Kurage 質問主意書アシスト

ことばで探す › 参議院 第217回

社会保険料の事業主負担に関する政府見解の整合性に関する再質問主意書

参議院 第217回 第110号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×4

提出者
参議院
提出日
2025年4月30日
内閣転送 2025年5月7日
答弁書受領日
2025年5月13日
提出から13日
答弁の項目数
4
質問 1,233字/答弁 1,713字

質問本文

私が提出した「社会保険料の事業主負担に関する政府見解の整合性に関する質問主意書」(第二百十七回国会質問第二九号)に対する答弁書(内閣参質二一七第二九号。以下「答弁書」という。)では、社会保険料の事業主負担が「「労働者の雇用形態(正規・非正規雇用)に与える影響」及び「企業経営や雇用に与える影響」について、一概に評価することは困難である」と答弁している。しかし、答弁書で根拠として挙げられた「平成十七年度厚生労働科学研究費補助金による「税制と社会保障に関する研究」において行われた、「社会保険料の事業主負担は本当に労働者が負担しているのか?」」(以下「報告書」という。)においては、次のように記載されている。

「社会保険料の事業主負担が、賃金低下や雇用量減少という形で労働者の負担になっているのではないかという主張が本当なのか、先行研究の整理を行った結果、大まかには帰着が起きている事実が確認された。」(報告書百一頁より抜粋。以下「報告書記載内容」という。)

すなわち、答弁書が根拠とする報告書では「大まかには帰着が起きている」と明言しているにもかかわらず、答弁書ではその点に触れず、「一概に評価することは困難である」としていることは、答弁として誠実性に欠け、政策形成の前提に関わる重大な問題であると考える。

また、報告書は平成十七年度のものであり、それ以降の約二十年間に、国内外で多くの実証研究や分析が行われている。それにもかかわらず、答弁書ではそれらの研究や分析等に一切触れていないため、最新の研究や分析結果を政府が認識しないまま議論されていると大いに懸念される。

以上を踏まえ、以下質問する。

一 報告書記載内容を政府は把握していたか示されたい。把握していた場合、その趣旨を答弁書に明記しなかった理由を示されたい。

二 報告書記載内容について、政府は否定していないと解してよいか。政府の見解を明確に示されたい。

三 社会保険料の事業主負担が労働者負担に帰着している可能性があることを前提とした場合、これが賃金水準、雇用調整及び非正規雇用の増加等に及ぼす影響について、政府として新たに評価を行う考えはあるか示されたい。考えがある場合、その具体的な方針を示されたい。考えがない場合、評価を行わない理由を示されたい。

四 平成十七年以降に国内外で行われた、社会保険料の費用負担とその帰着、賃金や雇用への影響に関する実証研究等の根拠資料は様々あると考えられるが、政府としてこれらを把握しているか示されたい。把握している場合、その具体的内容及びその内容に対する政府の見解をそれぞれ示されたい。把握していない場合、把握していない理由及び今後把握する考えがあるか、理由と併せて示されたい。

質問主意書については、答弁書作成にかかる官僚の負担に鑑み、国会法第七十五条第二項の規定に従い答弁を延期した上で、転送から二十一日以内の答弁となっても私としては差し支えない。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「報告書記載内容」については、把握している。

その上で、お尋ねの「理由」については、先の答弁書(令和七年二月二十五日内閣参質二一七第二九号。以下「前回答弁書」という。)一及び三についてにおいて、御指摘の「報告書記載内容」を含むより詳細な「報告書」の「まとめ」を示すこととしたものである。

二について

お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、御指摘の「報告書記載内容」を含む「報告書」は、「社会保険料の事業主負担」に関する「研究や分析結果」の一つと認識しているところ、いずれにせよ、「報告書記載内容」は、「研究」による事実認定に関することであり、政府としてこれに賛否を付す立場にはない。

三について

御指摘の「社会保険料の事業主負担が労働者負担に帰着している可能性があることを前提とした場合、これが賃金水準、雇用調整及び非正規雇用の増加等に及ぼす影響」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、「社会保険料の事業主負担」が雇用に与えるお尋ねの「影響」については、前回答弁書一及び三についてでお答えしたとおり、一概に評価することは困難であるところ、今後とも、必要に応じて情報の収集に努めてまいりたい。

四について

御指摘の「社会保険料の費用負担とその帰着、賃金や雇用への影響に関する実証研究等」の具体的に指し示す範囲が必ずしも明らかではないため、網羅的にお答えすることは困難であるが、例えば、前回答弁書一及び三についてで述べたとおり、令和五年五月十六日に独立行政法人労働政策研究・研修機構が「「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」(企業郵送調査)及び「働き方に関するアンケート調査」(労働者Web調査)結果」(以下「調査結果」という。)を公表しており、これによると、「常用雇用者百一~五百人企業の適用拡大(二千二十二年十月~)への対応状況」について、「要件を満たす短時間労働者(対象者)」が「いる」と回答した企業の割合は七十七・六パーセントとなっており、そのうち、「厚生年金・健康保険の新たな適用に伴う対象者との調整方針」について、「できるだけ、適用する」、「どちらかといえば、適用する」、「中立(短時間労働者の意向にまかせる)」、「どちらかといえば、適用しない」又は「できるだけ、適用しない」と回答した割合は、それぞれ五十五・一パーセント、七・六パーセント、三十四・三パーセント、〇・三パーセント及び〇・五パーセントとなっており、「中立(短時間労働者の意向にまかせる)」、「どちらかといえば、適用しない」及び「できるだけ、適用しない」の合計の割合は、三十五・一パーセントであるところ、それらの企業のうち、「厚生年金・健康保険の新たな適用を回避した(する)理由」について、「人件費の増加につながるから」と回答した割合は十・〇パーセントであったと承知している。また、調査結果によると、「厚生年金・健康保険に加入できる条件の求人の受止め方」として、「厚生年金・健康保険に加入できる条件の求人の魅力度合い」について、「非常に魅力的だと思う」又は「どちらかといえば、魅力的だと思う」と回答した「短時間労働者」の割合は、それぞれ十五・五パーセント及び三十・二パーセントであり、その合計は四十五・七パーセントであった一方、「どちらかといえば、魅力的ではないと思う」又は「まったく魅力的ではないと思う」と回答した割合は、それぞれ十一・六パーセント及び八・五パーセントであり、その合計は二十・一パーセントであったと承知している。また、同機構においては、この他にも同様の調査を実施しており、例えば、平成三十年二月二十三日に「「社会保険の適用拡大への対応状況等に関する調査」(事業所調査)及び「社会保険の適用拡大に伴う働き方の変化等に関する調査」(短時間労働者調査)結果」を公表したと承知している。

その上で、お尋ねの「その内容に対する政府の見解」の意味するところが明らかではないが、政府としては、これらの「内容」について、社会保障審議会年金部会に報告しながら、制度改正等の検討を行ってきたところである。

参議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×4

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

件名の語が重なる質問主意書

この論点で次の質問を書くなら

アシストで並べる