別補償を巡っては、小規模農家も対象になることからも、集落営農など大規模化を推進してきた従来の取り組みに逆行する」という現場の不安な声に、国はどう具体的に対応するのか。
四 地元紙の報道によれば、担当者は「所得補償は赤字の穴埋めでしかない。利益確保には、規模拡大などの努力が必要だ。」と述べている。このコメントこそ、政府与党が総選挙の際に掲げたマニフェストと大きな乖離を示しており、農家の大きな不安の声を助長していることにつながると考えるが、国はどう具体的に対応するのか。
五 「説明を聞いても具体的にどの程度所得が上がるのか示してくれない。助成額がはっきりしない。」という現場の不安な声に、国は具体的にどう対応するのか。
六 麦や大豆の作付けが多い自治体の担当者からの「二月中旬に予定している農家への説明会で、単価を示せなければ営農計画に関わるので、早期に方針を示すべきだ。」という現場の不安な声に、国はどう具体的に対応するのか。
七 去る十一月三十日、私が提出した質問主意書において、「鳩山総理は、臨時国会の所信表明の中で、八月の総選挙公示翌日の八月十九日の遊説における八戸市での街頭演説の時のエピソードを述べられた。その街頭演説の中で『政権交代すれば、農家への戸別所得補償制度で、コメだけではなく、りんごの値段が生産費とひっくり返った時は補てんする。』と有権者の前で演説している。民主党は、マニフェストでも、農畜産物について『戸別所得補償制度』を実施すると国民と契約している。また、民主党候補者も、りんごをはじめ果樹も、実施対象にすると訴えていた。りんごは最近価格が低迷し、特に青森県では、昨年の降雹霜被害もあり、りんご農家の経営対策は、緊急を要すると考える。」と質問した。これに対して、鳩山総理からの答弁書では、「戸別所得補償制度については、現在、米・麦・大豆など恒常的に販売価格が生産費を下回っている品目を対象とすることを基本として検討しているところである。果樹については、現時点でそのような状況にないため、現在検討中の仕組みがそのまま適用されることにはならないと考えている」と答弁している。では、何故街頭演説の中で、答弁書の内容のことを言わなかったのか、誠に疑問を抱く。よって、今一度問うが、民主党はマニフェストで、農畜産物について戸別所得補償制度を実施すると国民と契約している。りんごをはじめ、米以外の農畜産物については、いつから実施するのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
平成二十二年度予算において実施することを予定している米戸別所得補償モデル事業は、農業・農村をめぐる厳しい情勢の中で、恒常的な赤字に陥っている水田農業の経営の安定を図るために交付金を交付するものであり、交付金の相当額が販売価格の引き下げに転嫁されれば、同事業の目的に反するものと考えている。このため、米戸別所得補償モデル事業の趣旨について、生産者、流通業者双方に対して十分に周知を図り、農家の所得の確保につながるよう努めてまいりたい。
なお、米戸別所得補償モデル事業では、農家ごとに定められた米の生産数量目標に即して生産を行った販売農家に対して、当年産の米の販売価格が標準的な販売価格を下回った場合に、その差額を交付することとしており、一定水準まで農家の所得は補償されるものとなっている。
二及び六について
平成二十二年度予算において実施することを予定している水田利活用自給力向上事業においては、助成単価がこれまでに比べて減少する地域における安定的な生産体制が維持できるよう、都道府県が国との協議の上で助成額の上乗せを行うことを可能とする激変緩和措置(以下単に「激変緩和措置」という。)を設けることとしている。政府としては、早期に具体的な助成額を各地域に示すことができるよう、都道府県との協議を適切に進めていく考えである。
三及び四について
米戸別所得補償モデル事業は、米を販売する農家を対象にその標準的な生産に要する費用と販売価格との差額について、交付金を交付するものであり、意欲のあるすべての農家が水田農業を継続できる環境を整えることを目指している。一方で、全国一律の交付単価としたため、コストを下げたり、販売価格を上げるなどの経営努力を行えば、その分メリットが大きくなる仕組みとなっており、集落営農を組織して大規模化を目指す方向と矛盾するものではない。政府としては、このような米戸別所得補償モデル事業の特色について、生産現場への周知を積極的に図ってまいりたい。
五について
米戸別所得補償モデル事業と水田利活用自給力向上事業については、簡素で分かりやすい制度とする観点から、助成体系についても、全国一律の交付単価を基本としており、作付けをする農産物の品目と面積が定まれば、簡単におおよその助成額の計算ができる仕組みとなっている。ただし、現時点においては、地域振興作物として都道府県が単価を設定できる作物の具体的な単価や激変緩和措置による作物ごとの加算額が決まっていないので、水田利活用自給力向上事業の助成額を示せないでいるが、都道府県との協議を経て助成額が定まり次第、早急に周知を図ってまいりたい。
七について
戸別所得補償制度については、平成二十三年度から本格的に実施することとしており、現在、米のほかに、麦・大豆など恒常的に販売価格が生産費を下回っている品目を対象とすることを基本として検討しているところである。その他の農畜産物の取扱いについては、今後、米戸別所得補償モデル事業及び水田利活用自給力向上事業の実施状況等を見極めつつ、検討を進めていくこととしている。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。