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BSE問題に関する質問主意書
衆議院 第163回 第43号承知していない ×2
質問本文
米国産牛肉のわが国への輸入が年内にも再開される、ということが報道されている。食品安全委員会のプリオン専門調査会では「米国・カナダの輸出プログラムにより管理された牛肉・内臓を摂取する場合と、我が国の牛に由来する牛肉・内臓を摂取する場合のリスクの同等性に係る評価」について議論が行われているが、これも十一月十六日に予定されている日米首脳会談までには結論が出る、と同じように報道されている。
しかし、BSE問題には不明な点が数多くあり、プリオン専門調査会の議論でも資料・データの不足、未検討部分が少なからず残されている。国民の健康に重大な影響のある食品の安全性について、科学的知見に基づいて、客観的かつ中立公正に行われるべき、食品安全委員会の議論が、日米両国政府の政治的判断によって左右されることがあってはならないのは当然であるが、事態は重大な局面を迎えている。
よって、以下の通り質問する。
一 日本と米国のBSE対策について
(1) 平成十四年のBSE対策特別措置法制定以来、わが国のBSE対策は
�@ と畜場での検査(全頭検査)
�A 厳格な飼料規制
�B 特定危険部位(SRM)の除去
�C トレーサビリティーの確立
の四本柱を中心に行われてきた。今後ともこの四本柱を中心に、これらをさらに充実・強化して、わが国からBSEを根絶することが政府の方針であると理解してよいか。政府の見解を求める。
(2) 一方、米国のBSE対策の現状はどうなっていると政府は認識しているのか。
四本柱のそれぞれについて、米国と日本の対策の実情を比較し、米国のBSE対策が、BSEの蔓延防止と根絶のために日本の対策と同等、あるいは同等以上の有効性を持っていると認識しているのか。四本柱のそれぞれについて政府の見解を求める。
二 米国の飼料規制について
米国の飼料規制が、BSEの蔓延防止のためには、非常に不十分であると、多くの専門家が指摘している。
(1) 米国では牛由来の肉骨粉を牛に与えることは禁止されているが、これを豚や鶏に与えることは禁止されていない。また、鶏糞や鶏舎のごみ(チキンリッター)を牛の飼料とすることが許可されている。毎年一〇〇万トンの鶏糞が牛に与えられているが、鶏舎の床などからかき集めるために、この中に肉骨粉入りの飼料が混入している可能性が大きい。米国食品医薬品局(FDA)のクロフォード長官代理は、肉骨粉の鶏糞への混入率を三〇%程度と見積もっている(米国化学会発行Chemical & Engineering News August4.2003 Volume81,Number 31 CENEAR 8131 pp.22−24 ISSN 0009−2347)。この情報の事実確認の上、このことが米国でのBSE蔓延のリスクを増幅させること、また米国産牛肉のリスクを増大させることはないのか、政府の見解を求める。
(2) 食品安全委員会プリオン専門調査会は(1)の情報を承知しているか。政府の答弁を求める。このリスクについて専門調査会で検討するべきだと思うが、政府は事実確認された(1)の情報を専門調査会に提出すべきではないか。答弁を求める。
(3) 食品安全委員会プリオン専門調査会は、上記に加え、複数の委員が「鶏や豚に与えられた異常プリオン蛋白質は排出される=糞となる」と調査会以外の場で見解を述べているが、調査会では議論されていない。そのことについて専門調査会において(1)とともに検討するべきだと思うが、政府の見解を求める。
(4) 米国のレンダリング(牛、豚、ニワトリの解体残物を熱処理し肉骨粉などへ加工すること)業界団体であるNational Renderers Associationが発表した二〇〇五年四月のマンスリーレポートによれば、二〇〇四年度に牛のSRM(特定危険部位)が肉骨粉に一六万トン、動物性油脂に一六万トン混入している、と報告されている。この情報を事実確認の上、このことが米国でのBSEの蔓延リスクを増幅させること、また米国産牛肉のリスクを増大させることはないのか、政府の見解を求める。
(5) 食品安全委員会プリオン専門調査会は(4)の情報を承知しているか。政府の答弁を求める。このリスクについて専門調査会で検討するべきだと思うが、政府は事実確認された(4)の情報を専門調査会に提出すべきではないか。答弁を求める。
(6) 米国では牛のSRM由来の動物性油脂や牛の血漿たん白を代用乳などの形で牛の飼料とすることが認められている。この事実を確認の上、このことが米国でのBSEの蔓延のリスクを増幅させること、また米国産牛肉のリスクを増大させることはないのか、政府の見解を求める。
(7) 食品安全委員会プリオン専門調査会は、(6)の事実を承知しているか。政府の答弁を求める。このリスクについて専門調査会で検討するべきだと思うが、政府は事実確認された(6)の情報を専門調査会に提出すべきではないか。答弁を求める。
(8) 米国ではミンク脳症(TME)や狂鹿病(CWD)が発生しているが、そのミンクや鹿がレンダリングサイクルの中に混入し、肉骨粉となって鶏糞やチキンリッターを介して、牛に与えられ、あるいは動物性油脂となって牛に与えられている。また動物性油脂は液体で安定が悪いため、油と不純物が分離し、一部の油脂において不純物が規制濃度より高濃度となることが飼料の専門家から指摘されている。これらを事実確認の上、このことが米国でのBSE蔓延のリスクを増幅させること、また米国産牛肉のリスクを増大させることはないのか、政府の見解を求める。
(9) 食品安全委員会プリオン専門調査会は、(8)の事実を承知しているか。政府の答弁を求める。このリスクについて専門調査会で検討すべきだと思うが、政府は事実確認された(8)の情報を専門調査会に提出すべきではないか。答弁を求める。
(10) わが国は家畜飼料や肥料などを米国からの輸入に頼っているが、米国でBSEの飼料規制が不十分であるが故に、わが国へ輸出される飼料や肥料が汚染される可能性がある。現に国内外問わず、米国産の植物性の輸入飼料などから、動物の骨などが検出されている。国内家畜防疫などの観点からも、米国への飼料規制への提言を行うべきだと思うが、政府の見解を求める。
