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看護・介護・保育分野における有料職業紹介手数料の透明化及び上限規制に関する質問主意書

衆議院 第221回 第21号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

提出者
中道改革連合・無所属
提出日
2026年6月26日
内閣転送 2026年7月1日
答弁書受領日
2026年7月7日
提出から11日
答弁の項目数
4
質問 1,835字/答弁 2,154字

質問本文

看護、介護及び保育の各分野は、国民の生命、健康、生活及びこどもの育ちを支える基盤であり、極めて高い公共性を有する。一方で、これらの分野では深刻な人材不足が続き、医療機関、介護事業者及び保育事業者が人材確保のため有料職業紹介事業者に依存せざるを得ない状況が生じている。

その結果、紹介手数料が事業者の経営を圧迫し、本来であれば職員の処遇改善、職場環境の整備、患者、利用者及びこどもへのサービスの質の向上に充てられるべき財源が、紹介手数料として流出しているとの指摘がある。

厚生労働省の「令和七年度 医療等分野における雇用仲介事業に関する調査研究事業報告書」によれば、「三分野の職業紹介(就職者調査�D)」において、「企業が紹介手数料を負担していることの認知度」は有料職業紹介事業者を利用した就職者(求職者)が「知っている」が七十二・一%、「知らなかった」が二十七・九%であった。また、「企業が負担している手数料率の認知度」は、「どの程度支払われているか知っている」が十七・九%にとどまっている。

すなわち、企業が紹介手数料を負担していることを知っており、かつ、その手数料率を知っている求職者は、全体の約十三%にすぎないと整理できる。これは、求職者の多くが、自らの就職・転職に伴って求人者側にどの程度の紹介手数料が発生しているのかを十分に認識しないまま、有料職業紹介サービスを利用している実態を示すものである。

形式上、紹介手数料は求人者が負担するものであるとしても、看護、介護及び保育分野においては、その原資には診療報酬、介護報酬、公定価格、利用者負担、保険料及び公費等が含まれる。したがって、紹介手数料の在り方は、単なる民間取引上の価格の問題にとどまらず、公共性の高いサービスの持続可能性に関わる重要な政策課題である。

右の点を踏まえ、以下質問する。

一 求職者への紹介手数料の告知及び確認について

厚生労働省の調査研究事業報告書によれば、看護、介護及び保育の三分野において、企業が紹介手数料を負担していることを知っており、かつ、その手数料率を知っている求職者は、全体の約十三%にすぎないと整理できる。

政府は、このように、求職者が自らの就職・転職に伴い求人者側に発生する紹介手数料の金額又は料率を十分に知らないまま有料職業紹介サービスを利用している実態をどのように認識しているか。また、有料職業紹介事業者に対し、看護、介護及び保育分野の求職者へ、求人者が支払う紹介手数料の金額、料率又は算定方法を、求人紹介時、応募意思確認時、内定時又は入職決定時までに、書面又は電磁的方法により告知し、求職者が確認した記録を残すことを義務付ける必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

二 現行の手数料実績公開制度の限界について

令和七年四月から、職業紹介事業者の手数料実績の公開が義務化されたと承知している。しかし、事業者単位又は職種単位の平均手数料率の公開だけでは、個々の求職者が、自らの就職・転職に伴って具体的にどの程度の紹介手数料が発生するのかを理解するには不十分ではないか。

政府は、現行の手数料実績公開制度が、求職者本人に対する情報提供として十分であると考えているのか。十分であると考える場合はその理由を、十分でないと考える場合は今後の改善策を明らかにされたい。

三 看護・介護・保育分野における紹介手数料の上限規制について

看護、介護及び保育分野は、国民生活に不可欠な公共性の高い分野であり、診療報酬、介護報酬、公定価格等により収入構造が公的に規律されている。他方で、人材紹介手数料については市場取引に委ねられており、この非対称性が現場の経営を圧迫しているとの指摘がある。

政府は、看護、介護及び保育分野について、その社会的重要性及び公共性に鑑み、紹介手数料について年収に対する一定割合又は一定金額を上限とする規制を設ける必要性をどのように認識しているか。上限規制は困難であると考える場合には、その具体的理由を明らかにされたい。

四 今後の制度見直しについて

看護、介護及び保育分野における人材確保の困難、紹介手数料による経営圧迫、求職者への情報提供の不十分さを踏まえ、政府は、求職者への紹介手数料の事前告知、手数料上限規制、短期離職時の返戻金制度の義務化、過度な転職勧奨への規制強化等を含む制度見直しを検討すべきではないか。政府の見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文経過

