ことばで探す › 衆議院 第145回
航空自衛隊の初等練習機の選定過程に関する再質問主意書
衆議院 第145回 第12号趣旨が明らかではない ×1承知していない ×3
質問本文
平成十一年二月二日、先に提出した「航空自衛隊の初等練習機の選定過程に関する質問主意書」に対し、内閣衆質一四五第三号の答弁書を頂いたが、その文中では、「その様な事実は、(現在のところ、)把握していない。」といった、事実の存否に対する断定を避けた表現が多用されていた。真相究明にあたっての真摯な態度を疑わざるを得ない内容であり、適切な回答とは言い難い。従って、再質問主意書を提出する。
一
1 (試作機を含めて、)次期初等練習機のエンジンについて入札前に調査を行ったことはあるか。行っているとすれば、それは防衛庁が独自に行ったか、それとも富士重工などの業者に委託したか。また、調査の日時、担当者、目的、内容について明確に答えよ。
2 (試作機を含めて、)次期初等練習機のエンジンに関する予算要求を実施したかどうか答えよ。実施しているとすれば、その予算額と内訳を答えよ。
3 一九九九年二月二日の予算委員会の質疑において、野呂田防衛庁長官は「エンジン五十台を一括して発注した。」と発言している。このエンジンは、いつ発注したのか。また、防衛庁と富士重工のいずれが発注したのか。
4 一九九八年五月の説明会開催以降、現在に至るまでの期間、各提案会社との質疑応答等の中で、IRAN方式の採用を実質的に求める旨の口頭又は文書での要求はあったか。
5 一部報道で、航空幕僚監部関係者が入札前、富士重工に「今回の入札は価格が勝負」と助言したとされるが、このことに関する事実関係を答えよ。
6 次期初等練習機に絡み、防衛庁装備局及び航空幕僚監部関係者が中島洋次郎衆院議員から公式・非公式に請託を受けた事実はあるか。その詳細を答えよ。
7 一九九七年夏、ピラタス社から防衛庁に、名古屋空港及び宇部空港でのPC7mkIIの展示飛行への招待がなされたといわれる。私的な見学の場合も含めて、同展示飛行を見学に訪れた防衛庁職員、自衛官の氏名と役職を答えよ。また、その際に、PC7mkIIに対してなされた性能を含む評価の内容を答えよ。
二
1 一九九八年二月末に、T ― 5が海上自衛隊に二機納入されているが、その平成八年度及び九年度の適用経費を一般部門及び技術部門に分離し、それぞれの単位時間当りの労賃(円/MH)を答えよ。また、同機が完成するまでの加工工数を答えよ。
2 前項のT ― 5の、特別割掛費を含まない製造原価を答えよ。また、以下の官給品の内訳価格を答えよ。(エンジン、プロペラ・アッシィスピンナー、UHF無線機、VHF無線機、タカン航法装置、選択識別装置応答機、自動方位測定機、交話機)
3 同様に、T ― 7の特別割掛費を含まない製造原価、及び官給品の内訳価格を答えよ。
4 T ― 5のIRAN(海自でいうPAR)の費用は一回当り四〇〇〇万円位と聞いているが、T ― 7の場合、IRAN一回当りの費用はどの位か、答えよ。
5 T ― 7の「型式証明等又はこれと同等の公的承認」はあるのか、答えよ。
6 T ― 7の一九九七年一二月三一日までの運用実績の飛行実績性能データを答えよ。
7 T ― 7のフラッター及び振動等に関するデータはあるのか、答えよ。
8 本件初等練習機選定に際して、航空幕僚監部において、提案要求書の作成や企業提案書の検討等の実務を担当した、作業メンバーの所属、氏名、役割担当を答えよ。
9 本件初等練習機調達疑惑に対して、防衛庁調査部は調査を開始しているか。もしそうであれば、防衛庁内だけの調査を目的とするか、それとも外部に対しても調査をしているか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
御指摘の入札は機種選定手続と考えられるが、防衛庁において、機種選定手続に入った平成十年四月三十日以前に、現有の初等練習機T ― 3(以下「T ― 3」という。)の後継機のエンジンについて調査を行っていたという事実はない。
一の2について
御指摘の予算要求とは、T ― 3の後継機のエンジンについての調査を目的とした事業を実施するための経費に係る予算要求と考えられるが、防衛庁においてそのような経費について予算要求を行ったことはない。
一の3について
御指摘の防衛庁長官の発言は、T ― 3の後継機の機種選定において富士重工業株式会社から提案のあったT ― 3改(以下「T ― 3改」という。)と海上自衛隊のT ― 5との価格差に関して、この価格差が生じた要因の一つとして、同社がその提案書においてT ― 3改の機体価格を算定するに当たり、製造に必要な台数のエンジンすべてを一括発注することを前提に算定することにより価格の低減を図っていたことを承知している旨を答弁したものである。なお、現時点において同社は、これらのエンジンの発注はしていないと承知している。
一の4について