(11) 食品安全委員会プリオン専門調査会は、(10)の事実に関し、国内家畜防疫の観点からもこのリスクについて検討すべきだと思うが、政府はこの(10)の事実についての資料を専門調査会に提出すべきではないか。答弁を求める。
(12) SRM除去が完全に行えないことは、平成十七年五月二十日の米国産牛肉等のリスク管理措置に関する意見交換会にて、厚生労働省医薬食品局外口食品安全部長が指摘しているが、牛は一�rの脳、サルは五〇�rの脳ジュースという微量の病原体で経口感染したという報告がある。�r単位でSRM除去を行うことはまず無理と考えるが、五月の食品安全委員会答申およびWHOの勧告と合わせ、米国の規制で国民の安全を確保できると考えるのか、政府の見解を求める。
(13) 食品安全委員会プリオン専門調査会は、米国牛の安全性評価において、動物油脂について、輸入牛脂のみの侵入評価のみを行い、米国国内で、交差汚染も含め、規制のない牛や鹿などの動物油脂、血漿蛋白飼料リサイクル、つまり感染性増幅をリスク評価に含めていない。米国内でレンダリングによって製造された動物性油脂の科学的な検査をした上で、その資料を専門調査会に提出すべきではないか。政府の答弁を求める。今後、血液から異常プリオン蛋白質が検出できるようになるという報告がなされ、尿の汚染の論文も先日発表された。牛がたった一�rの危険部位でも経口感染することが科学的に判明した現在、油脂、および血漿たん白の実態調査を行い、リスクをもっと考慮すべきと考えるが、政府の見解を求める。また、たたき台の米国内での増幅リスク試算において、EFSA(欧州食品安全庁)のWorking Group report on the Assessment of the Geographical BSE−Risk(GBR)of UNITED STATES OF AMERICA,2004に掲載されているレンダリング工程の実態と評価、「米国のレンダリング工程は大気圧の下で(つまり加圧することなく)加工しているから、BSE感染性が工程に入れば、これを大きく減らすとは考えられない。」「レンダリング産業は感染性を減らすとは立証されない工程で操業している。従って、レンダリングは『不合格』だったし、今も『不合格』」という評価を無視し、「通常のレンダリングでは感染価は約一\一〇〇に減少する」とする試算の科学的根拠はないと国会でも答弁されている。政府がEFSA(欧州食品安全庁)の米国レンダリング工程についての資料を専門調査会に提出したにもかかわらず、それらを無視して試算が行われていることについて、政府の答弁を求める。
三 米国におけるクロイツフェルト・ヤコブ病の発生および公衆衛生について
(1) 米国ニュージャージー州やアイダホ州など各地でクロイツフェルト・ヤコブ病の集団発生が報道されている。この件に関して、政府は、米国当局に対して事実確認を行ったのか。答弁を求める。政府は、これらの症例がBSE由来の変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(vCJD)ではないとの確信を持っているのか。政府の見解を求める。
(2) 英国では、vCJDを発症した患者が潜伏期間中に献血を行って、それが血液製剤となって、数千人に対して警告が発せられた事例がある。米国でも、vCJDの患者が一例出ているが、米国でvCJDの症例が出た場合、HIVやHCVなどと異なり、感染血液をスクリーニングする科学技術は現時点で開発されていないが、その患者の血液が、血液製剤などによって、わが国に輸入されるリスクについて、政府の見解を求める。また、そのような事例が発生した場合は、政府はどのような対策をとるのか、答弁を求める。
(3) 米国では昨年、二六名の鹿のハンターがプリオン病にかかっていた事例が報告されている。これらの症例について、政府は米国当局に対して事実確認を行ったのか。答弁を求める。政府はこれらの症例がvCJDあるいは鹿由来の感染性プリオン病ではないことの確信を持っているのか。政府の見解を求める。また、鹿などが混入したレンダリング副産物の油脂や肉エキスが直接ヒトの食用となっていることはないのか、ヒトへの直接のリスクを増大させることはないのか、それらがわが国に輸入されていないかについても政府は確認をすべきと考えるが、見解を求める。
(4) 食品安全委員会プリオン専門調査会は、(3)の事実を承知しているか。政府の答弁を求める。このリスクについて専門調査会で検討すべきだと思うが、政府は事実確認された(3)の情報を専門調査会に提出すべきではないか。答弁を求める。
(5) 食品安全委員会プリオン専門調査会は、米国におけるCWDの発生、蔓延の状況をどのように把握しているのか。政府の答弁を求める。米国にCWDが蔓延しているとすれば、そのことと米国におけるBSEの状況との関係をどのように考えているのか。政府の見解を求める。
(6) わが国では、ヒト胎盤由来製剤(プラセンタ)など、ヒト由来の特定生物由来製品が美容目的で多く使用されている状況があるが、ヒト由来のプラセンタやコラーゲンなどが米国から輸入されている(個人輸入も含めて)実態、および使用者からの献血規制がなされていないことを政府は承知しているか。答弁を求める。米国で、vCJD患者が発生した場合、プラセンタやコラーゲンほか、ヒト由来の特定生物由来製品を介したわが国へのvCJD感染のリスクと対策について、政府の見解を求める。
(7) 今年一月に承認された、抗リウマチ薬エンブレルについて、牛由来血清を使用して製造されるため、クロイツフェルト・ヤコブ病患者との因果関係が問題とされたにもかかわらず、早期に販売が許可された経緯と理由について、答弁を求める。上記患者は脳の解剖検査を行ったのか。また、厚生労働省告示の生物由来原料基準によれば、米国産の反芻動物由来の血清を医薬品の原料に用いることはできないことになっているのに、米国産仔牛の血清を用いるエンブレルが承認されたのは何故か、答弁を求める。このような事例が他にもあるかどうかについて、また、いつまでに是正させるのか、あわせて答弁を求める。
(8) わが国の歯科の院内感染対策については、歯を削るエアータービンを五〇%の歯科が患者ごとに交換していないなどの問題点が指摘されている。
わが国でvCJD患者が増えた場合、異常プリオンが蓄積される盲腸(虫垂)角膜の手術や扁桃、脳や脊髄など、危険部位の手術に用いる器具などの滅菌消毒や使い捨てについては、英国同様、特別な対策がかかり、それには相応の費用がかかると考えられる。また、血液製剤については他国と比較しても使用量が多いとされる。政府に対し、それらの対策、見解を求める。
