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政治資金規正法に関する質問主意書
参議院 第173回 第86号個別の事案 ×1
質問本文
一 政治資金規正法は第一条においてその目的を、「政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の接受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与すること」と規定している。
ここにいう「民主政治」とは具体的に、何を意味するものか。政府の見解を示されたい。
二 同法は第二条第二項において、「政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たつては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない」と規定している。
これは、政治資金の収受における疑惑が起きた場合の説明責任が政治団体にあることを示唆していると思われるが如何か。
また、説明責任を果たさないことは、この法律の理念に反すると思うが如何か。この場合、罰則はどうなっているか。
以上のことについて、政府の見解を示されたい。
三 同法は第九条第一項において、「政治団体の会計責任者(中略)は、会計帳簿を備え、これに当該政治団体に係る次に掲げる事項を記載しなければならない」と規定し、借入金については、その借入先、当該借入先ごとの金額及び借入年月日の記載をもとめている。
したがって、いやしくもこの規定を遵守している限りは借入金の明細は常に把握できているはずであると考えるが如何か。また、把握できていない場合は直ちに同法第二十四条第一号に規定する罰則規定に該当すると考えるが如何か。
以上のことについて、政府の見解を示されたい。
四 同法第二十五条第二項において、「政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたときは、五十万円以下の罰金に処する」とあるが、これは具体的にどのような状態のことを想定しているのか、政府の所見を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
日本国憲法の前文第一段において「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威は国民に由来し、その権力は国民の代表者がこれを行使し、その福利は国民がこれを享受する」とされており、お尋ねの政治資金規正法(昭和二十三年法律第百九十四号)第一条の「民主政治」とは、この憲法の趣旨に沿って行われる政治であると解される。
二について
政治資金規正法第二条は、同法の基本理念を定めているところ、同条第二項は、政治団体に対し、その責任に対する自覚を求め、政治資金の収受に当たっては、いやしくも国民の疑惑を招くことがないよう、同法に基づき公明正大に行うことを求めているが、お尋ねの「疑惑が起きた場合の説明責任」については規定していない。また、同法においては、「説明責任を果たさない」ことをもって処罰する旨の規定はない。
三について
政治資金規正法第九条第一項第一号チの規定により、政治団体の会計責任者は、会計帳簿を備え、これに当該政治団体に係る借入金の借入先、当該借入先ごとの金額及び借入年月日を記載しなければならないこととされており、御指摘については、同項の規定にのっとり、適切に行われるべきものと考える。
なお、同法第二十四条第一号の規定により、同法第九条の規定に違反して会計帳簿を備えず、又は同条第一項の会計帳簿に記載すべき事項の記載をせず、若しくはこれに虚偽の記入をした者は、三年以下の禁錮又は五十万円以下の罰金に処することとされている。
四について
お尋ねの「政治団体の代表者が当該政治団体の会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠つたとき」については、一般論として言えば、政治団体の代表者が、当該政治団体の会計責任者の選任と監督の双方について、社会通念に照らし客観的に何人もなすべき程度の注意を怠った場合をいうものと解されるが、個別の事案がこれに該当するかどうかは、具体の事実に即して判断されるべきものと考える。
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