ことばで探す › 衆議院 第196回
イージス・アショアの導入の再検討に関する質問主意書
衆議院 第196回 第400号
質問本文
平成三十年三月二日、安倍総理は参議院予算委員会で「危機が生じてから様々な装備を導入しようというのは、まさにこれ泥縄式ということになってしまうわけでございまして、我々、北朝鮮のミサイル性能の向上に対して、例えばイージス・アショアを導入することを決定をいたしましたが、しかし実際に導入されるのは数年後になってしまうわけでありまして、ですから、起こるかもしれないという危機に対応してどういう可能性があるかということについて、これは調査をしていくことは、あるいは常に不断の検討をしていくことは当然のことではないかと、こう考えている」と発言した。
六月十二日、米朝首脳会談を終えたトランプ大統領はシンガポールで記者会見し、「全ミサイルと核の実験停止も取り付けた。どれだけたったかな。七カ月か? ミサイルの発射がないだろう。七カ月もミサイルの発射もなければ、核爆発(実験)もない」「見て見ろよ、ミサイル発射がずっとないだろう。ミサイル発射台を吹き飛ばしたんだ。そういうことになる。合意文書には書かれてないけどな。これについての詳細はこれから渡す。彼らは全ミサイルと核実験を中止することになる。核実験の一番大事な施設の閉鎖を決めた。三カ所全部」と発言した。
菅官房長官は六月十三日の記者会見で、米朝首脳会談の成果について、「(北朝鮮の)非核化を実現することが米朝間で確認された。わが国として極めて厳しい安全保障の状況がかつてより緩和された」、「日本にいつミサイルが向かってくるかわからない状況は明らかになくなった」と発言した。
これらの発言を踏まえ、以下質問する。
一 官房長官は「日本にいつミサイルが向かってくるかわからない状況は明らかになくなった」と発言しているが、トランプ大統領のいう「彼ら(北朝鮮)は全ミサイルと核実験を中止することになる」との認識を共有しているとの理解でよいか。
二 政府は米朝首脳会談の結果、「北朝鮮のミサイル性能の向上」は今後図られることはなく、またミサイル発射実験の蓋然性も著しく低下したと認識しているのか。政府の見解如何。
三 安倍総理は、「イージス・アショアを導入することを決定をいたしましたが、しかし実際に導入されるのは数年後になってしまうわけでありまして、ですから、起こるかもしれないという危機に対応してどういう可能性があるかということについて、これは調査をしていくことは、あるいは常に不断の検討をしていくことは当然のことではないか」との見解を示しているが、イージス・アショアの導入決定後、今次の米朝首脳会談があり、そこでトランプ大統領も官房長官も一定の成果を認め、「日本にいつミサイルが向かってくるかわからない状況は明らかになくなった」との認識を示している。今後の北朝鮮の動向を考えれば、「日本にいつミサイルが向かってくるかわからない状況は明らかになくなった」のであり、「調査をしていくこと」「常に不断の検討」をするならば、現在想定されているイージス・アショアの規模等を見直すべきではないか。政府の見解如何。
四 六月一日、防衛省の福田達夫、大野敬太郎両政務官が秋田県、山口県をそれぞれ訪れ、両県にある陸上自衛隊の二演習場が政府がミサイル防衛強化策として導入を目指している陸上配備型迎撃ミサイルシステムのイージス・アショアの配備先候補地となったことを正式に伝えているが、この方針に変わりはないのか。「日本にいつミサイルが向かってくるかわからない状況は明らかになくなった」との認識を踏まえれば、莫大な予算の必要なイージス・アショアの配備計画の規模の再検討を行う必要はないのか。政府の見解如何。
五 四に関連して、イージス・アショアの導入計画を再検討する必要がないとするなら、官房長官の「日本にいつミサイルが向かってくるかわからない状況は明らかになくなった」との認識との整合性は取れず、閣内不一致ではないか。政府の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
御指摘の米国政府要人の発言の逐一について政府としてお答えすることは差し控えたい。また、政府としては、弾道ミサイルの発射も含め、北朝鮮の軍事的動向について、米国及び韓国を始めとする関係国と緊密に連携しつつ、情報の収集及び分析に努めているが、その具体的な内容については、事柄の性質上お答えを差し控えたい。その上で、政府としては、今般の米朝首脳会談の成果の上に立って、国際連合安全保障理事会決議の完全な履行を北朝鮮に求め、北朝鮮の具体的な行動を見極めていく必要があると考えており、菅内閣官房長官も平成三十年六月二十一日の記者会見において改めてこの旨を述べているところである。
三から五までについて
お尋ねについては、平成三十年六月十八日の参議院決算委員会において、安倍内閣総理大臣が「先般の米朝首脳会談によって、北朝鮮の金正恩委員長が朝鮮半島の完全な非核化について、米国のトランプ大統領に対して自ら署名した文書の形で直接約束した意義は大きいと考えています。この成果の上に立って、今後とも、北朝鮮に対して国連安保理決議の完全な履行を求め、北朝鮮の具体的な行動を見極めていく必要があります。同時に、我が国の防衛を考える上で、我が国を射程に収める数百発の弾道ミサイルが現実に存在しているという厳然たる事実から目をそらすことはできません。国民の命と平和な暮らしを守ることは政府の最も重要な任務であり、いかなる事態にも対応し得るよう万全の備えをすることは当然のことであります。現状のイージス艦では、整備、補給で港に戻る隙間の期間が生じることが避けられず、長期間の洋上勤務が繰り返される乗組員の勤務環境も極めて厳しいのが現実であります。イージス・アショアの導入により、我が国全土を二十四時間三百六十五日、切れ目なく防護することが可能になり、隊員の負担も大きく軽減されます。さらに、イージス艦を元来の任務である海洋の安全確保任務に戻すことが可能になり、我が国全体の抑止力につながるところでございます。また、イージス・アショアは、弾道ミサイルから国民の生命、財産を守る純粋に防御的なシステムであり、北朝鮮を含め周辺諸国に脅威を与えるものではないわけでありまして、イージス・アショアを含め、国民を守るために真に必要な防衛力については今後ともしっかりと強化を図っていく必要があると考えています。」と述べているとおりである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。