(9) vCJDは場合によっては数十年潜伏する性質のものでありながら、現状の発症者数のみで安全性が語られている場合が多いが、ここ一年間の間に、虫垂(盲腸)を用いた調査で、英国でも三八〇〇名の異常プリオン蛋白質の保有者がいることが推計された。わが国には当時の発生国滞在者が多数いるが、保有者より医療行為を通じて感染が広がる可能性も否定できない。すでに英国では死亡者として確認されている一五〇幾人の他に、上記の三八〇〇名、血液製剤によるリスクを担わされた六〇〇〇名に影響が及んでいる。また、汚染の可能性がある血液製剤は世界各国に輸出されている。BSE問題は、これら重大な公衆衛生の問題に発展する可能性があるが、これらについての政府の認識と対策について見解を求める。
四 わが国のBSE感染源の解明と代用乳について
(1) 平成十五年九月の農林水産省のBSE疫学検討チームによる「牛海綿状脳症(BSE)の感染源及び感染経路の調査について」では、わが国のBSE感染源として代用乳が否定された形になっているが、なお代用乳が感染源とする専門家の有力な意見も存在する。わが国のBSEの感染源は代用乳ではないのか。あらためて、政府の見解を求める。
(2) わが国のBSE感染牛二〇頭のうち、平成七年十二月から平成八年八月までの八ヶ月間に生まれた最初のグループ一三頭の全てが、代用乳ミルフードAスーパー(北海道での商品名)かピュアミルク(主に関東での商品名)を摂取していた。したがって、BSE病原が全農の一〇〇%子会社である株式会社科学飼料研究所の高崎工場での一定時期に製造された代用乳製品に存在したと考えるのが妥当な見方と考えるが、これについて政府の見解を求める。
(3) 代用乳中の動物性油脂や血漿たん白が感染源となり得るとすれば、油脂および血漿たん白の飼料使用に何ら規制のない米国牛の安全性評価に大きく関わる問題となる。食品安全委員会プリオン専門調査会では、アメリカ国内でSRM由来の動物性油脂と血漿たん白を代用乳などで牛が摂取するリスクについて、当然検討するべきだと思うが、政府はこの点について専門調査会に資料を提出すべきではないか。答弁を求める。
(4) (1)のBSE調査報告書では、一頭の牛から肉骨粉が六五�s、脂肪(ファンシータロー)四五.五�s、と畜場で分離される内臓脂肪(イエローグリース)一三.五�sがとれると仮定しているが、この数字の根拠は何か。答弁を求める。日本の実測値によると、一頭の牛からは、枝肉から分離されるファンシータローは五〇�s、イエローグリースは五〇�s程度となっている。イエローグリースのタンパク不純物を一%とすると〇.五�sとなり、肉骨粉六五�sは五〇%のタンパクを含むとすると三二.五�sとなるので、肉骨粉はイエローグリースの六五倍のタンパクをもつことになる。本年十月十九日の衆議院内閣委員会で、食品安全委員会プリオン専門調査会吉川座長は、動物性油脂の中のタンパクと肉骨粉のタンパク量は一〇〇〇倍以上の違いがあると答弁されたが、この点について事実確認をすべきではないのか、また、イエローグリース中のタンパク不純物の危険性についての政府の見解を求める。
(5) 農林水産省は新たに「牛海綿状脳症(BSE)感染源と感染経路に関する調査」を行うということであるが、前回の調査報告の中心人物であった、食品安全委員会プリオン専門調査会の吉川座長を、ここでも座長に任命した。これでは、結局前回と同じ結果しか出てこないのではないかと危惧されるが、吉川氏の任命の経緯と新たな調査の意義について、答弁を求める。
五 食品安全委員会の中立公正について
(1) 食品安全委員会リスクコミュニケーション専門調査会座長代理および動物医薬品・肥料・飼料等合同専門調査会座長唐木英明氏に対し、消費者団体:食の安全・市民監視委員会より罷免請求が提出された。唐木英明氏はリスクコミュニケーション専門調査会委員でありながら、直接利害にかかわる米国食肉輸出連合会の米国牛の安全パンフレットの監修を食品安全委員会専門委員の肩書を使用して行い、過去、米国食肉輸出連合会のポーク販売のPR事務局で使用されていたFAX番号と同一の番号を持つ事務局(電通PR社の住所)にて、「食の安全・安心を考える会」という団体の設立発起人として、米国食肉輸出連合会のほか、日本フードサービス協会加盟企業など多くの外食・輸入・米国牛関連企業が協賛したシンポジウムの開催を行っている。中立公正を求められる食品安全委員会の評価に係る専門委員でありながら、一方で米国産牛肉の輸入再開のPR活動の先頭に立つことは、国民に食品安全委員会の中立公正さに疑念を生じさせることになると思うが、政府の見解を求める。
(2) 米国食肉輸出連合会や日本フードサービス協会加盟企業などの米国産牛肉輸入に利害関係をもつ企業・団体から報酬を受けていた場合、また「食の安全・安心を考える会」という団体で設立発起人という役職をもつ唐木氏は、平成十五年十月に食品安全委員会で決定された「食品安全委員会における調査審議方法等について」の中の第三項の「利害関係を有する委員又は専門委員」に該当するのではないか。政府の見解を求める。
(3) 本年十月十九日の衆議院内閣委員会の答弁で、寺田委員長は唐木氏について「リスクコミュニケーションの中にいろいろなステークホルダーの方がいらっしゃるわけですね。・・・多分どこかでセミナーをしても報酬を伴っておると思います。そういうことまで全部ブロックしちゃうと、結局、国民全体をあらわす人は集まってこれなくなっちゃいますので、そういうことで、僕はぎりぎりだけどもお許し願いたいと前に申し上げましたし、その旨、唐木先生にも、きちっと誤解を招かないようにやってくださいよと、そこが精いっぱいでございます」と述べられて、唐木氏がステークホルダー(利害関係者)であることを認めている。しかし唐木氏は、リスクコミュニケーション専門調査会にステークホルダーではなく、中立公正を求められる評価に係る専門委員として参加している。食品安全委員会は、唐木専門委員について適切な措置をとるべきであると思うが、政府の見解を求める。
六 コンプライアンス・表示・消費者の選択について
(1) 近年、食の不祥事、不正行為が後を絶たず、厳しい罰則を設けなければ、そのリスク管理遵守がなかなかなされない現実がある。遵守がなされなければ、リスクは飛躍的に増大する。食の安全を一番に脅かすそれら不正行為の防止についてはどのような対策を考えているか。政府の具体的な見解を求める。
