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成田空港と航空の安全に関する質問主意書

衆議院 第72回 第14号検討してまいりたい ×2個別の事案 ×2

提出者
衆議院
提出日
1974年3月12日
内閣転送 1974年3月13日
答弁書受領日
1974年4月5日
提出から24日
答弁の項目数
9
質問 6,627字/答弁 5,626字

質問本文

衆議院議長 前尾繁三郎 殿

成田空港と航空の安全に関する質問主意書

昭和四十八年九月に行政管理庁により行われた「航空行政監察(第三次)結果に基づく勧告」によれば、我が国の民間航空交通量は、国内線、国際線とも増加の一途をたどつているが、航空安全に関する諸施策は必ずしもこれに即応しておらず、航空保安上憂慮される状況となつているとし、航空交通管制等のいくつかの事項に関して、それぞれ改善措置を講じる必要があり、また、安全第一主義の立場に立つて、航空機の航行の安全を確保することに努める必要があると運輸省に勧告している。

かかる勧告は、現行の方式及び現用の諸施設にかかわるものに対してなされたものである。しかるに、建設途上にあるとされる成田空港の航空の安全に関しても既に種々の問題が指摘されてきている。現実に存在する航空事故の発生の可能性を放置したまま、「航空の危険」を内包している成田空港の建設が現在強行されているわけである。ましてや、かかる空港を国際空港として開港しようとする策動(本年三月七日に行われた今井榮文空港公団総裁の記者会見)が出るに至つては、安全第一がその根幹であると標榜する運輸行政、とりわけ、航空行政に対し、重大な疑義を持たざるを得ない。

そこで、以下成田空港にかかわる航空の安全の問題を中心とし、更にこの面からの新東京国際空港としての成田空港の適否について、政府の見解を伺いたい。

なお、どんなプロジェクトでも、時と場合によつては、途中でもあえて引き返すということ、その勇気が大切であり、同じ引き返すのなら早い方が良いということを付記しておく。

一 航空交通の安全に関する基本的な要件である空域に関して、成田空港開港時の空域は、現在どのように設定(構想)されているかについて質問する。

(1) 成田空港の管制塔にある飛行場管制席及びターミナル・レーダ室(IFR室)の進入管制席にあるディスプレイ(レーダスコープ)上の成田空域を中心とした空域図を、二百万分の一程度の縮尺度をもつ地図(又は航空図)にて図示されたい。

(2) (1)の百里・成田・羽田及び横田等の各空域を規定する空域図は、運輸省の現在的な構想(例えば最終案)であるのか、それとも決定されたものか。

(3) 防衛庁陸上自衛隊の所管になる霞ケ浦飛行場の進入管制は、成田空域の一部として行われるのか、又はそのような予定なのか。

(4) 成田空域と羽田空域との境界は、どのようになつているのか。例えば、霞ヶ浦飛行場の標点及び御宿VORDMEをそれぞれ中心とする半径九キロメートルの二つの円の内接線のうち、霞ケ浦飛行場を東側に御宿VORDMEを西側とする線分に、ほぼ一致すると考えてよいのか。

(5) (4)の成田空域と羽田空域の境界により、航空の安全が確保されるという航空管制上の根拠、理由は何か。

(6) 成田空域の太平洋上での限界は、成田VORDMEを中心とする半径百十キロメートルの内弧であるとしてよいか。また、これは航空管制上のどのような根拠、理由により定められるのか。

(7) 成田空域と百里空域の境界はどのようになつているか。例えば、太平洋上の米空軍空域R一二一の南縁を西へ延長し、本土(茨城県)の海岸に達した点より、霞ケ浦飛行場の標点に向かう線分よりなると考えてよいのか。

(8) 成田空域と百里空域の境界は、航空の安全を確保すべく航空管制上のどのような根拠、理由により定められるのか。

(9) 阿見VORDME上空周辺及び御宿VORDME上空周辺は、航空交通の安全上要注意地域との指摘があるが、どのようにして航空交通の安全を確保するのか。

二 成田空港開港時の成田空港及び羽田空港の離着陸の飛行コースについて、以下の問いに答えられたい。

(1) 羽田空港の離着陸の飛行コースを二百万分の一程度の縮尺度の地図(又は航空図)上に図示されたい。

(2) 羽田空港への進入着陸機の待機位置はどこか。北からの南下便は太子及び阿見の各VORDMEの上空、南からの北上便は大島VORTAC及び御宿VORDME上空としてよいのか。