防衛庁において、航空幕僚監部においてT ― 3の後継機の機種選定業務を担当したすべての者から聴取したところ、御指摘の期間において提案会社に対してIRAN(航空機の機体の整備を一定の間隔で集中して行うことをいう。)方式の採用を口頭又は文書で要請したと回答した者はなく、御指摘のような事実は把握していない。
一の5について
防衛庁において、航空幕僚監部においてT ― 3の後継機の機種選定業務を担当したすべての者から聴取したところ、御指摘のような助言を行ったと回答した者はなく、御指摘のような事実は把握していない。
一の6について
防衛庁において、御指摘の装備局及び航空幕僚監部においてT ― 3の後継機の機種選定業務を担当したすべての者から聴取したところ、御指摘のような請託を受けたと回答した者はなく、御指摘のような事実は把握していない。
一の7について
防衛庁において、航空幕僚監部においてT ― 3の後継機の機種選定業務を担当したすべての者から聴取したところ、これらの者のうち航空幕僚監部防衛部防衛課の幹部職員に対し丸紅株式会社から名古屋空港の展示飛行の案内状が送付されたことは確認したが、宇部空港の展示飛行の案内状が送付されたことは確認できなかった。また、これらの者から聴取したところ、名古屋空港及び宇部空港の展示飛行に、御指摘の私的な見学も含めて、参加していない旨の回答を得たところである。
二の1及び2について
一般的に、国が行う契約においてその価格の積算内訳を明らかにすることは、その後の契約において国側が不利となることも予測されることから、お尋ねの単位時間当たりの労賃(円/MH)、加工工数及び特別割掛費を含まない製造原価について、お答えすることは差し控えたい。
また、お尋ねのT ― 5に搭載する官給品の契約における単価については、エンジンが約三千七百七十万円、プロペラ(スピンナを含む。)が約四百四十万円、地上無線機(UHF無線機)が約七百十万円、VHF無線機が約五百十万円、タカン航法装置が約千五百十万円、選択識別装置応答機が約二百七十万円、自動方位測定機が約四百万円及び交話機が約百七十万円である。
二の3及び4について
お尋ねの製造原価、官給品の価格及びIRANの費用は、富士重工業株式会社が作成したT ― 3改の提案書の内容に関するものと考えられるが、当該提案書には、防衛庁が提案書の内容を機種選定における評価以外のために使用する場合には、同社の事前の許諾を必要とする旨が記載されており、お尋ねの部分については許諾を得られなかったので、答弁を差し控えたい。
二の5について
御指摘の「型式証明等又はこれと同等の公的承認」は、T ― 3の後継機の候補機種の提案要求書(提案書の記載事項を示した文書)の項目名であると考えられるが、T ― 3の後継機としてT ― 7の呼称で平成十一年度の概算要求に調達経費を計上したT ― 3改について富士重工業株式会社が作成した提案書においては、当該項目について、T ― 3改の原型機であるT ― 3及びその派生型であるT ― 5が防衛庁の部隊使用承認を受けており、T ― 3改と同形態の機体であるKM ― 2D(タンデム)型及びその原型機に当たるKM ― 2D型について航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第十条第一項の耐空証明を受けている旨が記載されている。
なお、T ― 3改は、航空法第十二条第一項の型式証明及び同法第十条第一項の耐空証明を受けていない。
二の6について
お尋ねのデータは、富士重工業株式会社が作成したT ― 3改の提案書の内容に関するものと考えられるが、当該提案書には、防衛庁が提案書の内容を機種選定における評価以外のために使用する場合には、同社の事前の許諾を必要とする旨が記載されており、お尋ねの部分については許諾を得られなかったので、答弁を差し控えたい。
二の7について
T ― 3の後継機としてT ― 7の呼称で平成十一年度の概算要求に調達経費を計上したT ― 3改の御指摘の事項に関するデータについては、富士重工業株式会社が作成したT ― 3改の提案書においては、KM ― 2D(タンデム)型を飛行に供することにより得られたデータが記載されているところである。
二の8について
T ― 3の後継機の機種選定手続に関し、航空幕僚監部において、提案要求書の作成の実務を担当した者は、作業の責任者とされた装備部長(津曲義光)のほか、人事教育部、防衛部、装備部、技術部及び監察官の各部等の職員であり、また、提案書の評価の実務を担当した者は、作業の責任者とされた防衛部長(吉田正)のほか、監理部、人事教育部、防衛部、装備部、技術部、監察官及び首席衛生官の各部等の職員であり、それぞれの者はその所属する部等の所掌事務の観点から当該作業を担当したものである。
二の9について
御指摘の疑惑が具体的に何を指すのかは必ずしも明らかではないが、防衛庁においては、先の質問主意書(平成十一年一月二十二日提出質問第三号)及び本再質問主意書において御質問のあった事項については、所要の調査、確認を実施の上答弁したところである。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。