(2) 米国牛肉および内臓の輸入が再開された場合、外食や加工品などに表示義務がないため、国民の選択が出来ない状況にある。国民の選択を可能にするための詳細な表示およびJAS法の改正が必要であると考えるが、政府の具体的な対策および見解を求める。
(3) 「個人の選択」について、いざ輸入が再開されれば、外食や加工品については表示義務もなく、消費者が選択できる状況にない。また、判断能力が成長途中の幼児・子どもが選択できるはずもなく、給食などによっても知らず知らずに多くの国民が口にすることになるが、それについての対策をどうするのか。答弁を求める。さらに、BSEは公衆衛生の問題でもある。病院や歯科、内視鏡などの検査、輸血や血液製剤で感染するとなれば、それは個人で選択できず、自己責任で済む問題ではない。これらの問題に関し、政府に対し、対策と見解を求める。
(4) 学校給食においては、個人の選択ができないこと、その年齢から判断ができないこと、および国産牛や、よりリスクの低い国と比べ、より病気が感染しやすい子どもたちに感染牛の混入が多いと考えられる米国牛を提供することはWHOの、感染牛はそのすべての組織において食物連鎖に入れるべきでないとする勧告、および、予防原則の上で問題であると考えるが、政府の対策と見解を求める。
七 BSE感染牛と食肉加工上の労働安全と舌扁桃除去について
(1) BSEの感染ルートは経口だけではなく、粘膜や傷口などからの接触ルートもある。消費者の口に入るまでの食肉加工の段階で多くの労働者や販売者、消費者が病原体に接触、曝露されるが、飼料管理に不備があり感染牛が増加するほど、病原体へのヒトの接触曝露機会は増加し、危険が増す現実がある。米国は飼料管理がずさんなため、BSEが急速に拡大する恐れがEUなどから指摘されている。実験室ではBSE牛の解剖は完全防備で行い、肉骨粉保管についても防塵マスクを着用し、完全防備で行う国もある。また、SRM除去が完全に行えないことは、前述にあるように、平成十七年五月二十日の米国産牛肉等のリスク管理措置に関する意見交換会にて、厚生労働省医薬食品局の外口食品安全部長が指摘しているが、それを踏まえて、わが国民の食肉加工上の安全の問題について、政府の対策と見解を求める。
(2) 食品安全委員会プリオン専門調査会に対し、本年五月、「我が国における牛海綿状脳症(BSE)対策に係る食品健康影響評価」答申が提出される前の一月および四月に、日本生活協同組合連合会が、SRM除去における重要な指摘「(我が国の)舌扁桃の除去がなされていない点」などについて、申し入れを行ったが、それら審議にかかわる重要な問題点が、公開審議の場で討議されたり、公開審議の場で、要請書が配布されることはなかった。これらの重要な情報について、政府はこの問題を把握しているのか。この重要な問題が討議されず、答申にも反映されなかったのはなぜか。政府の見解を求める。
八 第三国経由での病原体の拡散について
(1) 一�rの脳でも牛を経口感染させ、五〇�rの脳でもサルを経口感染させるBSEという病気は、飼料規制など病原体管理を徹底しなければ、病原体が牛の体内でますます増産され、分解が難しいために環境の汚染を増加させる。発生国の米国から、飼料や肥料などに含まれ、輸出により世界に拡散し、第三国ルートでわが国に到達する可能性がある。病原体のルートとして、汚染飼料で生産された食品や、飼料、肥料、医薬品などとしてわが国に到達するほか、海外旅行など人の移動を通してわが国民を感染させることが考えられる。それらもまた、米国牛からの曝露リスクとなるが、政府として、それらにどう対策を取るのか。政府の答弁を求める。
(2) BSE/vCJD問題は、ヒトや動物、食品に国境がないことを考えると、わが国だけでは対処できない。今回、輸入分だけの安全評価を行い、それを確保できたとしても、このグローバル社会では国民の安全確保に対応していないと考える。わが国が米国全体のBSE対策改善を提言せず、輸入牛の安全性だけに限定した評価を行うことは、公衆衛生上の拡大防止対策には何の意味も持たないと考える。米国の不備のあるBSE対策を放置することで、病原体が増殖、長期に渡りわが国や世界の環境と食品を汚染することについて、政府に対し見解を求める。またグローバルな公衆衛生の見地から、米国の不十分なBSE対策、特に飼料規制の改善を提言すべきであると思うが、政府の見解を求める。
(3) 米国や中国から、動物油脂や肉エキスが輸入されているが、それらの安全性の検証方法はどうなっているのか。それらにBSE病原体の混入や、鹿や他の動物、および死亡動物などが含まれている可能性はないのか。食品を包むラップ材や、家畜衛生のための薬剤など、食品原料以外の物質が含まれる余地はないのか。それらの検査はどのように、どのような頻度で行われているのか。政府に対し、事実確認のうえ、政府の見解を明らかにし、対策についての答弁を求める。
九 輸出プログラムの輸出再開前の渡米確認検査について
(1) 厚生労働省と農林水産省により、米国で未実施の規制が完全に遵守されることを前提に、食品安全委員会において米国牛肉および内臓の安全性評価が行われているが、輸出再開以前に、対象工場における具体的な完全遵守の確認方法や、SRM除去率などの科学的キットを用いた調査結果、調査人員、予算、確認頻度などを渡米して確認すべきだと思うが、政府の見解を求める。また、完全遵守にはマニュアル策定や定期検査のスケジュール策定や抜き打ち検査なども必要と考えるが、それら具体的計画について答弁を求める。
(2) また、月齢確認や危険部位除去などについて、米国ではすべて民間に任せており、農務省の獣医はたまに見る程度で、日本のように公の機関が検査に介在していないという指摘があるが、それについての政府の対策と見解について答弁を求める。
(3) 米国のSRM除去について、背根神経節や扁桃、小腸など、全ての危険部位の具体的な除去方法はどうなっているのか。政府に対し、SRM除去法の詳細マニュアルの内容を明らかにしたうえで、政府の対策と見解について答弁を求める。
(4) SRM除去について、除去が確実になされていることを証明するために、科学的な中枢神経組織の付着検査キットを用いて日本の食肉加工場においても検査が行われているが、EUでもかなりの頻度で科学的に調査をし、公表をしている。米国牛において、SRMの確実な除去を担保するための科学的調査について、政府の対策の答弁を求める。