(3) 成田空港の離着陸の飛行コースを二百万分の一程度の縮尺度をもつ地図(又は航空図)上に図示されたい。少なくとも決定されているといわれる洋上の部分のみは明らかにされたい。

(4) (3)で飛行場周辺の飛行コースが未決定の場合について、飛行場周辺自治体の了解を得るべく策定されているであろういくつかの案のうち特徴的な飛行コース二ないし三を百万分の一程度の縮尺度をもつ地図(又は航空図)にて図示されたい。

(5) 成田空港の離着陸の飛行コースはいつまでに決定する予定か。

(6) (5)の決定は開港予定日時のどの位以前か。

(7) 成田空港への進入着陸機の待機位置はどこか。平・太子及び三宅島の各VORDMEの上空、銚子及び大島の各VORTACの上空並びに銚子沖及び九十九里沖の各洋上のポイントの上空としてよいか。かかる洋上のポイント名及び位置を明らかにされたい。

(8) 成田空港の離着陸は直進上昇、直進降下の航行方式により行われるとあるが、直進上昇は高度何メートルに達するまで継続して行われるのか、また、直進降下は高度何メートル以下で開始されるのか。

(9) 成田空港のC滑走路を南へ向け離陸した航空機は何キロメートル直進上昇すると成田空域と羽田空域の境界に達するか。

(10) 成田空港を離陸し三宅島VORDMEへ向かう航空機は、現行の米海軍空域R一一六に防害されることにならないのか。この空域を通過しなければならないとすれば、この空域の縮小又は移転、撤去を米海軍へ求めるのか。その可能性はどうか。

三 防衛庁航空自衛隊の百里空域の現在の使用状況に関して、以下の問いに答えられたい。

(1) 南北二つのTACAN進入着陸の経路を二百万分の一程度の縮尺度をもつ地図(又は航空図)上に図示されたい。

(2) 南北二つのADF進入着陸経路を二百万分の一程度の縮尺度をもつ地図(又は航空図)上に図示されたい。

(3) 百里空域の広さは、いかなる根拠に基づいて定められているか。

(4) 百里基地に現在配備されている航空機の機種及び機数を明らかにされたい。

(5) 百里基地に今後配備される予定の機種及び機数を明らかにされたい。

(6) (4)及び(5)で与えられた機種、機数の航空機が日常的に運航するときに必要となる最低限の空域の広さ及びその算定根拠を明らかにされたい。

(7) 百里基地から離陸した航空機(例えば百里基地に配備されている主力機種)が操縦士による一連の離陸操作を完了するために要する時間は、離陸開始後何分か。そのときの高度は何メートルか。これは直進上昇か。

(8) 百里基地に配備されている航空機のための訓練空域は現在どこが用いられているか。

(9) 関東エリヤに百里基地の専用訓練空域を設定する構想はあるか。それはどこに予定しているか。

(10) 百里基地で行われるスクランブル発進はどのような経路を経て、高々度に達するのか。南向け及び北向き発進の場合について、それぞれ明らかにされたい。

(11) 成田空港と百里空域が競合する場合、少なくとも将来的に競合する場合、百里基地を撤去する考えはあるか。

(12) 百里基地の表向きの存在理由は何か。

四 新東京国際空港管制空域図として公表されている関東エリヤの空域及び飛行コースに関する当初案について、以下質問する。

(1) かかる当初案を媒介として成田空港(又は富里空港)の空域的な是非が新東京国際空港の位置決定の際論じられたのか。航空工学的な定量的な根拠をそえて、新東京国際空港の位置決定に当たつてなされた空域的な検討の内容を明らかにされたい。

(2) かかる当初案により運輸省と防衛庁と協議が行われ、かつ、合意に達していたのか。両省庁との合意に達したときの関東エリヤの空域及び飛行コースにつき明らかにされたい。

(3) かかる当初案の決定に当たつては航空交通管制工学的にどの程度精巧かつ真剣な検討がなされていたのか。例えば超大型コンピュータを用いた大規模なトラフィックのミュレーションによる航空交通システムのアナリシスは行われていたのか。当初案には、航空工学的にどのような合理性があるのか。

