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災害廃棄物の再生利用の促進等に関する質問主意書
衆議院 第180回 第342号趣旨が明らかではない ×1
質問本文
東日本大震災により生じた災害廃棄物については、その迅速かつ円滑な処理が被災地の住民生活や経済活動の一日も早い復興の大前提である。しかしながら、被災三県の沿岸市町村の災害廃棄物処理の進捗状況は、平成二十四年六月三十日現在の環境省の集計によると、災害廃棄物推計量全体に占める、処理・処分された災害廃棄物量の割合は、ようやく全体の二十%を超えたばかりである。また、同一県内をとってみても市町村ごとにその処理の進捗に大きなばらつきが生じている。
平成二十三年五月に環境省が策定した「東日本大震災に係る災害廃棄物の処理指針(マスタープラン)」で示されたスケジュールにおいては、平成二十六年三月末までの災害廃棄物の処理完了という達成目標が掲げられているが、震災から既に一年四ヶ月余りが経過する中で、最終処分場の確保といった課題も残っており、被災地復興に向けた政府の対応はあまりにも遅いと言わざるを得ない。
こうした中、災害廃棄物の最終処分量の削減に資するためにも、出来る限り分別を行い、再生利用する量を増やす必要がある。マスタープランにおいても、再生利用が可能なものは、極力再生利用することとされている。
遅きに失した感があるが、野田総理からも、本年三月十三日に開催された東日本大震災で発生した災害廃棄物の処理の推進に関する関係閣僚会合において、関東大震災のがれきで横浜市に山下公園を整備した事例を挙げ、将来の津波から住民を守る防潮林の盛り土や避難のための高台整備、道路の路盤の材料として、被災地の災害廃棄物を再利用していく考えが示されている。
そこで、これらを踏まえて、次の事項について質問する。
一 被災地における防潮林の盛り土や避難のための高台整備への災害廃棄物の再利用は、最終処分量の削減に資するものであり、積極的にその促進を図っていくべきである。その意味で、宮脇昭横浜国立大学名誉教授により提案されている、災害廃棄物を混ぜた盛り土に植林して防潮堤整備に活用する「いのちを守る森の防潮堤」構想は、再生利用を促進するとともに、震災犠牲者の追悼施設の要素も併せ持つものであると考える。
環境省が本年六月八日に発出した「東日本大震災で発生した倒木等の自然木・木くず等の造成地等における活用について」においては、一定の自然木の丸太は盛土材等として埋設しても差し支えないものの、細かな木くず・建設系廃木材等については、埋設することで汚水や腐朽による発熱、メタンガス・硫化水素ガスの発生等により生活環境保全上の支障が生じる虞があることから、盛土材の品質を満たし得ず、よって最終処分場以外の場所での埋立ては認められないとされている。そこで、自然木の丸太と細かな木くず・建設系廃木材等とについて、その取扱いに差異を設け、細かな木くず・建設系廃木材等は埋立てを認めないこととした根拠となる生活環境保全上の支障の発生に係るデータをお示し頂きたい。
二 岩手県大槌町や宮城県岩沼市では、防潮堤構想の一環として実証実験が実施されている。放射性物質への懸念から広域処理の受入れに慎重な自治体も多い中で、域内処理とともに環境保全及び地域経済の活性化につなげ、災害廃棄物を復興資源として再生利用する取組を後押しするためにも、自然木・木くず等の木質系廃棄物を最大限活用する必要があると考える。これに対する政府の基本的見解を伺いたい。
三 また、災害廃棄物処理の進捗の遅れの原因の一つに、処理の前提となる分別の不十分さが考えられる。分別は再生利用のみならず、焼却処理、最終処分、安全性確保、そして広域処理の具体化に当たっての受入れ自治体との調整の観点からも重要であり、上記マスタープランにおいても、発生現場において可能な限り粗分別を行った後に仮置場等へ搬入し、仮置場等において混合状態の廃棄物を、更に分別し、それぞれの特性に応じた適切な処理(再生利用、中間処理、最終処分)を行うことにより、総処理コストの低減、最終処分量の削減等に資することが重要とされている。きめ細かく選別を実施している自治体がある一方で、選別の不十分さによりなお処理が進んでいない自治体もある。
そこで、一日も早い被災地の復旧・復興のためにも、被災地における災害廃棄物の再生利用、中間処理等の取組状況を十分把握して、選別・分別が不十分な自治体に対しては国が積極的に支援することで、災害廃棄物処理の一層の推進を図る必要があると考える。この点に関する政府の方針を伺いたい。
四 放射能の影響により被災地に対する支援としての広域処理が進まない中で、被災地の復興への歩みを着実に進めるためには、現行の広域処理計画の運用について場所・状況に応じた柔軟な運用も認める必要があると考えるが、これに対する政府の基本的な見解を伺いたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
環境省が実施した産業廃棄物不法投棄等実態調査等により、同省が現時点で把握している限りでは、細かな木くずや建設系廃木材等の最終処分場以外の場所での埋立て等において、汚水及び硫化水素ガス又はメタンガス(以下「硫化水素ガス等」という。)が発生した事例数は二、硫化水素ガス等が発生した事例数は三、火災が発生した事例数は一である。また、硫化水素ガス等又は火災が発生するおそれのある事例数は六である。
なお、建設系廃木材には、CCA(クロム、銅及びヒ素化合物系木材防腐剤をいう。)により防腐処理されたものが含まれている可能性があり、有害物質により土壌、地下水等の汚染のおそれがあること等も踏まえ、「東日本大震災で発生した倒木等の自然木・木くず等の造成地等における活用について」(平成二十四年六月八日付け環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課及び産業廃棄物課事務連絡。以下「木くず等の活用について」という。)において、細かな木くず、建設系廃木材及びこれらを含む木質系混合物については、最終処分場以外での埋立ては認めないこととしたものである。
二について
東日本大震災により生じた災害廃棄物については、環境省が平成二十三年五月十六日に公表した「東日本大震災に係る災害廃棄物の処理指針(マスタープラン)」(以下「マスタープラン」という。)において、再生利用が可能なものは、極力再生利用するとの考え方の下、木くずについては、木質ボード、ボイラー燃料等として利用することを示しているところである。
また、木くず等の活用についてにおいて、木質系廃棄物についてはチップ化し、マルチング材として造成地等の表面に利用するなど、積極的に有効活用を図るよう、地方公共団体に周知している。
三について
二についてでお答えしたとおり、マスタープランにおいては、再生利用が可能なものは極力再生利用するとの考え方を示しており、これに基づき、各地方公共団体において、東日本大震災により生じた災害廃棄物(以下「災害廃棄物」という。)に含まれる可燃物、木くず、不燃物、金属くず、コンクリートくず、津波堆積物等の処理方法を決定し、それぞれの処理方法に応じた適切な分別・選別を実施しているところである。
環境省としては、災害廃棄物の分別・選別に必要な費用を国庫補助の対象としているほか、岩手県、宮城県及び福島県に同省職員等を派遣し、災害廃棄物の処理に関する助言を行うなど、各地方公共団体において適切な分別・選別がより円滑になされるよう支援しており、災害廃棄物の処理の促進を図っているところである。
四について
御指摘の「広域処理計画」及び「場所・状況に応じた柔軟な運用」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、災害廃棄物の広域処理を円滑に進めるため、被災した地方公共団体及び災害廃棄物を受け入れる地方公共団体の双方の意向を十分に踏まえ、案件ごとに調整を行っているところである。
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