(5) SRM除去の方法について、二〇〇五年五月二十日の意見交換会で、BSE検査にかかわる現場から「背割り後に脊髄を吸引しその後高圧洗浄をすると汚染が広がるのではないか」という指摘がなされた。この指摘についての見解と対策について答弁を求める。
(6) 米国の食肉加工場やレンダリング工場は、日本の消費者に対して殆ど公開がなされず、安全性の告発も続いているため、多くの国民が不信を抱いている。日本に輸出を行う企業に対しては消費者やメディアへの工場の公開を国として要請すべきと考えるが、政府に対し、見解を求める。
(7) 米国牛がメキシコを経由して日本に輸出されているという指摘がなされているが、そのような違反があるとすれば、輸入再開の規制管理遵守について、根底からその信頼が覆されると考える。政府に対し、事実確認の上、対策と答弁を求める。
十 政府の諮問、および日米協議の内容について
食品安全委員会の本年五月の答申書に記載されている、「基本的には背景に予想されるBSEの汚染度、と畜場における検査でのBSE陽性牛の排除、安全なと畜解体法とSRMの除去などの効率について評価し、二〇〇五年三月の時点での若齢牛のリスク等を総合的に評価したものである。このような様々な背景リスクから切り離して年齢のみによる評価を行ったものではない。」という見解にもかかわらず、二〇ヶ月齢以下の米国牛と国内牛の肉と内臓の同等の安全性評価を求める政府の諮問の仕方、「飼料管理の有効性を諮問事項としない」などとまでコメントしていた農林水産省側の見解は、食品安全委員会の科学的知見に基づく、客観的かつ中立公正な議論を妨げるものである。政府は、ほとんどの専門家の一致した見解である、日本と比べて非常に不十分な米国の飼料規制で改善されることのないままに米国産牛肉の輸入再開を行うつもりなのか。政府の明確な答弁を求める。
右質問する。
政府答弁書
一の(1)について
我が国においては、牛海綿状脳症(以下「BSE」という。)対策として、牛肉の安全性を確保する観点から、と畜場におけるBSEに係る検査及び異常プリオンたん白質の蓄積部位である特定危険部位(以下「SRM」という。)の除去を実施しているほか、BSEのまん延を防止する観点から、反すう動物に対する反すう動物由来たん白質を含む飼料の使用の規制措置並びに牛の個体の識別のための情報の適正な管理及び伝達に関する措置を実施している。今後とも、BSE対策について、科学的知見に基づき、所要の措置を講じてまいりたい。
一の(2)について
BSEに係る検査については、米国ではBSEの高リスク牛を対象に実施されているが、我が国では、これに加え、と畜場に搬入される牛を対象に実施している。飼料規制については、我が国では、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律(昭和二十八年法律第三十五号)に基づく飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令(昭和五十一年農林省令第三十五号)において、ほ乳動物由来たん白質は家畜等を対象とする飼料に含んではならないこと等の基準を定め、こうした基準に合わない方法により飼料を製造し、又は使用すること等を禁止しているのに対し、米国では、原則としてほ乳動物由来たん白質を反すう動物に与えることを法律で禁止しているものの、ほ乳動物由来たん白質を反すう動物以外の動物に与えることは禁止していない。SRMの除去については、我が国ではすべての牛を対象としているが、米国では月齢三十月以上の牛を対象としている。我が国では、牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法(平成十五年法律第七十二号)に基づき、牛の個体の識別のための情報の適正な管理及び伝達に関する措置を講じているが、米国では、このような制度はない。
このように我が国と米国のBSE対策には相違があるが、両国において、それぞれの国内におけるBSEの発生状況や畜産業の実情等を踏まえ適切と判断される措置を実施していると考えている。
二の(1)、(4)、(6)、(8)及び(12)並びに十について
BSEに関する現在の米国の国内における規制及び平成十六年十月二十一日から二十三日までに開催された第四回日米局長級協議を踏まえ米国政府より提示された日本向け輸出プログラム案により管理された米国から輸入される牛肉及び牛の内臓(以下「牛肉等」という。)を食品として摂取する場合と我が国でとさつ解体して流通している牛肉等を食品として摂取する場合のBSEに関するリスクの同等性に係る食品安全基本法(平成十五年法律第四十八号)第十一条第一項に規定する食品健康影響評価について、食品安全委員会が検討を行っているところであり、現時点において、米国産牛肉等の輸入を再開するか否か、また、再開する場合において当該牛肉等を食品として摂取するときのBSEに関するリスクについて、お答えすることはできない。
二の(2)、(3)、(5)、(7)、(9)及び(13)、三の(4)及び(5)並びに四の(3)について
米国において、御指摘の、牛由来の肉骨粉、動物性油脂及び血漿たん白質を豚及び鶏に与えることは禁止されていないこと、養鶏残渣及び鶏ふんを牛に与えることは禁止されておらず、肉骨粉入りの飼料が混入している可能性があること、豚及び鶏に与えられた異常プリオンたん白質はふんとして排出され、それが牛に与えられる可能性があること、牛のSRM由来の肉骨粉及び動物性油脂が生産されていること、牛のSRM由来動物性油脂及び血漿たん白質を原材料とした飼料が牛に与えられる可能性があること、伝達性ミンク脳症及びシカの慢性消耗病の発生状況、それらの疾病に罹患したミンク及びシカがレンダリングされ、牛に飼料として与えられる可能性並びにシカの摂取歴のあるクロイツフェルト・ヤコブ病(以下「CJD」という。)患者が存在することについては、食品安全委員会プリオン専門調査会(以下「プリオン専門調査会」という。)において調査審議が行われている。また、プリオン専門調査会が取りまとめた「「米国・カナダの輸出プログラムにより管理された牛肉・内臓を摂取する場合と、我が国の牛に由来する牛肉・内臓を摂取する場合のリスクの同等性」に係る食品健康影響評価について(案)」(以下「評価結果案」という。)において、養鶏残渣、鶏ふん、牛のSRM由来の肉骨粉及び動物性油脂、伝達性ミンク脳症並びにシカの慢性消耗病のBSEリスクについて検討されたことが記述されている。