(4) (3)の検討を担当した機関又は部局名を明らかにされたい。そのときの責任者名を併せて明らかにされたい。

(5) かかる当初案の決定の前提となつた羽田空港及び成田空港の航空需要の質的、量的展開の内容及び百里基地に配備される航空機の機種、機数及び内容を明らかにされたい。

(6) いかなる理由によりこの当初案が廃棄されたか。

(7) 御宿VORDMEを羽田空域と変更する理由を明らかにされたい。

(8) この当初案により関東エリヤの現在の航空保安無線施設が計画され設置されたのか。

(9) 平・阿見・守谷・関宿・館山・横須賀及び三宅島の各VORDMEの設置目的を明らかにされたい。例えば、どのような飛行コースの設定に使われるのか。

(10) 銚子VORTACは、成田空域と百里空域との境界を定めるものとして設定されたものか。また、VORDMEが用いられなかつたのは、成田空港と百里基地とで共用するためか。

(11) 当初案による成田及び羽田両空港の進入着陸機の待機位置はどこに予定されていたのか。それぞれ明らかにされたい。VORDME、VORTAC及びフィックス(ポイント)の名及び位置を明らかにされたい。

五 関東エリヤで安全な航空管制を実施するに当たつての諸問題に関し、以下質問する。

(1) 四つの主要な飛行場(成田・羽田・横田及び百里)を含む関東エリヤにおいて、航空管制工学的にみて有効な空域の利用を図るため、それぞれの飛行場に関する空域を分離して個別に管制する方式とすべての飛行場に関する空域を統合して一元的に管制する方式があるとされている。政府においては、差し当たつて空域分離による方式を採用することにしたと主張するが、かかる空域分離による管制を将来一元化された航空管制へと転換するモメントはいつどこからくるのか。

(2) 航空管制工学上、どのような要件が成立したら管制一元化へ移行すべきであると考えるか。客観的な条件を質的、量的な形で明らかにされたい。

(3) (2)において、一元化するのが遅れて、空中衝突事故が発生した場合の刑事上の責任の追求は、機長又は航空管制官の過失という形でのみなされるのか。

(4) (3)において運輸省の一元化の主張にもかかわらず、大蔵省が予算措置を講じなかつた場合であれば、大蔵省例えば主計局長なども事故発生に対する刑事責任の追求対象となるのか。運輸省航空局長の刑事上の責任はどうなるのか。

(5) 飛行コースの決定に当たつては、航空管制上のバッファを考慮する必要がある。航空路上では横のマージンが左右それぞれ九キロメートルとされると聞くが、これは定常水平飛行のときのものか。上昇時又は降下時の横のバッファはどのようになつているか。

(6) (5)において横のバッファを片側九キロメートルと定めた航空工学上の根拠を明らかにされたい。

(7) 成田空港の離着陸の飛行コース及び待機経路は航空安全上どのようなバッファを前提とすることにより定められるのか。

(8) 成田空域と百里空域の分離は、平面的のみならず立体的にも規定されることになると聞く。航空機の高度は、機上では高度計に依拠し、場合によつては地上でモニターされることになろうが、航空機が水平飛行しているのならともかくとして、離陸上昇又は進入降下しているときの高度計の指示遅れ(動特性)及び機体の動作の遅れに対して、どのような考慮が払われているのか。例えば降下時に現われる沈下現象自体は操縦士にはどうにもならないと聞く。

(9) 空域境界を立体的に定めるということは、操縦士は自己の空域境界に対する位置を平面上の位置と高度計の高度指示から判断して知ることになるのか。とするならば、かかる判断は緊急的には特に操縦士の負担となり、事故発生につながるとは、なぜ考えられないのか。

