ことばで探す › 参議院 第170回
研究開発予算に関する質問主意書
参議院 第170回 第100号お答えすることは困難 ×3
質問本文
本年、ノーベル物理学賞を南部陽一郎氏、小林誠氏、益川敏英氏が、また、ノーベル化学賞を下村脩氏が受賞することが決まった。技術立国を目指す我が国にとって朗報ではあるが、一方、次世代を担う研究者を育てていかなければならない我が国において、大学等で現在研究している研究者の立場が恵まれているとは思えない。また、各省庁により、研究予算が執行されるまでの期日にばらつきがあるだけではなく、年度末近くにならないと予算が下りてこない場合がある。これでは、研究期間も大幅に短縮されることになり、我が国にとっての大きな損失であることは間違いない。そこで、科学研究費補助金(以下「科研費」という。)に関して、もっと有効に使えるようにするために以下質問する。
一 我が国は、資源に乏しく、国際社会の中で勝ち抜くためには、技術開発が重要になると思うが、政府の認識は如何か。また、その点を踏まえて、国の科研費はいくらならば十分と言えると考えるか。さらにそれは他国と比較してどの程度なのか。
二 科研費が各研究者に配分されるまでにかかる時間は、各省庁により大きな差がある。文部科学省の科研費は比較的早いと聞いているが、各省庁の科研費が配分される時期は、平均すると何月ごろなのか。また、各省庁でばらつきがあるのは何故なのか。
三 科研費の配分が遅くなれば、研究期間が短縮されるのは当然のことである。その点を考えれば、なるべく早期に配分するか、もしくは翌年に繰り越す必要があると思う。要するに、文部科学省による科研費以外においても繰り越しを認めるなどの予算執行の弾力化が必要であると思うが、政府の認識は如何か。
四 国の研究費にて研究に必要な大型の機械等を購入する際、競争入札やその使用・設置に必要な行政の許可申請などに関連する一連の制度上の手続きやその他やむを得ない理由により時間を要し、その装置が年度内に納品されない場合がある。この場合、研究機関は、所管省庁やその中間にある受託法人などから装置の購入を諦め、研究の内容を変更するよう指導を受けることがあるという。これでは、国際競争を勝ち抜く上で大きなハンデになるのではないか。その点からも、正当な理由がある場合には予算執行の繰り越しを認めるようにするなど、現行システムを変更する必要があるのではないかと思うが、政府の見解は如何か。
五 研究予算もさることながら、研究者の育成のための教育予算も少ないという指摘もある。研究者育成のための国の教育予算はどの程度か。また、これは他国と比較して多いとの認識か。
六 研究者を育成するためには、研究者の給与ももっと厚遇されるべきではないのかと思う。政府は、大学の教授を始めとする、研究者の給与は十分と考えているのか。また、民間企業においても、技術者の給与は事務職との比較において、低い傾向にあると言われている。技術立国日本を目指すためには学生の理科離れを抑止し、技術立国を背負う人材育成が肝要であるが、日本の製造メーカーの研究者の給与は他業種と比較して、高くないことも理科離れの一因になっていると推測される。このような点を改善しなければ、研究者が育たないのではないかと思うが、政府の認識は如何か。
七 研究者を育成するためには、義務教育時代からの教育課程が大事であると考えられる。理科系離れが指摘されて久しいが、この点に関して政府においてはどの様な取り組みがなされているのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
「科学技術基本計画」(平成十八年三月二十八日閣議決定)において、「日本の未来を切り拓く途は、独自の優れた科学技術を築くことにかかっている。」としており、技術開発は重要であると認識している。
また、同計画にいう競争的資金(以下同じ。)の目標額については、設定しておらず、国により当該資金の定義が異なるため、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。
二について
競争的資金の配分時期については、「科学技術の振興及び成果の社会への還元に向けた制度改革について(フォローアップ)」(平成二十年四月二十二日総合科学技術会議基本政策推進専門調査会)において、「平成十九年度における継続課題については、約八十五パーセントの競争的資金制度において、年度開始当初に交付が行われている。しかし、新規課題(資金配分型独立行政法人の運営費交付金等による事業を除く。)については、年度開始当初に交付が行われていないものがいまだ多い」旨が指摘されている。
また、競争的資金については、それぞれの制度における事務手続を経て執行されるため交付時期は一律ではないが、早期に交付するよう努めているところである。
三及び四について
政府としては、研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律(平成二十年法律第六十三号)等を踏まえ、競争的資金等の国の資金により行われる研究開発等において、研究開発等に係る経費を翌年度に繰り越して使用することその他の会計の制度の適切な活用を図ることとしている。
五について
研究者の育成のための国の教育予算については、運営費交付金等の基盤的経費や競争的資金など様々な経費に含まれる形で措置されており、お尋ねについてお答えすることは困難である。
六について
研究者等の給与が十分であるか否かについては、個別具体の事例に即して判断されるべきものであり、一概にお答えすることは困難である。
また、政府としては、研究者等の育成のためには、その職務が魅力あるものとなるよう、研究者等の適切な処遇の確保が必要であると認識している。
七について
文部科学省においては、次代を担う科学技術系人材の育成及び国民の科学に対する基礎的素養の向上の観点から、算数・数学及び理科の指導内容の充実及び授業時数の増加を内容とする小学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十五号)及び中学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十六号)の改訂等を平成二十年三月に行ったところである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。