御指摘の「たたき台の米国内での増幅リスク試算」については、交差汚染によるBSEの暴露・増幅のイメージを示すため、一つの例として記述されたものであり、評価結果案のBSEの暴露・増幅リスクシナリオ(モデル)において、感染価について、国際獣疫事務局の定める百三十三度、三気圧、二十分の処理を行ったものと仮定したものであること等の説明が明記されている。
二の(10)について
我が国では、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づく飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令において、ほ乳動物由来たん白質は家畜等を対象とする飼料に含んではならないこと等の基準を定め、こうした基準に合わない方法により製造された飼料等を販売の用に供するために輸入することを禁止している。
二の(11)について
食品安全委員会の所掌事務は、食品安全基本法第二十三条第一項に規定されており、御指摘の国内家畜防疫の観点からのリスクの検討は、これに含まれないと考えている。
三の(1)について
米国ニュージャージー州におけるCJD患者の集団発生として報道された事例については、平成十六年五月に米国疾病対策予防センターと同州保健当局が共同で作成した調査報告書等を入手し、当該報道に係る患者には変異型クロイツフェルト・ヤコブ病(以下「vCJD」という。)の症例は見られなかったと報告されていることを承知している。
米国アイダホ州におけるCJD患者の集団発生として報道された事例については、米国疾病対策予防センターが同州当局とともに調査中であると聞いている。
三の(2)について
米国で平成十四年四月に確認された在米英国人のvCJD患者については、過去に献血を行ったことはないとの報告を米国疾病予防管理センターが行ったと承知している。その後、米国においてvCJD患者の新たな発生は確認されていない。
現在、薬事法(昭和三十五年法律第百四十五号)に基づく製造販売の承認を受けている血液製剤(すべて国内における献血により得られた血液で製造されている輸血用血液製剤を除く。)については、その製造過程においてvCJDの病原体の除去に効果があるとされる様々な物理的化学的処理等の安全確保措置を講ずることとされているところである。仮に米国で新たなvCJD患者が発生した場合、当該患者の血液を原料とした血液製剤等が我が国に輸入されるリスクは明確ではないが、その時点の状況を総合的に判断し適切に対処してまいりたい。
三の(3)について
米国プリオン病病理サーベイランスセンターが、プリオン病が疑われた二十六例のハンターを調査し、そのすべてが典型的な孤発性又は家族性のプリオン病の病像を呈していると公表していることを承知している。これらの症例はvCJDではないと考えられるが、シカ由来の感染性プリオン病かどうかは明確ではないと考えている。
米国において、シカ肉(内臓、骨等を含む。)が混入したレンダリング製品の油脂及び肉エキスが直接人の食用となっているかについては承知していないが、米国産のシカ肉(内臓、骨等を含む。)並びに油脂及び肉エキスを含むその加工品については、シカの慢性消耗病の人への感染が科学的に否定されていないことを考慮し、「輸入鹿肉等の取扱いについて」(平成十四年十月二日付け食監発第一〇〇二〇〇二号医薬局食品保健部監視安全課長通知)により、平成十四年十月から輸入者等関係営業者に対し、輸入を自粛するよう指導を行っているところである。
三の(6)について
現在、薬事法に基づく製造販売の承認を受けているヒト胎盤製剤(以下「プラセンタ」という。)で、米国を採取国又は原産国とするヒト胎盤を原料としたものはなく、また、人に由来するものを原料としたコラーゲンで同法に基づく承認を受けているものはないが、人に由来するものを原料としたプラセンタ、コラーゲン等について、個人輸入により米国から輸入されている事例があることは承知している。また、人に由来するものを原料とするプラセンタ、コラーゲン等の使用がvCJD患者の発生の原因となるとの科学的知見は得られていないことから、現時点においては、これらの使用者による献血は制限していない。
人に由来するものを原料とする特定生物由来製品については、「人由来原材料を使用した医薬品、医療用具等の品質及び安全性の強化について」(平成十七年二月九日付け薬食発第〇二〇九〇〇三号厚生労働省医薬食品局長通知)により、vCJD患者が発生した国を採取国又は原産国とする人に由来するものを原料として使用してはならないことを関係事業者に対して指導しているところである。仮に米国で新たなvCJD患者が発生した場合、人に由来するものを原料とする特定生物由来製品を介して我が国でvCJD患者が発生するリスクは明確ではないが、その時点の状況を総合的に判断し適切に対処してまいりたい。
三の(7)について
薬事法に基づく生物由来原料基準(平成十五年厚生労働省告示第二百十号)においては、米国産の反すう動物に由来する原材料を医薬品等に用いることは原則として認められていないが、治療上の効果が当該原材料を用いることによるリスクを上回る場合等には、その使用が認められているところである。御指摘の抗リウマチ薬エンブレル(以下「エタネルセプト製剤」という。)については、その製造工程において米国産の子牛の血清が原料として用いられていることから、そのリスク及び治療上の効果について十分な検討を行い、使用者が伝達性海綿状脳症に感染するリスクは極めて低い一方、エタネルセプト製剤は既存の治療では効果が不十分な関節リウマチ患者に用いられるものであることから、その治療上の効果はリスクを上回るものと判断し、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いた上で、平成十七年一月十九日に薬事法に基づく輸入承認が行われた。このような事例は他にも存在するが、これらについては、輸入承認を受けた事業者に対して、BSEが発生していない国を原産国とする原料への速やかな切替え、切替えがなされるまでの間における使用者に対する情報提供等を指導しているところである。
