Kurage 防災判定セット(洪水・土砂・津波・避難所)
住所と避難情報から立退き避難か屋内安全確保かを判定し、災害種別に合う避難先まで返すKurageの防災判定キット。
Kurage 防災判定セットは、住所を入れると「いま出ている避難情報」と「その住所の災害想定」を掛け合わせ、立退き避難か、上の階にとどまるか、およびその災害に使える避難先までを返すシステム一式。kurage が販売するオンプレミス製品のひとつで、kurage-app-store を通じて提供される。自社・自治体・施設のサーバーに置いて内製化するためのソースコードと手順が同梱される。
基本情報
- 価格: 165,000円(税込)
- ライセンス: MIT
- デモ: https://kurage.exbridge.jp/kflood.php/now
- 商品ページ(LP): https://kappstore.exbridge.jp/app.php?id=00f96a025e51574d
- 正式な商品名: Kurage 防災判定セット(洪水・土砂・津波・避難所)
- 判定対象: 洪水・内水・高潮・土砂災害・津波
- 同梱物: 判定に要る4エンジンのソースコード、設置手順、住所CSV一括判定、マイ・タイムライン印刷
- 購入前にデモを触ってから判断できる
判断の型は内閣府ガイドラインに準拠
判断の型は内閣府「避難情報に関するガイドライン」(令和8年3月改定)に合わせている。同ガイドラインでは、自宅に留まる屋内安全確保を選べるのは洪水等と高潮に限られ、しかも次の3条件をすべて満たす場合だけとされる。
- 家屋倒壊等氾濫想定区域に存していない
- 浸水しない居室がある
- 一定期間の浸水による支障を許容できる
土砂災害と津波は立退き避難が基本となる。つまり洪水のデータだけでは行動を出しきれないため、判定に要る4つのエンジン(洪水・内水・高潮/土砂災害/津波/指定緊急避難場所)を揃えて1つのキットにしている。単独の区域判定ではなく、世帯が実際に取る行動まで踏み込む点が hazard-map-judgment との違いにあたる。
4つのエンジンと役割分担
| エンジン | 受け持つ問い | 主なデータ |
|---|---|---|
| 洪水・内水・高潮 | 何メートル・何日浸かるか、家屋倒壊等氾濫想定区域か | 国土数値情報の洪水浸水想定区域、自治体の内水データ |
| 土砂災害 | 土砂災害警戒区域・特別警戒区域に入るか | 国土数値情報の土砂災害区域 |
| 津波 | 何メートル浸かる想定か | 津波浸水想定(県ごとに整備年度が異なる) |
| 指定緊急避難場所 | その災害種別で使える避難先はどこか | 国土地理院の指定緊急避難場所データ |
内水は自治体ごとのデータに依存するため、同梱の名古屋市版を起点に、他自治体はShapefileを1件足すだけで同じ画面で動く構成になっている。
避難先の選び方
避難先は「その場所でいちばん重い災害に対応している指定緊急避難場所」だけを名前と徒歩何分で返す。このため洪水対応の避難所を土砂災害警戒区域の人に勧めることがない。指定緊急避難場所は災害種別ごとに指定されており、崖のそばの広場は地震では安全でも土砂災害では危険であるため、単に最寄りを返す設計は採らない。徒歩時間は道路網をたどって計算し、道路網エンジンを使わない場合はその旨を明記する。個別の判定製品としては kurage-flood-hazard-map、kurage-landslide-hazard-map、kurage-tsunami-map、kurage-refuge-map が存在し、本製品はそれらを行動判断として束ねる位置づけにある。
発令情報の扱い
発令は市区町村の配信から警戒レベル・種別・対象学区という事実だけを機械的に抜き出す。取得できなかったときは「発令なし」とは書かず、取得できなかったと明示する。これは unknown-vs-outside-distinction や deterministic-core に見られる同シリーズ共通の設計原則であり、推測を事実として提示しない姿勢が貫かれている。
その他の機能
- 世帯条件(高齢者・乳幼児・車・上階・ペット・要配慮者など)を足せば、警戒レベル1〜5の行動表(マイ・タイムライン)を印刷できる
- 住所CSVによる一括判定ができる
- 判定に要る4つのエンジンのソースコードを同梱し、改変・拡張できる
- 外部の有料APIは使わず追加費用0円
想定用途
- 要配慮者利用施設の避難確保計画(水防法第15条の3)の下ごしらえ
- 自治体・議員事務所の相談窓口
- 企業の拠点点検
上位構成との関係
同じ防災領域には、本製品にAIチャットとMCP(HTTP API)を加えた上位のセット「Kurage 防災AIチャット+防災判定セット」(220,000円、kbousai)が別商品として用意されている。上位セットでは、住所や現在地からの自然文の問い(「逃げた方がいい?」「川が氾濫しそう?」「津波は来る?」「台風は直撃する?」「土砂崩れは大丈夫?」など)に1画面で答える構成になり、判定を受け持つ4つのエンジンは本製品と同じものが使われる。AIは規則が先に出した結論を質問に合わせて言い換えるだけで、結論を変えない(deterministic-core)。AIが止まっていても規則の答えとカードはすぐ出る。
また上位セットでは川の水位について、国土交通省「川の防災情報」がツールによる定期的な収集を控えるよう求めているため取り込まず、リンクで案内するという扱いをとっている。取得できなかった情報は「出ていない」と書かずに「取得できない」と明示する。上位セットにはAIアシスタントやAIエージェントから同じ判定を呼べる mcp サーバーとHTTP APIも同梱され、名前・ロゴ・計測タグは設定ファイルで変えられる(書かなければ計測タグは出ない)。
つまり本製品は「判定エンジン+設置手順」、上位セットは「判定エンジン+対話+エージェント連携+ホワイトラベル設定」という切り分けになる。まず規則の判定だけを内製化したい場合は本製品、住民・職員が自然文で問い合わせる窓口まで作りたい場合は上位セットが対応する。
設計上の位置づけ
外部の有料APIは使わず追加費用0円で、判定に使うデータも住所も外部サービスへ送らない(no-external-data-egress)。self-hosting を前提とした買い切り型で、hazard-map-judgment を単なる区域判定ではなく行動の判断へ引き上げている点が特徴。kappstore-ecosystem における防災・行政系ラインナップの中核に位置し、区域を返す各マップ製品を「自分の地域・世帯でどう動くか」という一段上の問いでまとめる役割を担う。
価格は区域を返す単品マップ製品(55,000円)の3倍で、複数エンジンの束ねと行動判断・印刷物まで含む点に置かれている。判断を誤ると人命に関わる領域であり、social-impact-pricing 的な「誤りのコストが高い領域ほど高く、しかし買い切りで追加費用ゼロ」という値付けが見て取れる。
関連製品として kurage-juyo-saigai-check(重説の災害項目チェック)や kurage-disaster-risk-area-map、kurage-morido-map、kurage-earthquake-map がある。これらは「その土地が法的・構造的にどうか」を返すのに対し、本製品は「いまの状況でどう動くか」を返す点で補完関係にある。出典: kurage-products
See also: kurage-sites
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