決定論的コア
重要な計算・判定はコードで行い、AIは補助に留める設計思想。
決定論的コア(Deterministic Core)とは、業務システムの重要な計算・判定・整合性チェックを、AIの確率的な推論ではなく、通常の決定的なコードで実行する設計思想です。AIは下書き作成や補助に使い、最終的な事実の記録や数値計算はコードが責任を持ちます。
背景
Kurageの商品群はai-modifiable-softwareとしてAIエージェントによる拡張が可能ですが、その一方で「AIに採点させない」「AIが台帳に直接書けない」といった安全設計が強調されています。これは、AIの出力は文脈によって変わり得るため、給与計算や予約の二重確保などの不可逆な処理に使うと重大な事故につながるという考えに基づいています。
この思想は、公開リポジトリ群でも一貫しています。kproofreadは測定値・規格値・合否判定を自動変更せず、決定論的な検査を先に実行してからLLMを矛盾指摘の補助に使います。kfxaiはAI判断レイヤーが注文API・認証情報・注文数量を持たず、最終リスク判定はOSSのボディだけが行います。nofxもGoランタイムが全注文をハードリスク上限でクランプし、モデルは覆せません。
原則
- 計算はコードが行う: 達成率・勤怠照合・空き枠判定など数値や真偽が重要な処理は、決定的アルゴリズムで行います。
- AIは下書きまで: AIの出力は常に人の承認を経て正式データになります(approval-workflow)。投稿系APIも
confirm_postを明示しない限り実際には投稿しません。 - 判定は一箇所に: 権限判定などはコードの1か所だけに集約し、AIが関与しません(config-declared-scope)。
- AIは解釈のみ、数値を発明しない: 取引後のレビューや仮説生成では、実データをコードが計算し、LLMはそれを解釈するだけに留めます(evidence-traceability)。
例
- kurage-hr-post: 達成率はコードが決定的に計算し、AIに採点させません。
- kurage-kintai: 顔照合はサーバーの決定的コードが正とします。
- kreserve: 空き枠判定と予約書き込みを同一ロック内で行い、ダブルブッキングを防止します。
- kproofread: 化学試験結果報告書の数値照査は決定論的検査が先で、LLMは根拠・重要度つきで矛盾を指摘するだけ。原本は変更せず、修正版を別ファイルで生成します。
- kfxai / kfreqai / nofx: AIは市場判断を提案するが、注文・リスク上限・ポジション管理等はコードが強制します(paper-tradingで検証後も同じ境界)。
- ksbrain: 入力された根拠ID以外を出典として返さないことで、判断の根拠を決定的に追跡可能にします。
関連
- ai-judgment-backend: AI判断の結果をどこまで信用するかの境界
- trust-boundary: 決定論的な部分とAIが触れられる部分の分離(kfxaiの「trust boundary」も参照)
- self-contained-php-app: 決定的コアを実装しやすいシンプルな構成
- paper-trading: 実資金を動かす前に決定論的リスク制御を検証する仕組み
- kurage-products: 本概念が多数の商品に適用されている事例一覧
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