六 関東エリヤの西側に位置する横田空域(米空軍下にある管制空域)に関して、以下の問いに答えられたい。

(1) 横田空域の管制権が返還されるとした場合、現在の運輸省航空局にこれを受け入れ、管制業務を直ちに引き継ぐ能力はあるのか。

(2) (1)で能力がないとき、なにゆえに能力を具備し、用意しておかないのか。これは運輸省の責任か、大蔵省の責任か。

(3) 横田空域の管制権の返還を、例えば日米合同委員会等を通じて米空軍に要求したことがあるのか。あるとすれば、その日時及び内容を明らかにされたい。

(4) 横田空域の管制権の返還に対して関東エリヤにおける航空管制上からの必要性を説けば、米空軍の側にも必ずしも不合理な対応をしないと聞くがどうか。

(5) 米海軍横須賀基地へ入港する航空母艦の艦載機は現在どこの陸上飛行へ移動させているのか。そのときの飛行コース及び高度を明らかにされたい。

七 成田空港のA滑走路の南側の進入燈が正規のものでないことについて、以下の問いに答えられたい。

(1) かかる進入燈の燈器配置の構造を図示されたい。

(2) かかる進入燈は、航空法施行規則第百十七条第一項第三号ハで規定される設置基準に違反するのではないのか。

(3) かかる進入燈の設置に対して、航空法施行規則第百十七条第二項において準用された同規則第七十九条第二項の規定に基づく承認申請は、いつ、いかなる形でなされたか。

(4) かかる承認申請に対して運輸大臣は、いつ、いかなる形で承認を与えたか。

(5) 運輸大臣は基準と異なる方式を用いても航空の安全に何ら支障はないと、いかなる航空工学上の理由により判断し、決定されたのか。

(6) かかる進入燈はICAOの設置基準に適合するものか。ICAOの技術基準との関係はどうなるのか。

(7) かかる進入燈を用いることによる航空の安全に対して、例えば操縦士の団体であるIFALPAとか航空運送業者の団体であるIATAの了解又は同意が得られたのか。あるいは得ることは可能か。

(8) かかる進入燈を用いることによる航空の安全に対して我が国の航空工学者等の専門家の了解又は同意が得られたのか。了解又は同意を与えた専門家の名前を明らかにされたい。

(9) 航空法施行規則第七十九条第二項及び同規則第百十七条第二項は、いつ、いかなる目的のために挿入されたのか。

(10) かかる進入燈を原因として進入着陸時に墜落事故が発生したとき、刑事責任が追求される対象者はだれか。

八 成田空港の気象状況について、以下の問いに答えられたい。

(1) ILSのカテゴリーIIがなぜ必要なのか。

(2) 百里基地の自衛隊パイロットの言によれば、利根川以南は霧のときが多いとのことであるが、成田空港はカテゴリーIIを前提としない限り国際空港として機能し得ないのか。

(3) 横風用C滑走路の気象上の必要性はどの程度か。

(4) A滑走路のみで開港したとき、横風滑走路を必要とする気象状況のときは、どのような処置が講じられるのか。

(5) (4)の処置で安全に対応できるのなら、C滑走路はなくてもよいのではないか。C滑走路を必要とする理由は何か。

(6) 過日、友納千葉県知事は、どのような理由でC滑走路の建設中止を徳永運輸大臣に申し入れたのか。

九 さきの行政管理庁の勧告によれば、現用の飛行場の中に進入表面、転移表面又は水平表面の上に出る高さの建造物、植物等の障害物件の相当数存在するものがあると指摘されている。

(1) かかる障害物件のある現用の飛行場はどこか。すべてを列挙されたい。

(2) (1)の各飛行場ごとにかかる障害物件の位置及び各表面上へ出る高さをそれぞれ明らかにされたい。

(3) かかる障害物件の現在までの処置はどうなつているか、安全対策及び除去対策のそれぞれを明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

(1)、(2)及び(4)から(8)まで 新東京国際空港(以下「成田」という。)の設置に伴う成田及び隣接飛行場の管制上の管轄空域については、目下、関係機関と調整中であり、まだ確定した案はもつていない。

また、これら飛行場について、管制上の管轄空域を決定する原則は、その飛行場に出入する航空機の進入、出発及び待機経路とターミナル・レーダー管制業務を行う場合は当該レーダーの覆域とを勘案し、相互に重複した管制を行わないよう平面的あるいは高度的に空域を分離することである。

(3) 霞ケ浦飛行場については、現在進入管制は行われておらず、また、近い将来において行う計画はない。

(9) 阿見及び御宿VORDME上空周辺の飛行経路はまだ確定していないが、一般的に、ある空域において航空交通量が多い場合には、できるだけ高度的に分離した複数飛行経路を使用することにより、安全を確保している。