また、エタネルセプト製剤に係る輸入承認が行われた後、当該輸入承認を受けた事業者から、海外においてエタネルセプト製剤を投与中にCJDを発症した二症例についての報告があり、薬事・食品衛生審議会伝達性海綿状脳症対策調査会において検討を行ったところ、当該二症例がvCJD患者である可能性は非常に低く、国内での販売を見合わせる必要はないとの結論を得た。また、二症例のうち既に死亡している一症例については、脳の組織検査が行われたと承知している。
三の(8)について
医療行為を介した異常プリオンたん白質の伝達の予防については、平成九年二月に「クロイツフェルト・ヤコブ病診療マニュアル」を作成し、その中で基本的な留意点を示しているほか、平成十五年三月には、医療行為ごとにより詳細な留意点をまとめた「クロイツフェルト・ヤコブ病感染予防ガイドライン」を作成し、「医療機関におけるプリオン病(クロイツフェルト・ヤコブ病を含む)感染防止対策の推進について」(平成十六年九月十四日付け医政指発第〇九一四〇〇一号厚生労働省医政局指導課長・健疾発第〇九一四〇〇一号厚生労働省健康局疾病対策課長連名通知)等により同ガイドラインの周知徹底に努めているところである。
また、血液製剤については、「血液製剤の使用指針及び輸血療法の実施に関する指針について」(平成十一年六月十日付け医薬発第七百十五号厚生省医薬安全局長通知)等により、血液製剤の一層の適正な使用の推進に努めているところである。
三の(9)について
vCJDは、BSEに感染した牛の異常プリオンたん白質を経口摂取すること等によって感染すると考えられており、一の(1)についてで述べたとおり、今後とも、BSE対策について、科学的知見に基づき、所要の措置を講じてまいりたい。
四の(1)及び(2)について
「BSE疫学検討チーム検討会開催要領」(平成十四年十一月十二日付け十四生畜第五千二百八十二号農林水産省生産局長通知)に基づき設置されたBSE疫学検討チームの検討結果を取りまとめた「牛海綿状脳症(BSE)の感染源及び感染経路の調査について」(以下「疫学検討チーム報告書」という。)においては、「動物性油脂を介した感染経路としては、代用乳の原料として添加されており、・・・これを感染経路として結びつけることは難しい面がある」とされているところであり、現時点においても、代用乳が我が国のBSEの感染経路であると断定することはできないと考えている。国内でBSEの感染が確認された牛の二十例のうち平成七年十二月から平成八年八月までの間に生まれた十三例が株式会社科学飼料研究所の高崎工場で生産された代用乳を摂取していたことは事実であるが、このことのみをもってBSEの病原となる異常プリオンたん白質が同工場で一定時期に製造された代用乳に存在したと断定することはできないと考えている。
四の(4)について
疫学検討チーム報告書において仮定している一頭の牛を原料として製造される肉骨粉の重量、と畜獣の内臓脂肪から製造される動物性油脂の重量及び肉骨粉製造時に生産される動物性油脂の重量の積算根拠については、疫学検討チーム報告書の「4.2.5肉骨粉と動物性油脂の牛への換算式」において示されているとおりである。
御指摘のプリオン専門調査会吉川座長の答弁は、疫学検討チーム報告書に記述された換算方法及び国際獣疫事務局の定めるイエローグリースの不溶性不純物含有率の基準を基にして述べたものであると承知している。
また、我が国では、飼料の安全性の確保及び品質の改善に関する法律に基づく飼料及び飼料添加物の成分規格等に関する省令において、動物性油脂の不溶性不純物の含有量は、〇・一五パーセント以下でなければならないことが定められており、この範囲内であれば動物性油脂の飼料としての使用が原因となってBSEに感染するリスクは低いものと考えている。
四の(5)について
農林水産省においては、平成十七年度先端技術を活用した農林水産研究高度化事業に係る研究課題を公募したところ、吉川東京大学大学院教授から、「牛海綿状脳症(BSE)の感染源及び感染経路の調査について」との課題で応募があり、当該事業の応募要領で定められた審査基準に照らして審査したところ適当であると認められたため、採択したものである。この調査においては、これまでに国内でBSEの感染が確認された牛の二十の事例を調査することとされており、BSEの感染源及び感染経路を特定する上で有意義なものであると考えている。
五の(1)及び(3)について
御指摘の唐木専門委員は、食品安全委員会及びプリオン専門調査会における米国産牛肉等に関する食品健康影響評価に係る調査審議には加わっていない。このため、唐木専門委員の御指摘の活動によって食品安全委員会における当該調査審議の中立性及び公正性が損なわれたことはないと考えている。
平成十七年十月十二日に、寺田食品安全委員会委員長から唐木専門委員に対し、食品安全委員会としての活動ではない個人的な活動であっても、食品安全委員会の中立性及び公正性について国民から誤解を受けないよう留意されたい旨、注意喚起を行っている。
五の(2)について
唐木専門委員が「食品安全委員会における調査審議方法等について」(平成十五年十月二日食品安全委員会決定)の三に規定する特別の利害関係を有する専門委員に該当するか否かについては、唐木専門委員が所属するリスクコミュニケーション専門調査会及び肥料・飼料等専門調査会における審議の公平さに疑念を生じさせるか否かによって判断されるものであり、御指摘は当たらないものと考える。
六の(1)について
食品の安全に係る不正行為の防止については、食品衛生法等の一部を改正する法律(平成十五年法律第五十五号)において、法令違反に対する十分な抑止力となるよう罰則の強化が行われたところである。
六の(2)及び(3)について
消費者の合理的な選択に資するため、農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律(昭和二十五年法律第百七十五号)に基づく加工食品品質表示基準(平成十二年農林水産省告示第五百十三号)において、外国で生産された加工食品について原産国名を、国内で製造された加工食品のうち加工度の低い二十食品群について原料の原産国名を、それぞれ表示することが義務付けられている。また、「外食における原産地表示に関するガイドラインについて」(平成十七年七月二十八日付け十七総合第八百八十七号農林水産省総合食料局長通知)により、外食事業者に対し、メニューの主たる原材料等の原産地表示を行うよう指導を行っているところである。また、消費者に対して、これらの表示制度についての啓発に努めていく考えである。
