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消費税の軽減税率制度の導入に伴う課題に関する質問主意書

参議院 第190回 第14号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×1

提出者
参議院
提出日
2016年1月14日
内閣転送 2016年1月18日
答弁書受領日
2016年1月22日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 1,364字/答弁 1,760字

質問本文

政府は、二〇一七年四月より、消費税率の八%から一〇%への引上げと併せて、「酒類及び外食を除く飲食料品」及び「新聞」に係る消費税率を八%に据え置くことを決定した。しかしながら、このような消費税の軽減税率制度の導入は極めて重大な問題があるため、以下、それぞれの課題について質問する。

一 政府は、「酒類及び外食を除く飲食料品」及び「新聞」を対象に軽減税率制度を導入するとしているが、このような飲食料品等の消費税率を軽減したとしても、高所得者ほど軽減額が大きくなるなど、低所得者の救済措置とはならないのではないか。このように、軽減税率制度は給付措置と比べ、低所得者への富の再分配効果は極めて弱くなると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 軽減税率制度を導入している欧州諸国の例を見ても、対象品目の区分けは極めて複雑になることは避けられない。例えば、イギリスの歳入関税庁のホームページには膨大で事細かに区分や説明が掲載されているが、これでは納税者等の混乱を招くものとなる。財務省は、飲食料品と外食との線引きが困難な、いわゆるグレーゾーンに相当するものが千二百件から千三百件に上るとしているが、これら対象品目の区分けを国民にどのように周知していくつもりか、今後の政府の対応を示されたい。

三 消費税の軽減税率制度を導入することにより、小売業者等は、複数税率を扱うレジシステムやPOSの導入、さらには会計システムの導入など多額の費用や事務負担の増加となるが、政府としてどのような支援を行うつもりなのか。特に、レジシステムやPOSといった最新システムの導入が困難な中小事業者への対策について具体的に示されたい。

四 消費税の軽減税率制度の導入に当たって財務省は、およそ一年半の準備期間が必要としてきたが、既にその期間を十分確保できない状況となった。こうした中で、政府は、実際に制度導入が可能と考えているのか。また、軽減税率制度を導入すれば、納税者だけでなく徴税を行う税務職員、とりわけ消費税担当の調査官等の業務が増大することになるが、具体的にどのような業務が増え、それに対してどのように執行体制を整備するつもりか、今後必要となる事務費用を含めて明確に示されたい。さらに、一部報道では、諸外国の事例を見ると政府関係者の労力などコストが倍以上になると予想しているが、この点についても政府の見解を示されたい。

五 消費税の軽減税率制度の導入による減収額については、これまでの与党の議論によれば、「酒類及び外食を除く飲食料品」で一兆円、さらに「新聞」で二百億円と見込まれていた。しかし、政府の「平成二十八年度税制改正の大綱」(平成二十七年十二月二十四日閣議決定)においては、軽減税率制度の導入による国及び地方の減収見込額を一兆円程度と一千億円未満を四捨五入して試算しているが、これを百億円単位まで明確に示されたい。その上で、軽減税率制度を導入した場合の代替財源の確保について、与党の「平成二十八年度税制改正大綱」(平成二十七年十二月十六日)では、「平成28年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずることにより、安定的な恒久財源を確保する。」としているが、消費税の税率を更に引き上げることになるのか、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

消費税の軽減税率制度については、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律(平成二十四年法律第六十八号)第七条第一号ロに基づく消費税率の引上げに伴う低所得者への配慮として、導入することとしている。消費税の軽減税率制度の適用対象としている酒類及び外食を除く飲食料品並びに新聞(以下「適用対象品目」という。)に係る消費支出額の消費支出総額に占める割合について、総務省統計局の家計調査において公表されている平成二十五年の二人以上世帯の数値を用いて計算すれば、例えば、年間収入千五百万円以上の世帯ではおおむね十五パーセント程度となっている一方、年間収入二百万円未満の世帯ではおおむね三十パーセント程度となっており消費支出総額の三割程度に軽減税率が適用されることとなることから、消費税の軽減税率制度は、低所得者対策として有効であると考えている。消費税の軽減税率制度の導入による適用対象品目に係る消費税負担の収入に対する割合の軽減度合いについても、同局の家計調査において公表されている同年の二人以上世帯の数値を用いて計算すれば、低所得世帯の方が大きくなることから、いわゆる消費税の逆進性の緩和につながるものである。

また、御指摘の「給付措置」の内容が必ずしも明らかではないため、消費税の軽減税率制度と御指摘の「給付措置」について、「低所得者への富の再分配効果」を比較することは困難である。

二について

御指摘の「財務省は、飲食料品と外食との線引きが困難な、いわゆるグレーゾーンに相当するものが千二百件から千三百件に上るとしている」という事実はない。

なお、「平成二十八年度税制改正の大綱」(平成二十七年十二月二十四日閣議決定。以下「大綱」という。)において、「軽減税率制度の導入に当たり混乱が生じないよう万全の準備を進めるため、政府に必要な体制を整備するとともに、事業者の準備状況等を検証しつつ、必要に応じて、軽減税率制度の円滑な導入・運用に資するための必要な措置を講ずる」こととしている。この一環として、中小企業団体等と連携し、講習会の開催、相談窓口の設置等を行い、事業者への制度の周知徹底を図ってまいりたい。

三について

消費税軽減税率制度の導入に当たり混乱が生じないよう、政府に必要な体制を整備するとともに、事業者の準備状況等を検証しつつ、制度の円滑な導入・運用のための必要な対応を行うこととしている。

その一環として、事業者に制度の周知を行うとともに、中小小売業者等が複数税率に対応するために必要なレジスターの導入や電子的な受発注システムの改修等について、準備が滞ることがないよう、資金支援を実施することとしている。

四について

大綱において、「軽減税率制度の導入に当たり混乱が生じないよう万全の準備を進めるため、政府に必要な体制を整備するとともに、事業者の準備状況等を検証しつつ、必要に応じて、軽減税率制度の円滑な導入・運用に資するための必要な措置を講ずる」こととしており、平成二十九年四月に消費税の軽減税率制度を円滑に導入できるよう、政府として万全の準備を進めていく。

また、消費税の軽減税率制度の導入に向けて、国税庁においては、事業者に対する制度周知、記帳指導及び納税者からの相談への対応等を行うことが必要となるほか、国税関係システムの改修を実施する必要があると考えている。

平成二十八年度予算においては、これら業務への対応に係る執行体制の整備として、百三十二人の定員措置等のほか、リーフレット等による制度周知、説明会の開催及び電話照会への相談体制の整備の経費として約九・八億円、国税関係システムの改修に係る経費として約十・九億円を計上しているところである。

五について

消費税の軽減税率制度の導入による消費税及び地方消費税の減収見込額は、一兆四百億円程度である。

消費税の軽減税率制度の導入に当たっては、大綱において、財政健全化目標を堅持するとともに、社会保障と税の一体改革の原点に立って安定的な恒久財源を確保するため、平成二十八年度末までに歳入及び歳出における法制上の措置等を講ずること等としており、今後、歳入・歳出両面にわたって検討してまいりたい。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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