二について

(1)及び(2) 成田開港時の羽田空港の進入、出発及び待機経路は、まだ確定していない。

(3)及び(4) 内陸部分については、まだ確定しておらず、また、洋上部分についてもほぼ結論には達しているものの決定には至つていない。

(5)及び(6) 開港日の四、五か月前までに決定したいと考えている。

(7) まだ確定していない。

(8) 成田の離発着については、航空機の運航の安全性を十分考慮しつつ騒音低減のために直進上昇及び直進降下をさせるよう検討中であつて、詳細については、まだ決定していない。

(9) 両空港の空域の境界は、まだ確定していない。

(10) 成田と三宅VORDME間にシングル・ルートを設定する場合には、妨害にならない。マルチ・ルートを設定する場合における当該空域との調整については、目下関係省庁間において検討している。

三について

(1)及び(2) 別図一のとおりである。

(3)及び(6) 百里管轄空域は、百里飛行場に出入する航空機の進入、出発、待機経路及びレーダーの覆域等を勘案し、隣接する管制機関相互に重複した管制を行わないよう平面的あるいは高度的に空域を分離することについて、防衛庁と運輸省が協議を行つて定めたものである。

(4) 昭和四十八年度末における配備機種及び機数は、次のとおりである。

F ― 4EJ

二二機

F ― 104J

一八機

F ― 104DJ

二機

T ― 33A

一〇機

T ― 34A

一機

MU ― 2

二機

V ― 107

二機

計

五七機

(5) 昭和四十九年度には、RF ― 4E等約一〇機を配備する計画である。

(7) F ― 104J機についていえば、発進後一連の離陸操作を完了するまで直進上昇を行うが、これに要する時間は約一〇〇秒であり、この時点で高度約二、〇〇〇メートルに達する。

(8)及び(9) 百里基地に配備されている航空機のための訓練空域がいまだ設定されていないので、航空機の姿勢、高度又は速度の急激な変化を伴う訓練飛行については、中部本州空戦訓練区域等で行うほか、三沢飛行場へ移動のうえその近傍の訓練空域で行つている。

このため、訓練上大きな制約を受けているので、百里基地近傍に訓練空域を設定すべく目下関係省庁間において検討中である。

(10) 百里基地から緊急発進した航空機は、南向け及び北向けともに発進後百里基地東方の方位三〇度から一六五度までの間を上昇する。

(11) 成田と百里飛行場については、両立させることが可能であるので、百里飛行場を撤去する考えはない。

(12) 百里基地の存在理由は、航空機によつて中部日本における防空、領空侵犯対処、救難行動等を行うことにある。

四について

(1)及び(2) 成田の位置選定に当たつては、他の飛行場あるいは航空路との管制上の関係を最も重視して検討を行つた。

成田の位置を三里塚地区に決定するに当たつても、運輸省と防衛庁と協議のうえ、専門的な見地から検討した結果、羽田及び百里の飛行場の空域と重複することなく相互に所要の空域を確保できるとの結論であつた。

(3)から(6)まで 成田について、当初策定した管制空域は、運輸省航空局において、現実に航空交通管制を行つている経験に基づいて、関東空域における航空交通の流れを最も安全かつ効率的にさばくという見地から綿密な検討を経て得られた結果である。したがつて、当初の基本的構想は、現在においても廃棄されていない。

(7) 羽田及び成田に係る進入及び出発経路並びに関東空域の航空路との関連で関係管制機関の運用方式等を検討している過程において、御宿VORDMEは、羽田に使用する方がより効果的であると思われるに至つたところから、目下その方向で検討中である。

(8) 基本的には、当初の管制空域案による航空交通の流れを前提として計画され、設置されたものである。

(9) これらのVORDMEは、従来のNDB航空路をより精度の高いVOR航空路にするための計画の一環として、併せて関東の空域における進入、出発経路等の設定にも利用することを前提として、設置されたものである。

例えば、館山及び横須賀VORDMEは、従来のNDBに代わるもので、その利用目的に変更はなく、また、三宅島VORDMEは、成田への飛行ルートを羽田のそれから分離するために新たに設置されたものである。

なお、VORDMEは、そのいくつかを相互に利用することにより多様な飛行経路を設定することが可能であり、また、航空交通の変遷に対応する空域構成の変化によつてこれらVORDMEの利用方法は将来変更されることがある。

