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概念

行政データの公表格差(公表形式・粒度・時点のばらつき)

行政データが省庁・自治体ごとに形式・粒度・時点・公表有無・利用条件でばらつき、横断利用と正しい解釈を妨げる構造的問題。

定義

同じ「行政が公表するデータ」でありながら、省庁・自治体・部局ごとに ファイル形式・空間粒度・基準時点・公表の有無・識別子・値の意味・利用条件 がばらばらであるために、複数のデータを突き合わせたり、住所ひとつで横断的に引いたりすることが難しくなる構造的な問題。データが「無い」ことと「未公表」であることの区別がつかないまま、利用者が誤解する危険を生む。

kurage-products に列挙された一連のシステムは、いずれもこの格差を吸収するために作られており、同カタログの設計原則の多くはここに由来する。格差は単一の欠落ではなく、層になって重なっている点が重要で、形式を揃えても粒度が揃わず、粒度を揃えても時点が揃わず、時点を揃えても「そもそも公表されていない」項目が残る。

格差の類型

1. 公表形式の格差

2. 空間粒度の格差

3. 基準時点の格差

4. 公表有無の格差(未公表・未指定・未収録の混在)

5. 識別子・値の意味の格差

6. 利用条件(ライセンス)の格差

なぜ問題か

第一に、格差をそのまま扱うと 「未収録」や「未公表」を「該当なし」「危険なし」と表示してしまう。東京都・福井県・香川県は沿岸があるのに津波浸水想定が国のデータに未収録であり、黙って区域外と返せば安全だと誤解させる。盛土規制区域で未公開の県を「区域外」と答えれば「規制の無い土地」と誤解される。災害危険区域で「区域外」とだけ返せば「浸水の危険が無い」と読まれる。

第二に、公表が PDFや人が読む形だけ だと、実務では「◯◯県 宅地造成工事規制区域」と検索して都道府県ごとのPDFやGISを人が探すことになり、住所ひとつで横断的に引く手段が存在しない。重要事項説明の対象でありながら調べる手段が整っていない、という状態が生まれる。

第三に、増えた側だけを見ても分野の動きは分からない。放課後等デイは4年半で1.71倍になったが、同じ期間に3,114か所が公表データから消えている。公表の粒度が「現在の一覧」だけでは、消えた事実が残らない。facility-data-churn

第四に、粒度の粗い代表点で「区域外」と言い切ると、縁から14〜50mの誤差がそのまま誤説明になる。判定の確からしさがデータ側の設計に左右されるため、利用者には見えないところで精度が変わる。

対処の設計原則

kurage-products の各製品に共通する応答は次のとおり。

  1. 未収録・未指定・区域外・内陸・判定対象外を必ず分けて答える。unknown-vs-outside-distinction
  2. 推定した数字は出さない。公表されていない市町村は「未公表」と書く。
  3. 判定結果に必ずデータ時点を添え、時点が確認できないデータでは判定しない。
  4. 区域外の場合も「危険が無いという意味ではない」と毎回書く。災害危険区域なら「これは建築制限の指定であって浸水の危険が無いという意味ではない」と添える。
  5. 代表点が区域の近くなら距離を添えて 言い切らない。
  6. 複数形式(PDF・Excel・HTML・GIS・API)を取り込む前処理を持ち、出典リンクと取得日時を各行に残す。evidence-traceability
  7. 空欄や「該当なし」で流さず、確認漏れが紙の上に残る 作りにする。
  8. 判定は決定的コードが行い、AIに推測させない。deterministic-core、ai-judgment-backend
  9. 格差そのものを データ差し替えで吸収できる形 にし、他自治体へはJSONやShapefileを足すだけで展開する。municipality-data-swap-expansion
  10. 収録できない自治体・商用利用不可のデータは取り込まず、その判断をコードとテストに固定する。open-data-license-compliance

これらは hazard-map-judgment と重なる問題意識であり、kurage-app-store が販売する各システム(kgakudo、kurage-tsunami-map、kurage-morido-map、kurage-disaster-risk-area-map、kkaigo、kghome、kurage-facilities、kurage-chinjo-navi、knintei、kurage-refuge-map、kurage-landslide-hazard-map、kurage-flood-hazard-map、kurage-earthquake-map、kurage-juyo-saigai-check、kshoken、kseido、kecnavi、kacnavi、kshuisho など)の共通の芯になっている。格差の吸収は個別製品の付加価値であると同時に、kappstore-ecosystem 全体を貫く設計言語でもある。

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