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鉄道新線建設に関する質問主意書

衆議院 第19回 第6号

提出者
衆議院
提出日
1954年1月30日
内閣転送 1954年1月30日
答弁書受領日
1954年2月5日
提出から6日
答弁の項目数
0
質問 988字/答弁 1,351字

質問本文

衆議院議長 堤 康次※(注) 殿

鉄道新線建設に関する質問主意書

一 日本鉄道の建設新線として決定し工事着手中のものは現在三十線であるが、この三十線に対する既定方針による建設継続費は二十八年度は九十億円、二十九年度の建設費は百十億円を計上する計画になつているのに本年度提出予算は二十五億円に削減されている。これでは既定の鉄道建設方針は根底から破壊されるではないか、予算削減の理由如何。

二 本年度の緊縮予算の見地からやむを得ぬものとして削減し提出されたのか。これは鉄道の公共性を無視するもはなはだしいものである。今後の鉄道の建設方針を、どうするのか、はつきり明示されたい。

三 運輸省としてこの与えられた本年度予算二十五億円に対する既定の新線建設実施方針はどうか。その具体的対策すなわち各線への予算の配分方針と路線別予算の配分額を示されたい。

四 各省とも事業予算は二十九年度においては新事業はいつさい認めぬ方針の下に、従来の継続事業は全部続行するとのことであるが、鉄道建設予算も少ないながら二十五億円の配分は決定線の緩急に応じ処置されるとしても、事業中止線のごときは決してないものと信ずるがこの点はどうか。

五 既定線のうち、内海線(北郷−内海間)のごときは、地方四十年の鉄道期成運動が実現し、二十八年度より工事休止分の着工が決定され、目下測量実施中である。この内海線は、あと十四キロの工事実施により日豊線宮崎駅に達し、豊富なる産業を開発し、地方の福利増進上不可欠の重要鉄道であり、これが開通を期待していること切なるものであるが、今回の予算削減で関係地方の憂色は深い。完成期の延長は、やむを得ぬとしても事業継続は当然で予算の配分をかたく信ずるものであるが、今後の方針を明らかにして地方民の不安を一掃されたい。

六 建設中の新線三十線は大体今後四箇年後に完成する予定であつたが、二十八年度の予算で完成する線名及び二十九年度完成予定線はどれどれか。

七 以上決定三十線の外に、さらに追加すべき重要線が多いのであるが、鉄道の独立採算制から鉄道公社としては新線の追加又は延長は喜ばざるところであろう。しかし鉄道の必要性にかんがみ、多々ますます施設すべきであることを主張する。

鉄道公債の利子補給はもちろん建設費の一部は国が負担して積極的方針をとるべきものと思うが如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一 国有鉄道では、三十線の新線建設のうち現在までに工事を完成して開業せるもの四線、一部開業せるもの二線、本年度末までに竣功見込のもの二線があり、昭和二十九年度に継続となるものは二十四線である。

昭和二十九年度予算については、二十五億円を計上いたしてあるが、これは今回の財政規模縮少方針から貸付金のわくも縮少されたので建設費予算はこの程度に圧縮せられたのである。

二 国有鉄道は当初老朽諸施設の更新、近代化並びに輸送力増強等のために多額の経費を必要としており、これらの財源に苦慮しておる状況である。鉄道新線の建設には多額の費用を必要とすることであり、自動車輸送等によつて代替し得られるものも相当あると考えられるので、その実施にあたつては公共性、経済性等工事効果を充分検討して行う必要があり、鉄道工事資金全般の効率的運用を図ることとしたいと考えている。

三 本年度政府提出予算は二十五億円であるが、二十九年度において継続となる新線の建設については、極力これを維持し得るよう具体的に検討を進めており、鉄道建設審議会及び各方面とも相談して最終的にきめたいと考えている。

四 二十九年度において継続となる新線については、今後の方針の決定によつて対策がきまるわけであり、事業中止線の生ずるようなことは、極力これを避けるよう措置いたしたいと考えている。

五 内海線については、他の建設線との関連があるので、建設線に関する今後の方針が決定された後、具体的にどのように進めるかを決めたいと思う。

六 昭和二十七年度から着手した新線三十線は、当初昭和三十三年度に大略完成する予定であるが、今回の予算削減によつて完成が延びることになる。

なお、昭和二十七年度には、十月に白新線の一部(新発田 ― 葛塚間一二・九キロ)が又三月に江川崎線(吉野生 ― 江川崎間一〇・二キロ)が開業しており、昭和二十八年度に完成及び完成予定の線路は次のとおりである。

江川崎線(吉 野 生 ― 江川崎間)

一〇・二キロ

(昭和二十八年三月全通)

中湧網線(中佐呂間 ― 下佐呂間間)

一六・三キロ

(昭和二十八年十月〃)

松 前 線(渡島大沢 ― 福 山 間)

五・六キロ

(昭和二十八年十一月〃)

野 岩 線(荒   海 ― 滝 原 間)

八・六キロ

(昭和二十八年十一月〃)

本 郷 線(布     ― 加 計 間)

一八・五キロ

(昭和二十九年三月開業予定)

宮 原 線(宝 泉 寺 ― 宮 原 間)

二〇・〇キロ

(昭和二十九年三月〃)

この外に一部開業したものに

札 沼 線(浦   臼 ― 雨 龍 間)

二六・一キロ

(昭和二十八年十一月部分開業)がある。

昭和二十九年度内に開業する路線は、目下のところ予定されていない。

七 鉄道新線の建設は、なお、相当必要であることは言うまでもないが、建設には多額の費用を必要とするので、(二)に述べた観点からも十分念査を加える必要がある。

この新線建設の財源については、現在の国有鉄道の財政状態にかんがみ、政府出資の道を開くよう、鉄道建設審議会より建議もあつたことではあるが、国有鉄道の独立採算制のたてまえもあり又国家財政の現状から政府より低利な貸付金をこれにあてているのである。

右答弁する。

衆議院の原文

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