(10) 銚子にVORDMEでなくVORTACを設置した理由は、成田と百里飛行場の管制空域を明確に分離するためである。

(11) 当初の案は、進入、出発経路の基本計画を定めたものであつて、待機経路については特に確定はしなかつた。

五について

(1)及び(2) 一般に、近接して複数の飛行場が存在する場合、それぞれの飛行場ごとに分離された管制空域内の航空交通の量及びその形態、当該空域の構成状況等の諸条件からみて、これらの複数飛行場に離発着する航空機の飛行経路が錯綜し、及びそれらの経路上の航空交通の態様が輻輳化するに至つたときは、全体的空域の有効利用と管制処理能力の向上を図るため、これらの複数飛行場について、一元的なターミナル・レーダー管制業務を実施するのが妥当であると考える。

(3)及び(4) 刑事上の責任については、個別の事案ごとに判断さるべきものと考える。しかし、管制は、その時点における態勢に応じ常に安全を考慮して行うものであり、ターミナル・レーダー管制業務の一元化が遅れたことが原因で事故が発生するということは考えられないので、そのことによる刑事責任が問題になることはない。

(5) 通過機は、通常、水平飛行をするが、出発、進入する過程においては、航空路上で上昇、降下が行われることがある。特に大型機の水平飛行高度は高いので、そのケースが多い。

(イ) 上昇時の経路幅

(a) 直線離陸上昇の場合

滑走路末端において三〇〇メートルの幅を有し、それ以降左右一五度のテーパーで広がり三四キロメートルの距離で一八キロメートルの幅に達する。

(b) 旋回離陸上昇の場合

旋回方向及び利用する無線施設の設置位置によりケースは異なつてくるが、飛行場から区域が広がつていき一八キロメートルの幅に達する。

(ロ) 降下時の経路幅

進入区域は、初期進入、中間進入、最終進入の区域から構成される。

(a) 初期進入区域

通常航空路上のフィックスから始まり一八キロメートルの幅を有する。

(b) 中間進入区域

初期進入区域の一八キロメートルの幅が左右一〇度のテーパーで狭まつていきILSのコンパスロケーターにおいて七・四キロメートルになり、以降、狭まりながらアウター・マーカーに達する。アウター・マーカーにおける幅は、その位置によつて異なる。

(c) 最終進入区域

アウター・マーカーにおける幅から狭まつていき、滑走路末端から一、〇六〇メートルの距離で六〇〇メートルの幅になり、以降、六〇〇メートルの幅を保持する。

(6) NDBの精度からみて世界的に広く採用されている基準である。

(7) 成田の離着陸コースの幅は、前記五について(5)に述べた基準に基づいている。

待機空域は、無線標識所上空の場合及び無線標識所の電波交点上空の場合は待機高度によつて、また、VOR電波方位とDME距離を利用したフィックス上空の場合は待機高度と待機ポイントのVORDMEからの距離によつて、伸縮する型をとる。

(8) 航空機の高度計の機械的誤差は、極めて小さくなるよう設計されており、かつ、航空機取付時における個々の機能検査で精度の維持が図られている。また、航空機使用者に対しては、当該航空機の高度計及び静圧系統の点検を定期的に行うよう通達により指示しているので、その精度は十分保持されている。

一方、航空機の離陸上昇又は進入降下中の高度計の指示遅れについては、ごく僅少で問題とはならない。また、航空機の操舵に対する応答の遅れも、僅少であるうえ、旅客機の操縦士は、機種ごとに技能証明を受けており、当該機種の飛行特性並びに操舵反応については、十分慣熟しているので、問題はない。

(9) 航空機の安全間隔の確保は、平面上の分離又は高度上の分離で行われている。通常、平面分離は、航空保安無線施設を利用し、高度分離は、高度計により確保している。

操縦士にとつて、方向と高度を維持することは、初歩的かつ必須の技術であり、操縦士としての基本条件であるので、緊急時における航空機の操作が特に操縦士の負担となるとは考えられない。

六について

(1)及び(2) 航空交通管制の態勢の整備については、航空の安全の一層の確保を指向しつつ、更に、板付飛行場、沖繩における管制の引継ぎ、航空路管制の全面レーダー化等に対処して、その強化を図つてきているところである。

横田飛行場の進入管制エリアについては、従来から遂次当該エリアの縮小等を行うことにより、民間航空機に対する安全かつ円滑な管制業務の実施を図つてきており、現時点において、直ちに、当該進入管制業務を引き継ぐことは予定していない。

