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日本銀行の量的・質的緩和が地域金融機関へもたらす影響に関する質問主意書

参議院 第189回 第19号お答えすることは困難 ×3仮定の質問 ×1

提出者
参議院
提出日
2015年2月5日
内閣転送 2015年2月9日
答弁書受領日
2015年2月13日
提出から8日
答弁の項目数
6
質問 1,161字/答弁 1,642字

質問本文

アベノミクスの「第一の矢」とされる、日本銀行の量的・質的緩和により、短期金利のみならず長期金利もゼロパーセントに近い水準となっている。これが地方銀行、第二地方銀行、信用金庫及び信用組合(以下「地域金融機関」という。)の経営に対する圧迫要因となっているとの指摘がある。

この点に関し、以下質問する。

一 平成二十四年三月末、平成二十五年三月末及び平成二十六年三月末のそれぞれの時点で、総資金利ざや(貸出金利等の資金運用利回りから預金金利等の資金調達原価を減じたもの)がマイナスとなった機関数を、地域金融機関のそれぞれの業態別に示されたい。また、本年三月末に、地域金融機関の半期決算等の情報やそれらの機関を取り巻く経営環境から総合的に判断して、総資金利ざやがマイナスとなる機関数が増加傾向にあるか否か、政府の見通しを地域金融機関のそれぞれの業態別に示されたい。

二 中期及び長期の国債の金利が、現状のようにゼロパーセント近傍である水準が長期間にわたり維持されるとすれば、預証率(預金残高に対する有価証券運用残高の割合)の高い地域金融機関の総資金利ざやに、どのような影響を与えるのか、政府の見解を示されたい。

三 日本銀行の量的・質的緩和の継続及び住宅ローンをめぐる金融機関の過剰な競争等により、住宅ローンの貸出金利が大幅に低下していることも総資金利ざやの低下要因と考えるが、政府の見解を示されたい。

四 総資金利ざやの長期的低下、さらにはマイナス化により、地域金融機関の財務内容が悪化し、中小企業への貸出し等、地域金融機関が本来担うべきリスクテイク機能が低下しているとの指摘がある。この点に関し、政府の見解を示されたい。また、地域金融機関のリスクテイク機能が低下している場合、アベノミクスの第一の矢が地方における中小企業金融機能を低下させ、それにより地方創生の可能性を減じているとも考えるが、政府の見解を併せて示されたい。

五 超低金利下における、総資金利ざやの改善と地域金融機関の存続可能性を担保するために、どのような政策が必要と考えるか、政府の見解を示されたい。特に、①マイナスの預金金利(預金手数料等を含む)の導入、②住宅ローンの貸出金利に金利リスク・与信リスクを盛り込んだ適正マージン付与の義務付け、③地域金融機関の統廃合政策の実施の三点の施策に対する政府の見解も併せて示されたい。

六 量的・質的金融緩和の長期化により、地域金融機関の度重なる経営破綻等の金融システム不安が認められた場合、二パーセントの「物価安定の目標」が安定的に持続するために必要な時点以前に、量的・質的金融緩和政策を変更することが望ましいと考えるか、日本銀行の金融機関への考査権限付与の目的との関係を踏まえ、政府の見解を示されたい。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成二十四年三月期、平成二十五年三月期及び平成二十六年三月期において、総資金利ざやがマイナスとなっている地方銀行、第二地方銀行、信用金庫及び信用組合(以下「地域金融機関」という。)の数は次のとおりである。なお、本年三月期の総資金利ざやについては各地域金融機関における今後の貸出し、有価証券の運用状況、調達金利を含めた経費の動向等により変動するため、本年三月期の総資金利ざやがマイナスとなる地域金融機関の数の見込みについてお答えすることは困難である。

平成二十四年三月期

地方銀行 二行

第二地方銀行 一行

信用金庫 十七金庫

信用組合 十二組合

平成二十五年三月期

地方銀行 六行

第二地方銀行 一行

信用金庫 十三金庫

信用組合 十四組合

平成二十六年三月期

地方銀行 四行

第二地方銀行 なし

信用金庫 十二金庫

信用組合 十七組合

二について

お尋ねの中期及び長期の国債の金利が低い状況が長期間継続した場合の総資金利ざやに与える影響については、地域金融機関の貸出しや調達の条件、有価証券の運用状況等により異なることから、一概に申し上げることは困難であるが、一般論として、地域金融機関が保有する国債の債券利息収入が減少することは、地域金融機関の総資金利ざやを縮小させる一つの要因になると考えられる。

三について

住宅ローンの貸出金利は、各金融機関が、市場の動向等を踏まえ、経営判断により決定するものであり、その水準について一概に申し上げることは困難であるが、一般論として、近年の金利水準の低下や金融機関間の貸出競争等により、住宅ローンの貸出金利は低下してきており、これが金融機関の総資金利ざやの低下要因の一つとなっているものと考えられる。

四について

例えば、地域金融機関の自己資本比率は、過去数年間、全体としておおむね同水準を維持しているほか、地方銀行及び第二地方銀行の中小企業向け貸出残高は平成二十五年五月以降前年同月比プラスで推移しており、現時点において、地域金融機関の財務内容が悪化し、「リスクテイク機能が低下している」との御指摘は当たらないものと考えている。

五について

総資金利ざやの改善と地域金融機関の存続可能性については、昨年九月に金融庁が策定・公表した「平成二十六事務年度金融モニタリング基本方針」にもあるとおり、政府は、地域金融機関に対し、取引先企業の事業の内容や成長可能性などを適切に評価した上で、それを踏まえた解決策を検討・提案し、必要な支援等を行うことを促している。こうした取組により、取引先企業の生産性向上や経営改善をもたらすことが、地域金融機関自らの安定的な収益の確保及び健全性の維持・向上につながり、地域金融機関のビジネスモデルの持続可能性を高めることになるものと考えている。

なお、預金金利及び貸出金利については、各地域金融機関が、市場の動向等を踏まえ、経営判断により決定すべきものであることから、一律に、マイナスの預金金利の導入や住宅ローン金利に適正マージン付与を義務付けることは適当ではないと考える。また、地域金融機関の経営統合や再編は、あくまでも各地域金融機関の自主的な経営判断に基づき決定されるべきものと認識している。いずれにせよ、経営環境が変化する中で、地域金融機関自身が、将来にわたって金融仲介機能を円滑に発揮していくための経営戦略を真剣に検討することが重要であると考えている。

六について

お尋ねについては、仮定の御質問であること、また、日本銀行の金融政策運営に関するものであり、日本銀行の自主性を尊重する観点から、お答えすることは差し控えたい。

なお、「日本銀行の金融機関への考査権限付与の目的との関係を踏まえ」とのお尋ねであるが、日本銀行は、日本銀行法(平成九年法律第八十九号)第二条に規定されている「物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資する」ことを理念として、金融政策を行う必要があると考えている。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3仮定の質問 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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