医療行為を介した異常プリオンたん白質の伝達については、三の(8)についてで述べたとおりである。また、輸血や血液製剤の投与による異常プリオンたん白質の伝達の予防については、異常プリオンたん白質の伝達の理論的なリスクを勘案し、一定期間以上、英国等に滞在した者に対する献血の制限を行うとともに、三の(2)についてで述べたとおり、血液製剤の製造過程において安全確保措置を講ずることとされているところである。
六の(4)について
学校給食でどのような食品を使用するかについては、学校給食の実施者が判断するものであり、米国産牛肉等の使用についても、関係省庁における安全性についての判断を踏まえつつ、学校給食の実施者において、判断されるものである。
なお、文部科学省においては、学校給食の食品の購入に当たり、その安全性について十分配慮するよう、学校給食の実施者に対し指導しているところである。
七の(1)について
食肉加工における安全対策として、「と畜場法施行規則の一部を改正する省令の施行について」(平成十三年十月十七日付け食発第三百八号厚生労働省医薬局食品保健部長通知)において、背割りを行う従事者について、安全確保の観点からゴーグル及びマスクを着用することを求めている。
七の(2)について
平成十七年一月に日本生活協同組合連合会から御指摘の舌へん桃の除去に関する意見が提出されたが、その時点で既に、厚生労働省関係牛海綿状脳症対策特別措置法施行規則(平成十四年厚生労働省令第八十九号)において、舌へん桃は牛の特定部位とされていたことから、本件については御指摘の公開審議において議論されなかった。
八の(1)について
我が国へのBSE病原体の侵入防止のための対策として、飼料又は肥料に供される可能性のある偶蹄類の動物の肉骨粉等について家畜伝染病予防法(昭和二十六年法律第百六十六号)に基づき輸入の規制が行われている。また、「米国から輸入される牛肉等の取扱いについて」(平成十五年十二月二十六日付け食安監発第一二二六〇〇一号医薬食品局食品安全部監視安全課長通知)により、BSE発生国を原産国とする牛由来原材料を含む食品については、事業者に対し、輸入を行わないよう指導を行っているところである。さらに、米国産の反すう動物に由来する原材料を用いた医薬品については、原則として薬事法に基づく製造販売の承認を行わないこととしている。
八の(2)について
国際獣疫事務局では、家畜及び畜産物の国際貿易の円滑化を図りつつ、国境を越えて家畜疾病が伝播することを防止するため、加盟国が守るべき基準を定めた国際動物衛生規約を策定しており、その中で飼料規制も含めたBSEに関するリスク評価を行うこととされている。我が国としてはこのような国際基準の策定に積極的に参画していくことが重要であると考えている。
八の(3)について
食品として輸入される動物性油脂及び肉エキスについては、八の(1)についてで述べたとおり、BSE発生国を原産国とする牛由来原材料を含む場合については、事業者に対し、輸入を行わないよう指導を行っているところである。また、食品への異物の混入及び有害物質の残留については、輸入の際、検疫所が所要の検査を行うこととしている。
九の(1)について
厚生労働省及び農林水産省においては、米国産牛肉等の輸入を再開することとなった場合には、輸入再開以前に、また、輸入再開後も定期的に、担当官を派遣して米国における我が国向け牛肉等に係る食肉処理施設(以下「対日輸出施設」という。)に対する現地調査を実施することが必要と考えている。具体的には、米国政府による対日輸出施設の監督状況、日本向け輸出証明プログラムに規定する品質管理プログラムの文書化の状況、SRMの除去の実施状況、月齢二十月以下の月齢証明についての遵守状況等について現地において確認したいと考えている。
お尋ねの抜き打ち検査の実施については、対象が外国にある施設であることから困難と考えている。
九の(2)について
米国の食肉処理施設における牛の月齢確認及びSRMの除去については、それぞれの施設について策定が義務付けられたマニュアルに従って実施されており、これらが適切に実施されているかについては、我が国ではと畜検査員が実施しているのと同様に米国農務省の検査官が検証を行っていると承知している。なお、米国産牛肉等の輸入を再開することとなった場合においては、九の(1)についてで述べたとおり、対日輸出施設に対するこれらの対策の実施状況について我が国の担当官が現地調査を実施する必要があると考えている。
九の(3)について
米国のSRM除去のマニュアルについては、それぞれの食肉処理施設において作成されるものであり、個々の食肉処理施設のマニュアルの詳細な内容については承知していないが、平成十七年七月十四日に開催された第二十七回プリオン専門調査会の資料としてそのマニュアルの例が公表されている。
なお、米国産牛肉等の輸入を再開することとなった場合においては、対日輸出施設に関しては、日本向け輸出証明プログラムにSRMとして除去すべき具体的な部位を記載することとしており、当該部位について適切に除去がなされているか否かについては、我が国の担当官による現地調査において確認したいと考えている。
九の(4)について
お尋ねの「科学的な中枢神経組織の付着検査キット」による検査とは、グリア細胞繊維性酸性たん白質を指標とした試験法による検査と考えられるところ、当該検査による検証を行うことは、我が国においても義務付けられていないことから、米国にこうした検証を求める必要はないと考えている。
九の(5)について
背割り後にせき髄を除去した枝肉及び背割りに使用した背割りのこぎりに付着したせき髄片の高圧洗浄による除去の有効性については、平成十三年度厚生科学特別研究事業による「牛海綿状脳症(BSE)に関する研究」において、グリア細胞繊維性酸性たん白質を指標とした試験法による検証が行われ、有効性が確認されている。
九の(6)について
平成十六年六月に米国で開催された日米BSE協議に係る第二回専門家及び実務担当者会合においては、米国内の食肉処理施設の視察が行われ、当該視察時には我が国の報道関係者に対しても当該施設の内部が公開されたところであり、今後とも必要に応じ、我が国の担当官による現地調査に際して当該施設を我が国の報道関係者に対して公開することについて米国政府に要請してまいりたい。
九の(7)について
米国でBSEの発生が確認された日以降については、メキシコからの牛の輸入の実績はない。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。