(3)及び(4) 要求したことはない。

(5) 空母ミッドウェイの艦載機は、厚木飛行場に移動している。その飛行コース及び高度については、その時の状況に応じて変化するので、一定でない。

七について

(1) 別図二のとおりである。

(2) 違反しない。

(3)及び(4) 昭和四十七年四月二十八日及び昭和四十八年六月二十九日、新東京国際空港公団総裁から運輸大臣あて文書で申請がなされ、それぞれ、昭和四十七年六月二十九日及び昭和四十八年九月四日の文書で承認されている。

(5) 進入燈は、航空機の最終進入時にパイロットに対して滑走路の方向及び位置、自機の姿勢等についての視覚的情報を提供するものである。

本方式は、各燈器の光度、配光及び燈器の配列、色等によつて提供されるパターン的情報内容から判断して、標準型進入燈と同等の機能を有するものと考える。

(6) ICAOの附属書によれば、可能な限り同附属書に定める基準に従うこととされており、同基準によらない施設の設置を容認している。

(7)及び(8) 視覚による航行援助システムの評価は、パイロットが最適であり、この点から世界的に学識経験を認められているIATA及びIFALPAの同意を得ている。

(9) 航空法施行規則第七十九条及び第百十七条については、その他の条項とともに、実情に即するよう昭和四十六年十一月二十五日運輸省令第六十三号により改正されたものである。

(10) 刑事上の責任については、個別の事案ごとに判断されるべきものと考える。しかし、本件進入燈を原因として事故が発生するということは考えられないので、そのことによる刑事責任が問題になることはない。

八について

(1)及び(2) カテゴリーIIの性能は、カテゴリーIに比べて計器進入の精度が高いので、あらゆる気象状態において、定時性が向上されることとなり、結果としてより能率的な運航が可能となる。

(3)から(5)まで 成田における気象観測統計の三か年(昭和四十三、四十四、四十五年)平均によれば、A滑走路に関する横風分力が一三ノットを超える回数は、一・四パーセントである。

A滑走路のみで開港したとき、かかる気象状況の場合、代替空港を利用することになると考えられるが、ICAOでも勧告しているとおり、完全な運用を図るためには横風用滑走路が必要である。

(6) 友納千葉県知事がC滑走路の建設中止を運輸大臣に申し入れた事実はない。

九について

(1) 運輸大臣が設置管理する第一種空港二空港、第二種空港一九空港のうち、障害物件のあるものは、東京国際、大阪国際、函館、新潟、名古屋、広島、高松、福岡、北九州、宮崎の一

〇空港である。

なお、公共用施設の指定のある自衛隊飛行場五飛行場のうち、障害物件のあるものは、札幌、美保、徳島の三飛行場である。

(2) 各空港及び飛行場に係る障害物件の位置及び各表面の上に出る高さは、別表のとおりである。

(3) 障害物件については、所有者と交渉を進める等により極力除去に努めている。

また、安全対策としては、可能なものには障害物件も考慮して航空機の出発進入経路等を定めるとともに、必要に応じ昼間障害標識及び航空障害燈による障害物件の明示並びに航空路誌及びノータムによる関係者への周知等の措置を講じている。

右答弁する。

別表

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×2個別の事案 ×2

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提出 1974年4月9日 金瀬俊雄 答弁 1974年5月17日
衆議院 第72回 第21号検討してまいりたい ×2
提出 1973年12月21日 金瀬俊雄 答弁 1974年1月18日
衆議院 第72回 第5号検討してまいりたい ×2
提出 1975年7月4日 金瀬俊雄 答弁 1975年8月1日
衆議院 第75回 第28号

件名の語が重なる質問主意書

提出 2025年5月20日 松尾 明弘(立憲民主党・無所属) 答弁 2025年5月30日
提出 2020年2月20日 松原 仁(立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム) 答弁 2020年3月3日
衆議院 第201回 第75号承知していない ×2
提出 2019年6月11日 松平 浩一(立憲民主党・無所属フォーラム) 答弁 2019年6月21日
衆議院 第198回 第215号趣旨が明らかではない ×2
提出 2019年2月8日 松原 仁(無所属) 答弁 2019年2月19日

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