政府答弁書

一について

職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第三十二条の十三、職業安定法施行規則(昭和二十二年労働省令第十二号)第二十四条の五第二項等の規定に基づき、有料職業紹介事業者(職業安定法第三十二条の三第一項に規定する有料職業紹介事業者をいう。以下同じ。)は、求職者に対し、求職の申込みを受理した後、速やかに、取り扱う職種の範囲、徴収する手数料に関する事項、苦情の処理に関する事項等について、書面の交付等の方法により明示しなければならないこととされており、厚生労働省としては、求職者が有料職業紹介事業者を選択するに当たって、各有料職業紹介事業者におけるこのような事業の内容全般に関する基本的な事項をあらかじめ把握することは重要であると考えているが、求職者が御指摘のような「自らの就職・転職に伴い求人者側に発生する」個別の「紹介手数料の金額又は料率」を把握することまでは必ずしも必要となるものではなく、お尋ねの「実態」自体が問題であるとは考えておらず、また、お尋ねのように「有料職業事業者に対し、(中略)義務付ける」ことまでは必要ではないと考えている。

二について

御指摘の「手数料実績公開制度」については、職業安定法第三十二条の十六第三項及び職業安定法施行規則第二十四条の八第三項の規定に基づき、「取扱職種ごとの常用就職一件当たりの平均手数料率」等の「実績」を「公開」するものであるところ、厚生労働省としては、「求職者本人」が「自らの就職・転職に伴って具体的にどの程度の紹介手数料が発生するのか」について「公開」することまでは必ずしも必要ではないと考えている。「現行の手数料実績公開制度が、求職者本人に対する情報提供として十分であると考えているのか」とのお尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、「求職者本人に対する情報提供」については、一についてで述べたとおり、求職者が有料職業紹介事業者を選択するに当たって、職業安定法第三十二条の十三、職業安定法施行規則第二十四条の五第二項等の規定に基づき、必要な「情報提供」がなされているものと考えている。

三について

御指摘の「紹介手数料」の水準は労働市場の需給の状況に応じて変動し得るものであり、また、職業紹介に要する経費も求人の内容に応じて様々であるため、お尋ねのような「紹介手数料について年収に対する一定割合又は一定金額を上限とする規制」を一律に設けることは困難であると考えており、また、令和八年六月二日の参議院厚生労働委員会において、上野厚生労働大臣が「仮に上限を高く設定した場合は、高い水準に収れん、固定化してしまうリスクがある、また、過度に低く設定した場合には、現場の体制維持が困難となるおそれがあるというようなお話もいただいておりますので、上限規制自体については厚生労働省としても同様の観点から慎重な検討が必要だと考えております」と答弁しているとおりである。

四について

御指摘の「求職者への情報提供」については、一について及び二についてで述べたとおり、「不十分」であるとは考えておらず、お尋ねの「求職者への」自らの「紹介手数料の事前告知」のような「制度見直し」は考えていない。

お尋ねの「手数料上限規制」に関しては、三についてでお答えしたとおりである。

お尋ねの「短期離職時の返戻金制度の義務化」については、「短期離職時」に、有料職業紹介事業者と就職先との間に「紹介手数料」の支払に関する問題が生じているとの指摘を踏まえ、職業安定法第四十八条の規定に基づき定めた「職業紹介事業者、求人者、労働者の募集を行う者、募集受託者、募集情報等提供事業を行う者、労働者供給事業者、労働者供給を受けようとする者等がその責務等に関して適切に対処するための指針」(平成十一年労働省告示第百四十一号。以下「職業紹介事業者等指針」という。)において、「返戻金」制度を設けることを推奨しているところであるが、有料職業紹介事業者が提供するサービスの内容や、職業紹介のあっせんに要する費用等が様々であること、また、離職の原因は必ずしも有料職業紹介事業者によるものとは限らないことを踏まえると、有料職業紹介事業者に対して一律に「返戻金」の支払を義務付けることまでは困難であると考えている。

お尋ねの「過度な転職勧奨への規制強化」については、職業紹介事業者等指針において、有料職業紹介事業者が求職者に対して金銭等を提供すること及びその紹介により就職した者(期間の定めのない労働契約を締結した者に限る。)に対して当該就職した日から二年間転職の勧奨を行ってはならない旨を示しており、さらに、令和七年一月からは、職業安定法第三十二条の五第一項及び第三十二条の九第一項第三号の規定並びに令和六年九月三十日付け厚生労働省職業安定局長通達「「職業紹介事業の業務運営要領」の一部改正について」別添「職業紹介事業の業務運営要領」に基づき、これらを行わないことを有料職業紹介事業の許可の条件とするとともに、当該条件に違反した場合には、当該許可の取消しを行うことができることとしているところであり、現時点で更なる「規制強化」を行うことは考えておらず、こうした取組を適切に進めてまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

件名の語が重なる質問主意書

提出 2025年11月11日 水沼 秀幸(立憲民主党・無所属) 答弁 2025年11月21日

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